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第七話 お金の使い道


「【エレキチャージ】? それじゃあこのパーツの珠を装着すればそのスキルが発動出来るって事ですか?」


「そうだ。……あぁ、これを言い忘れていたの。パーツの珠はお前さんたちで言うところの拡張パーツに出来るんじゃが、E・L・Kの武器に一度装着させたものは元には戻せない。まあ要は使い捨てって訳じゃよ。だからよく考えて装着させるんだの」


「なるほど、無闇に使うものじゃ無いってことか」


「そう言うことだ。それじゃあ次に設計図だな。設計図はお前さんたちで言うところの武器パーツの設計図じゃ。設計図は種類があって普通、金、虹の設計図がそれぞれ存在する。当然じゃが、虹の設計図から作られる武器は強力だったり一癖も二癖もあるようなものが多くなる。まあ手に入ればの話だかな」


 普通のって最初に付いてるのはそう言う事か。設計図は武器パーツの設計図だったんだな。つまり扱える武器が増えるって事だ。まあいつまでも貰ったノーマルブレイドでやる訳にもいかないしな。虹の設計図か……見てみたいものだな。


「そしてここからが大事な話じゃ。設計図に従って武器を作っていく訳じゃが、設計図を見ただけではどんな武器になるかわしにも分からん。強い武器でも弱い武器でも一律に料金を取る。普通の設計図じゃと2000G必要じゃな。今回は初回だから無料にしておいてやろう」


「なるほど、初回無料か。でも普段ならお金がいるって言うのに無料にしちゃって良いんですか?」


「まあ初回から金を取っても良いんだがな。わしの腕をろくに知らん状態で金を取られるのも嫌だろう。だからこれからもわしに任せてくれるよう初回は無料にしてやるんだ。それに騎士になったら何度もここに来てくれるに違いないからな。なら初回ぐらい無料にしてやったって損にはならんよ」


 なるほど、E・L・Kがいくら高性能であっても武器がなければただの鑑賞品にしかならないことは大広間のルブールを見れば分かる。つまりは何度もこの場所に来る必要があると言う訳だ。もっとも他に鍛冶屋が無いのならと言う話ではあるが。


「それで、作るのか? 作らないのか?」


「もちろんお願いします」


「承った。それじゃあ作っておくから明日以降また取りに来てくれ」


 クロードがそう言うとピクトは設計図を手に取りひと通り把握したかと思うと、やがて鉄の塊をわし摑みにし鍛治炉に放り込んで熱したものをハンマーで叩き始めた。作っているのは武器のどんなパーツなのかは分からないがノーマルブレイドとは違うのは何となく感じられた。しばらく見ていたクロードであったが恐る恐るピクトに尋ねた。


「あの……、今出来るとかじゃないんです? 明日ですか?」


 クロードのその声に気づいたピクトは目につけていたゴーグルを外してこちらを見つめた。


「……お、そういえば言っておらんかったな。武器パーツはすぐには出来ん。設計図を手に入れた大抵の騎士はタスクの帰りにここに寄って設計図を渡しながら頼んでおいた武器パーツを受け取ったりしてるな。……まあいちいちここに来るのが面倒だと言うやつのために格納庫までの宅配サービスもあることはある。……ただし有料だがね」


「マジか……、それもお金がいるんですね。……うーむ、どうしようか」


 クロードは移動する時のちょっとした煩わしさを思うと宅配サービスが有りのように思ってはいるのだが、それにもお金がかかるとなると素直にそれを利用するには迷いがあった。それを見かねたかのようにピクトがさらに続けた。


「……まあ、こっちも言い忘れていたのもある。本来なら作業する前に説明するべきことじゃ。じゃからの、初回は無料にしてやろう」


「良いんですか? それじゃあ宅配もお願いします」


「承った。それじゃあ明日の朝にでも格納庫に届けて置いてやるよ。格納庫の番号は何番だ?」


「ええと……格納庫は3A-5です」


「3A-5ね。それじゃあわしは作業に戻るぞ」


 そう言うとピクトはゴーグルを装着し直して再び鍛冶炉に放り込むとまたハンマーで叩き始めたのであった。


――

格納庫

――


 鍛冶屋から格納庫へと戻って来たクロードをルピウスが出迎えた。メンテナンス作業でもしていたのだろうか?E・L・Kの周囲には金具が数個放り出してあった。


「お疲れ。設計図とパーツの珠はどうなったの?」


「パーツの珠は【エレキチャージ】だってよ。渡しておいた方が良いか?」


「装着しないなら君が持ってなよ。スキルの良し悪しは僕には分からないからね。スキルの性能は持ちものとか図鑑とかから見れるから比較しながらどの拡張パーツを装着するか決めると良いよ」


 なるほど、スキルがどう言うものかを比較出来るんだな。今知っているスキルは【エレキチャージ】と【ブレイドショット】だな。持ちものから見れるってのは……こういうことか。


――

エレキチャージ

一定時間の溜めの後、直線上に250%の電撃攻撃

――


 読んでくださりありがとうございます。

 お金の使い道が明らかになりました。実はまだ他にもあるんですがそれはまた後ほどと言うことで。ちなみに鍛冶屋はE・L・Kに搭乗した状態でも利用できます。いずれクロードも気づきますが宅配サービスは有って無いようなサービスなのです。

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