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第五十四話 討伐を目指せ


 お、やっぱりこいつがナップスクイードか。ようやく討伐対象に出会えたぜ。キングインクとか無駄に攻撃が当たらないバイトシエルとか相手にするのが疲れるんだよ。やっぱり夜なんてそう来るもんじゃねぇな。


 クロードは付かず離れずの距離を保ちながら通常の砲撃を的確にナップスクイードに当てていった。大きさはキングインクよりふた回りも小さいとは言えバイトシエルよりははるかに大きいのである。これだけ的が大きければそれなりに攻撃は当たると言うものだ。実際外す事なくクロードは2発程の砲撃をナップスクイードに食らわせた。


 ダメージの蓄積からか最初と比べてやや速度が上がったようにクロードが感じているとナップスクイードは右の腕を大きく振りかぶった。この動作には見覚えがある。キングインクがクロードを吹っ飛ばして来た時の動きと似ているのだ。


 幸いにもクロードはそれを見てから回避に移れるほどには余裕を持っていた。振りかぶった腕とは反対側にリビエルを進めた。振りかぶった右の腕は標的を捉えることなく海面に激突したのである。その衝撃で波は発生したがキングインクほどでは無い。


 精々操縦に難があるくらいであり、クロードにとってそれによる影響は無いに等しい。再び発動準備が整った【エイミング】の砲弾によってナップスクイードは光となって消え去ったのである。


 ……お、倒れたみたいだな。探すのは結構難しかったけど倒すのはそれほどでも無かったね。多分探すのが大変だからタスクのランクが高いんだろう。それじゃあドロップアイテムを確認してスタラジア帝国へ帰還するとしますか。


《淡く光る軟甲を手に入れた》

《唸る触腕を手に入れた》


 お、2種類手に入ったか。……何か条件でも満たしたのかな? まあ、手に入ったものは喜んで貰っておきましょうかね。それじゃあスタラジア帝国へ帰還しよう。


 タスクの達成によってクロードはスタラジア帝国へと帰還したのである。これによって攻撃されて気が立っていたキングインクの近くを通る事なく帰還が出来るのである。無事に帰還出来たクロードはタスクの途中で手に入った設計図やパーツの珠のために鍛冶屋へと向かうのであった。


――

鍛冶屋

――


 クロードが鍛冶屋に入ると、丁度休憩していたらしくピクトが広げた新聞紙の上から顔をのぞかせた。クロードは心なしかピクトがニヤリと笑っているような気がした。その理由はすぐピクトの口から聞くことになったのである。クロードが近づくとピクトはニヤリとしながら口を開いたのだ。


「……お、お前さんか。なんでもラッケルに勝ったんだって? やっこさん結構へこんでたぞ」


 ……なるほど、ラッケルさんがへこんでたから俺が勝ったって判断した訳だな。確かにラッケルさんは勝った訳じゃ無いからへこむのも無理も無いかもね。……ただ、結果は俺の勝ちじゃなくて引き分けなんだよな。


「……いや、ラッケルさんには勝っては無いですね。時間切れの引き分けでしたよ」


「なんだ、そうかい。撃墜してやるつもりだったが出来なかったって言ってたからてっきり勝ったと思い込んじまったよ。まあ、階級も上の騎士に引き分けるとはお前さんも中々の腕前ってことじゃの。……さて、何か持ってきたのか?」


 設計図は普通のものと金のものといくつかあるし、パーツの珠もあるからな。どれから出そうか……、ん? 待てよ。所持金っていくらだっけ? 金の設計図を預けられるほど今所持金は潤って無いよね。それじゃあ設計図は今回やめておこうか。


「これとこれをお願いします」


「パーツの珠が2つだな。……ほれ、【スクラップジェット】と【サブマリンボム】じゃ、大事にしろよ」


 【スクラップジェット】と【サブマリンボム】か。スキルの名前からすれば強そうではあるんだけど、性能の程はどうだろうな? 普段なら格納庫に帰ってから一気に確認するんだけど、ちょっと気になるから今性能を確認しようか。


――

スクラップジェット

このパーツを装着した武器パーツを装備しているE・L・Kの攻撃を10%増加させる。


サブマリンボム

水面上を這うようにして飛ぶ200%の爆撃攻撃。射程は短め。

――


 お! 【スクラップジェット】は汎用スキルだったか。装甲や速度なんかは手に入っていたけど攻撃が上がるものは持ってなかったからね、これは非常に嬉しい。


 【サブマリンボム】は非常に評価がしづらいスキルだな。飛ばし方の関係で射程が短いんだろうな、多分。……ただ、この説明の通りに爆撃攻撃が出来るのならもしかすると弾速がやたら速い可能性もあるな。射程の短さと弾速次第で化ける可能性を秘めたスキルって思っておこうか。


 新しいスキルの性能を確認して満足したクロードはピクトに軽く挨拶をして鍛冶屋を出ると、タスクを報告するため教官室へ向かったのであった。


――

教官室

――


「クロードか、タスク完了の報告だな」


「そうです」


「……確かにタスクは完了している。早期のタスク達成に依頼者もとても満足しておられた。これはタスクの報酬だ。受け取るが良い」


《ルブールの強化書を手に入れた》



 読んでくださりありがとうございます。

 ナップスクイードはそれほど強敵ではありませんでしたね。【サブマリンボム】は使いようによっては非常に強力なスキルですが単体ではそこまで強くありません。なのでクロードも評価し難かったのでしょう。さて、最後に新しいアイテムが手に入りました。強化書とは一体何なのでしょうか?

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