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第五十二話 でっかいイカ


「……また光りだしたな。これが輝く理由が分からないんだよな」


「そのスイッチは【エイミング】でしょう? つまり効果範囲内に何かしらのモンスターがいるって事だよ。試しに押してみたら良いんじゃない?」


 ルピウスが言うにはモンスターが効果範囲内にいる場合【エイミング】のスイッチが押せるようになるらしい。試しにクロードは光り輝くスイッチを押し込んでみたのだ。するとギガントキャノンが黒いオーラを纏ったかと思うとすぐに砲弾が発射された。


 発射された砲弾は綺麗な放物線を描いて近くの小岩に命中した。モンスターなんて居なかったじゃないか。そうクロードが口に出そうとした時海面から水泡が浮かび上がると次の瞬間大きなイカのようなモンスターがクロードの目前に現れたのである。目の前の大きなイカのようなモンスターを目にしてクロードはあることを思い出していた。


 ……討伐対象はナップスクイードだったよな。スクイードが英語だとしたらその意味はイカだ。つまり、目の前にいるこのでっかいイカのようなモンスターがナップスクイードってことだな。


「……やばいや、クロード逃げた方が良いよ!」


「……? なんで? こいつがそのナップスクイードなんじゃないの?」


「こいつはナップスクイードじゃない! キングインクだよ! ナップスクイードなんか目じゃないくらい厄介なモンスターだよ!」


 ルピウスのその叫び声とともにキングインクの長い腕がムチのようにしなってリビエルに襲いかかってきた。間一髪、驚異の操縦を見せたクロードはその腕を何とか避けてみせた。


 しかし空を切ったその腕はそのまま海面に叩きつけられ、それにより大規模な波が発生した。……その結果クロードはコールバの海の奥へと弾き飛ばされてしまったのであった。


「……クロード、大丈夫か?」


「……なんとか、転覆はしてないぜ」


「良かった。大っきい波にのまれた時にはどうしようかとものすごく焦ったよ」


 全くだよ。あんなに大きな波を発生させるなんて厄介極まりないじゃないか。あの波でどれくらい装甲が消耗したかは分からないけど、今の状態でアレを倒せって言うのは難しい話だな。せめて発生する波をどうにかしないことにはとてもじゃないが勝ち目は無さそうだよ。


 ……まあでも、撤退というか戦闘から離れることは出来たって事は裏返せばそれほど差は無いはずだな。圧倒的に差が開いているならそもそも一撃でなす術無く撃墜されただろうしね。攻撃は回避可能ってのが分かったから後は発生する波さえクリアすれば倒すことは不可能じゃない。……待ってろよ、いつの日か絶対倒してやるからな!


 ……あれ? ちょっと待って? いつの日か倒すって今意気込んだけど、もしかして俺スタラジア帝国に帰れなかったりする? ナップスクイードが仮に倒せなかったら帰るにはキングインクの近くを通らないと帰れなくないか?


 クロードは重要なことに気づいたのである。先程キングインクが現れた場所はコールバの海に入ってから奥へ進んだところであり、今は奴が引き起こした波で出発地点からさらに奥に来ているのである。つまり、タスクを達成せずに帰るためにはキングインクの近くを通らなくてはならなくなっているのである。


「……ルピウスちなみに聞くんだけど、キングインクに気付かれずに入り口まで戻るのって可能か?」


「……残念だけど、不可能だね。【エイミング】を当てちゃったことで完全に怒らせちゃったみたいだから多分キングインクから敵認定されてるよ。安全に帰るならタスクを済ませるしか無いね」


「つまり、ナップスクイードを見つけて討伐するしか方法は無いってことね。……で、そいつはどこにいるんだ?」


「さっきやったことと同じで良いよ。どこかに潜んで獲物を待ち構えているから適当に攻撃するか【エイミング】を発動させると出てくると思うよ」


 ……なるほど、探す方法はさっきやったのと同じなのか。潜んでいるモンスターを攻撃して驚かせて出現させるってことね。


「……ちなみに、その方法でさっきはキングインクだったんだよな? もう一度やって別のキングインクに遭遇することはあるのか?」


「……いや、それは無いよ。キングインクはここコールバの海のヌシみたいなものだからそんなに数いてもらったら困るからね」


「……つまり、次【エイミング】に反応するモンスターはナップスクイード確定って事かい?」


「……残念ながらそうとも限らない。まあ、少なくともキングインクよりは危険度が低いモンスターたちと遭遇出来るよ。ナップスクイードの遭遇率はそれほど低くは無いから割とすぐに遭遇出来るんじゃないかな」


 確定って訳でも無いのか。まあ、討伐するしか無いんだからなるべく早くナップスクイードに遭遇出来るように祈るしか無さそうだな。……お、【エイミング】に反応アリだな。


 読んでくださりありがとうございます。

 イカは十本足がある。そう思っていたんですが実はイカの長い足は足ではなく触腕という腕なんだそうです。キングインクもそれにならって腕と表記しております。

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