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第四十九話 ナップスクイード


 悩める貴婦人……? どこかで聞いたような聞いていないような依頼者だな。……そう言えば何となく覚えているような?


「……何となくですが覚えているかと」


「彼女は不眠症で悩んでいるようで何度かこちらにタスクを頼まれるのだが、クロードをとても評価しておられるようだ。クロード指名のタスクが発生している。……正確に言えば発生していたのだ」


 不眠症って言うと睡香石の納品タスクかな? スリープマシュルのドロップアイテムだったよな。あいつを倒す……と言うか見つけるのがかなり苦労したんだよな。……待てよ? 発生していた? なんで過去形なんだ?


「発生したタスクはランクB相当のものでね。発生した当時のクロードでは申請出来なかったのだが今なら申請が可能になった。……このタスク、やってみるか?」


 なるほど、それで過去形なんだな。まあせっかく発生した俺指名のタスクなんだ、やらない選択肢は……無いよね。


「……喜んでそのタスク受けさせてください!」


「いい返事だ。……それでは君の名前でこのタスクを申請しておこう」


 クロードのその返答に満足したかのようにレオは頷いた。クロードが依頼者が悩める貴婦人であるタスクをこなすのはこれで三度目である。クロードにとっては初めてのランクBのタスクと言うことで気を引き締めながら格納庫へと戻ったのであった。


――

格納庫

――


 ……さて、タスクの内容を確認しようか。同じ依頼者でしかも指名タスクってことは報酬に期待しても良いってことだよね? 睡香石の納品タスクは確か普通の設計図(海)が手に入ったぐらいでそこまで良いものじゃなかったからな。……まあそれは達成してからのお楽しみだな。


――

タスク一覧


これで最後にするわ

ランク:B

場所:コールバの海

目的:ナップスクイードの討伐

依頼者:悩める貴婦人

――


 ……なるほど、……うん、どう厄介なのか分からない厄介さだな。まず場所だが聞いたことがあるだけの地名だな。コールバの海ね、……確かエリーダ高原を超えた先にある海だよな。そしてそれを超えるとネミリア王国がある。となるとあまり深追いはしたくないな。さっさと討伐対象を討伐して帰還した方が身のためだな。


 ただ、肝心のナップスクイードとか言うモンスターがどんな奴なのかさっぱり分からないんだよね。ドロップアイテムが必要じゃなくて討伐すれば良いだけだからどんな奴か知った方が楽なんだけどな。……あ、そうだ。ルピウスが何か知ってるかもな。


「ルピウス! ……ナップスクイードって言うモンスターがどんな奴か知ってるか?」


「あぁ、知ってるよ。夜行性のモンスターだろう?昼間は海底で昼寝しているらしく見つからないからその名前がついたことで有名なモンスターなんだよ」


「なるほど、有名なんだな。……ちょっと待って、今ルピウス夜って言った?」


「言ったね。夜行性のモンスターだから夜に行かないと遭遇すら出来ないよ」


 ……まいったな、夜か。つまり俺はこのタスクをこなすためには行ったことの無いコールバの海って言うフィールドでなおかつモンスターの動きが活発になっている夜で名前しか知らないモンスターを討伐しなければならないんだな。


 ……ん? 待てよ、コールバの海ってことはどう考えても夜だよな。つまり、……リビエルでしか行けないって事か。


「あ、そうだクロード。三等騎士に昇格して、海戦用のE・L・Kのリビエルが手に入ったんだよね?」


「……? そうだけど、それがどうかしたのか?」


「実は僕もクロードが昇格したことによってこんなものが手に入ったのさ」


 ルピウスが格納庫の外へとクロードを連れ出した。戻って来た時には気付かなかったが格納庫の横に見慣れぬコンテナと大きな荷台のトラックのようなものが設置されていた。


「……これは何だい?」


「コンテナだよ! このコンテナは1体限りだけど、E・L・Kが中に入れられる作りになってるのさ。今は何も入ってないけどね。そして横のトラックは中に入れてある機体を運ぶためのものさ。これでE・L・Kを運ぶ事によって陸戦用のE・L・Kに搭乗した状態で海戦用のE・L・Kに乗り換える事が可能になったのさ」


 ルピウスは得意気な顔である。これによってクロードは必要に応じて機体を乗り換える事が可能となったのだ。ただしそれは陸戦用と海戦用を乗り換えるだけに過ぎず陸戦用の機体を2種類使い分けられる訳では無い。その上この機能が拡張されたと言う事はこれ以降機体の乗り換えが必要となる場面が必ず現れると言う事である。


 ……なるほどね、それじゃあ海戦だから海戦用のE・L・Kだけ気にしていてはダメだと言う事か。陸戦用のE・L・Kの設定も忘れずにしないといけないね。まあ、まだリビエルに何の装備もさせて無いんだけどね。


「それじゃあ、リビエルにギガントキャノンを……。あ、装備を変えるなら格納庫に戻らないとな」


「そうだね、格納庫に戻ろうか」


 クロードとルピウスは格納庫へ戻った。格納庫にはメテオライフルを装備したヴァッシュが設置されている。コンテナの中にはまだ何も設置されていないためリビエルはどこにあるんだろう?とクロードは不思議に思ったが設定画面の搭乗E・L・Kの欄を開いた時にその謎が解けた。


《コンテナ機能が拡張されました。現在コンテナ内にはリビエルが入っています》


 なるほど、搭乗E・L・Kの欄がアップデートされているみたいだな。コンテナの欄が追加されているや。装備を変える時はサブの格納庫の時と同じような操作で良いだろうな。それじゃあリビエルを呼び出すとしますか。


 読んでくださりありがとうございます。

 クロードの予想通り発生したタスクはスペシャルタスクであり報酬も相応に豪華です。達成後が楽しみですね。

 この話で10万字となります。物語はまだまだ進んでいきますので是非これからも楽しんでくださいませ。

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