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第五十七話 エリュトロ発進!


 ルピウスにはクロードが今何に迷っているのかが分からない。乗り込む姿勢の途中で止まって何かを考えているクロードを不思議そうに見上げていた。


 ……エリーダ高原は夜って言うことを考えたとしても特にモンスターには遭遇しないで達成出来るタスクなんだよな。なら操縦したことのない機体を試してみる絶好のチャンスなんじゃないか?


 ただ、採取する関係から速度が落ちると効率がガタ落ちなんだよな。……いや、この時に試しておくべきだな。サブの格納庫からエリュトロを呼び出そう。


 クロードはサブの格納庫からエリュトロを呼び出した。久しぶりに見る赤く輝いて重厚感ある格好良さを放つエリュトロはまるで補正がかかったようにクロードには格好良く映った。


 エリュトロ自体はもちろん弓系統の武器パーツを操縦するのもクロードには初めてのことである。少しテンションが上がってエリュトロに飛び乗ったクロードはそのままエリーダ高原へと向かったのであった。


――

エリーダ高原

――


 ……ふぅ、危ないところだったよ。


 夜のエリーダ高原に着いたクロードはほっとした表情を浮かべていた。エリュトロに乗り込んでテンションが上がってしまったクロードは危うく日中のエリーダ高原に行きかけたのである。


 もしエリュトロがヴァッシュ並みの速度だったら確実に日中のエリーダ高原に行っていたね、間違いないな。ちょっと速度が落ちる分思考が冷静になれたよ。月見草に宵闇茸、闇水晶の欠片は全部夜にしか手に入らない代物だからね。まったく危なかった。


 ……しかし弓系統のコックピットはちょっと面白いな。こんなに長さがいるのか? って言うのはあるけど、実際弓を撃つならこのくらいは引かないといけないからね。ふふ、実際に弓を撃ってるみたいで楽しいじゃないか。


 クロードの目の前にはエリュトロのコックピットが広がっていた。エリュトロのコックピットと言っても他の機体のそれと大差は無い。精々ハンドルやレバーなどの細かな部分の形や色が変わっているくらいである。


 今までのコックピットとは一際異なるのはやはりトレントアローを操作するためのレバーであろう。今までのアイアンアックスやノーマルブレイド、メテオライフルといった武器パーツの操作をするためのレバーは操作方法こそ異なれど、そのレバーは制御盤の中に収まっている。


 しかしトレントアローを始めとした弓系統の武器パーツは制御盤をはみ出して操縦者側までレバーがせり出しているのである。操作する距離が長い分動かそうとするにはやや負荷が大きく、弓系統の武器パーツはそう言う意味合いで敬遠されてしまう武器パーツなのである。


 ……これはまたちょっと癖のある武器パーツだなぁ。とりあえず試しにどこでも良いから撃ってみるか。……ギリギリ片手で操作可能だな。俺のこのレバーを最後まで引く動きと連動してエリュトロもトレントアローを引いているんだろう? そう考えるとなんだかワクワクするな……っと。


 思い切り引いて発射した矢は唸るような速度で夜の闇へと消えていった。夜であるために肉眼だけでは判断しづらいが、クロードの目にはメテオライフルなどの銃系統の射撃攻撃と遜色ない速度で飛んで行ったように見えた。もしそれが正しいならば相当な威力であるに違いない。


 ……これはまた中々な威力だ。なんだか撃ちたくなって来たな。……そうだなぁ、どうせ宵闇茸を採取しなくちゃいけないからスリープマシュルでも探すとしますか。見つかったらトレントアローを放ってみることにしよう。


 ……とか言って探し始めたらいないんだもんな、困っちゃうぜ。スリープマシュルを探しながら採取していたらもう月見草も宵闇茸も揃っちゃったよ。まあ、見つからないのは仕方ないか、前回も見つかりづらかったからね。縁が無かったってことだよきっと。


 それじゃあ闇水晶の欠片を探すとしますか。一応規定数は持っているんだけど出来るなら最大数納品した方がスペシャルタスクに繋がるかもしれないしね。手に入る採取ポイントは鉱物の採取ポイントの中でもちょっと紫がかったところだな。つまり目の前にある普通の鉱物採取ポイントからは……、


《ガラクタ×2を手に入れた》


 普通の鉱物が採取出来ると。それじゃあ次。


《ガラクタ×3を手に入れた》


 数は多いがガラクタは結構持っているんだよね。……お、これは闇水晶の欠片が手に入るんじゃないか?


《闇水晶の欠片×1を手に入れた》


 ……足りない。2個出れば最高だったんだけどそう上手くはいかないか。……ん? もしかしてあれは?


 ようやく見つけた闇水晶の欠片が手に入る採取ポイントで1つしか手に入らず落胆していたクロードは次の採取ポイントを探そうと踏み込んだ先に採取ポイントとして光っていないキノコを見つけたのであった。


 こちらが擬態に気づいているのをバレないよう静かにトレントアローを引き絞り油断しているスリープマシュルに放った。発射された矢は唸りを上げながらまっすぐ飛び安心しきっているスリープマシュルに直撃した。スリープマシュルはたまらず光となって消え去ったのである。


 読んでくださりありがとうございます。

 クロードは迷った挙句にエリュトロでタスクに挑みましたね。エリュトロはヴァッシュと比べると速度はかなり遅いです。と言ってもルブールと同じくらいの速度はあるので普段使いには特に問題ありませんね。

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