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第五十話 いざコールバの海へ


 クロードがリビエルを呼び出すと大きな古めの戦艦がヴァッシュが設置されていた場所に鎮座された。旧型だけあってルブールの時と同様動くのか心配になるほど古そうに見える。何も聞いてはいないが恐らくルピウスによってある程度のメンテナンスは終わっており、問題無く動くのだろう。


 ……これがリビエルか。まあ武器パーツを装備していない旧型のE・L・Kなら動くか心配になりそうな見た目をしているのも無理は無いか。確か教官の話では比較的バランスのとれた機体だったよな。武器パーツを装備させる前に性能を図鑑で確認しようか。


――

リビエル

攻撃 110 速度 110 装甲 1400

――


 ……え? 結構強いじゃん。他の海戦用のE・L・Kを知らないから何ともえ言えないけど、もしこれが陸戦用のE・L・Kならヴァッシュとどっちを使うか迷うくらいの性能はあるや。……これで旧型機ってことは海戦用のE・L・Kは軒並み高性能な可能性が高いな。手に入れるのが楽しみになってきたよ。


「ルピウス、リビエルにギガントキャノンを装備させてくれるか?」


「任せて! ……うん、これで装備出来たよ」


 クロードはギガントキャノンが装備されたリビエルを見た。無骨な大砲がリビエルの前方に備え付けられている。ギガントキャノンのその無骨なデザインがやや古く見えるリビエルにとても似合う。やはりE・L・Kは武器パーツあっての存在である。先程までは動くかすら心配に思えたリビエルがなんだか頼もしく見えるのだから不思議だ。


「そう言えば、海戦用のE・L・Kでタスクに向かいたい時はこのまま行けば良いのか?」


「いや、タスクに向かう時はいつでも陸戦用のE・L・Kに搭乗してもらうことになるよ。だってリビエルじゃ陸で何にも動かないからね」


 ルピウスは当然のことのようにそう答えた。タスクに向かう場合E・L・Kに搭乗して門を潜る必要がある。その時リビエルなどの海戦用E・L・Kだと陸で動かないためタスクに向かえない。ルピウスが言っているのはつまりはこう言うことである。


 なるほどね、それじゃあ格納庫で一旦準備を完了させてからタスクに向かえば良いんだな。武器パーツはギガントキャノンで良いとして、スキルをどうしようかな。一番余っているスキルは【アクセルエンジン】だけどリビエルは割と速度が高いから不要っぽいよね。【ブロンズアーマー】も同じ理由で不要だな。……となると、


「ルピウス、ギガントキャノンに【エイミング】を装着させてくれるか?」


「任せて! ……うん、これで装着出来たよ!」


 よし、これでリビエルの準備は整ったな。それじゃあヴァッシュをコンテナから呼び出して乗り込む……


「クロード、ストップ」


「……ん? 何かあったかい?」


「何かあるから止めているんじゃないか。……戦闘訓練で大分ヴァッシュの消耗が進んでいるよ。この状態でタスクに向かうのは危険だよ。メンテナンスしておくからクロードも休息を取りなよ」


 ……ええと、戦闘訓練が終わって三等騎士に昇格して、リビエルを貰ったから武器パーツやスキルを装着させて、……なるほど確かに休息を取ってないや。ラッケルさん強かったもんな。ヴァッシュの消耗は相当だろうね。それじゃあ休息を取って、日を改めて夜のコールバの海へ向かうとしますか。


――

コールバの海

――


 しっかり休息を取り万全に調整したクロードは夜のコールバの海に来ていた。リビエルのフロントライトに照らされてコールバの海のある程度が視認出来た。恐らく日中のコールバの海はかなりの良い景色だろうと想像された。


 武器パーツの使用感やコールバの海の偵察として日中にも一度訪れたかったのがクロードの本音ではある。しかしその場合スタラジア帝国に戻るにはコールバの海の入り口まで戻る必要がある。コールバの海がどう言うところか分からない以上、タスクをこなしさえすれば何事も無く戻れるために今回は偵察なしで夜のコールバの海を訪れているのだ。


 ……さて、夜ってこともあってちょっとだけ不気味だな。下手に奥に行くと厄介なモンスターに遭遇したりしそうだよ。とりあえずモンスターに遭遇した時のためにギガントキャノンの動かし方を体験しておくか。


 クロードの視界にはリビエルのコックピットが映っている。海戦用E・L・Kのコックピットは陸戦用E・L・Kのコックピットと大幅に異なるのでは無いかと少しだけ備えていたクロードだが予想に反してコックピットはほぼ同じ作りをしていた。そのため移動に関しての不安はちっとも無かったのである。


 違う点はガードするためのレバーが見当たらないことぐらいであろうか。これに関してクロードは海戦用のE・L・Kにそもそもガード機能は備わっていないと結論付けた。海戦用のE・L・Kは陸戦用のそれと比べて回避の重要性が高く速度がかなりの重みを持つ。コックピットを見る限りでクロードはそう判断していた。


 移動やガードについては心配するような点は見つからなかった。今までと同じイメージで問題無く操縦出来るだろう。ただし、武器パーツはそうは行かない。右手近くには重そうなレバーとまるいスイッチが設置されていた。新しい武器パーツの系統だけあってどれがどの動きに対応しているのか判別が難しかった。


 読んでくださりありがとうございます。

 リビエルの初陣です。旧型機ではありますが性能はそこまで低くないので頑張ってくれるでしょう。

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