表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/150

第五話 勝ったのは……?


「ん? 効果切れか? ルピウス! 【ブレイドショット】の効果時間はどれくらいだ?」


「1回撃てばチャージしないと撃てないよ。発動するためのスイッチも光ってないでしょう? もう一度発動させるためのチャージ時間は約20秒ってところだね」


 なるほど、確かにスイッチは今光ってないや。そう何度も撃てるものじゃないんだな。まあ通常攻撃よりも強いものを何回も矢継ぎ早に撃てるなんてことは無いよね。そう考えたら20秒経てばまた撃てるってのは破格なのかもしれん。【エレキチャージ】の発動に気をつけながら【ブレイドショット】をもう一度狙ってみますかね。


「クロードのとっておきも強いんだなぁ。やっぱりスキルは強力だよね。今度は当てるよ」


 アンドロはそう言うと再び【エレキチャージ】を発動させた。先程同様クロードは視界を外さないように注意しながら正面から外れた。そのため再び恐ろしいスピードで電撃が放たれたがその攻撃はクロードには当たらなかった。そしてそのタイミングで再び左上のスイッチに光が戻った。チャージ完了である。


「クロード、今度は斬り下ろしで【ブレイドショット】を撃ってみてよ」


「……? それに違いはあるのか? まあやってみるが」


 クロードは再びスイッチを押すとアンドロを正面に捉えながらレバーをしっかり上端から下端まで操作した。振りかぶって放たれたその斬撃は先程の右薙ぎ払いとは違って太く短い軌跡を描いていた。【エレキチャージ】の直後なために反応が遅れたアンドロにそれは直撃したのである。先程よりも大きくアンドロはふっ飛んで行った。


 先程とは違って後ろの壁との距離が近くなっていたがためにアンドロは壁に大きく打ちつけられた。


『そこまで! ……この勝負はクロードの勝ちだ』


「おぉ……。勝ったのか」


「やったねクロード! 初めての戦闘で勝ったよ!」


 ホログラムで表示されているルピウスが勝利に喜んでいるのが分かったが、クロードとしてはイマイチ勝った気がしないのも事実であった。アンドロよりも攻撃を浴びせていたのはそうなのだが特に時間制限があった訳でも無いのに勝負がどこで決したのか疑問であった。少し首を傾げているクロードに向けて再びレオから通信が届いた。


『……これは訓練ゆえに早めに止めさせてもらった。本来であれば相手のE・L・Kを撃墜するまでが戦闘であることを両名忘れないよう。撃墜すれば相手のE・L・Kは破壊され操縦席のみになる。そうなれば相手にはもうなす術は無い』


 なるほど、相手を倒した明確なものとして撃墜があるんだな。相手のE・L・Kを破壊して操縦席のみにすることが撃墜だと。まあ確かに訓練で撃墜までする必要は無いか。


 クロードがレオの言葉に納得していると壁にもたれかかっていたアンドロのE・L・Kが体勢を立て直した。武器は下ろしておりアンドロも戦闘が終わったことを、すなわち自身が負けたことを認めたようである。


「逆転してやるつもりだったんだけどなぁ……。負けちゃったよ。クロードは中々に強いね。でも次こそ負けないぞ!」


「次があるのかは知らないけど、こっちこそ負けねぇよ」


『戦闘に勝利したクロードには賞金と賞品を贈ろう。2つとも格納庫に届けておくので確認次第鍛冶屋に持って行くと良い。……それでは訓練を終了する』


 そこまで言ってレオの通信は途絶えた。どうやら戦闘に勝利したことで何か貰えるようである。何が貰えるのかは分からないが何だって賞品というものは貰って嬉しいものである。


「……鍛冶屋って? ルピウス何か知ってる?」


「鍛冶屋はこの駐屯地に併設されてるよ。武器パーツや拡張パーツが手に入る場所だな。多分何かしらのパーツを貰ったんじゃないかな?」


「へえ! それは嬉しいや。早くその鍛冶屋ってのに行こうぜ。すぐ格納庫に戻るわ」


「了解。僕も中身が楽しみだから早く戻って来なよ」


 クロードは演習場を出ると慣れた操縦でE・L・Kを操り僅か1分足らずで格納庫まで戻って来た。格納庫の中にはルピウスがいるので鍵はかかっていない。E・L・K搭乗時の出入り口を勢いよく開けると封筒を手にしているルピウスと目が合った。クロードの早い帰還にルピウスは驚いた表情をしたがすぐに後ろを指差した。


「帰って来たらE・L・Kを元の位置に戻しておいてくれ。その方がメンテナンスしやすいんだ。それからこの封筒の中身が貰った賞金だよ。半分貰っといたから残りは全部君のものだね」


「おう分かった。それで? 賞品ってのはどこだ?」


「賞品ならそこの机の上に置いてあるよ」


 クロードは手早くE・L・Kを元の位置に戻して操縦席から降りるとルピウスから封筒を受け取った。受け取った瞬間手から封筒が消えてしまったので少し困惑したクロードだがすぐに表示されているウィンドウに気づいた。


《3000Gを手に入れた》


 最初に持っているお金はクロードの知る限り無かったのでこれがクロードが初めて手に入れたお金である。何に使えるのか、どれくらい必要なのかがまだ不明ではあるが必要になれば分かるだろうし今は賞品の方がクロードには気になっていた。


 ルピウスの言う机へと近づくと、なるほど机の上には宝箱のような大きな箱が見える。恐らくはこれが賞品なのだろう。


 読んでくださりありがとうございます。

 クロードはアンドロとの戦闘訓練に見事勝ちました。賞金と賞品がこれで貰えるようになります。ちなみに負けるとどちらも貰えないので勝てて良かったですね。ちなみに気づいていないだけで最初に持っているお金はあります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ