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第四十三話 報告の結果……


「……、カリーニャの丘ではごろつきが建国するために集まっているとの話でしたが確かにそれらしきものが作り上げられていました。そしてごろつきにはボスがいまして、クロードが奮戦した結果見事に撃墜することが出来たのです」


 ルピウスの報告を聞きながらレオは机の上にある紙に視線を落とした。そこに何が書いてあるのだろうかとクロードが気になったがルピウスの話の途中でそれを聞く訳にはいかなかった。


「……なるほど、その続きは言わなくても良い。……その手のごろつきを撃墜すれば君たちなら帝国に送還しようとするだろうがその報告は今のところ受けていない。……つまりはそのボスとやらに逃げられた、そう言う事だな?」


 レオのその言葉にルピウスは頷くしか出来なかった。何しろ相手が相手である。撃墜出来たのだから送還も出来たはずである。ともすればネミリアが何をしようとしているのかが分かったかもしれないだけに、ルピウスは逃げられたその責任を痛感しているのである。


「逃げられたのは仕方があるまい。……ちなみにそのボスとやらは名を何と言っていたんだ?」


「……パディンと名乗っていました」


 思わぬ大物の登場にさすがのレオも驚きの表情を隠せなかった。レオの頭の中では名前さえ分かれば他の誰かしらにタスクとして頼もうとでも思っていたに違いない。しかし出て来た名前はパディン、すなわちネミリア王国傭兵部隊の幹部なのである。ひとしきり驚いたレオはやがてこみあげるように笑い始めた。


「……ふっ、……ふははっ。そうか、つまり君たちはパディンに逃げられはしたが勝ったというのだな? なるほど、それは君たちに落ち度は無い。むしろタスクの難易度が間違っていたようだ。それなら本来少なくともBランクは確実にあるタスクとなるだろう。……ふふ、それでよくぞ無事に帰還したものだよ」


 そこまで言ったレオの顔には微笑みが浮かんでいた。目的である制圧が果たせなかったにも関わらずタスクが達成となったのだ。クロードはもちろんルピウスもてっきり怒られるのではと思っていたため2人とも困惑していた。そんな2人を見てレオは咳払いをするとさらに続けた。


「報告する事は以上だな? ならばタスクの達成に何も問題は無い。パディンの捕縛はタスクの目的を逸脱したものだ。遠慮せずタスク達成の報酬を受け取るが良い」


《エリュトロが使えるようになりました。》


 エリュトロ? 聞いた事が無いけどこの表示的に多分E・L・Kの機体だよな? まあこのタスクはスペシャルタスクみたいなものだから報酬がそうなるのは分からなくも無いな。


 どうせならさっき見たローゼルが欲しかったけどあれは見た感じ強そうな見た目だったからね。多分手に入るのは当分先だろうな。


「タスクの報酬として新型のE・L・Kであるエリュトロを進呈した。エリュトロは速度こそ少し遅いが高い攻撃と厚い装甲が特徴のE・L・Kだ。攻撃が高めの武器パーツや遅めの速度を補ってくれる武器パーツを装備させるとかなりの活躍をしてくれるだろう。強力な武器パーツがあれば是非装備させると良い。……説明は以上だ」


 なるほど、攻撃は高いけど遅いE・L・Kなんだな。今のところ……、速度を補うような武器パーツは持って無いな。むしろ攻撃にボーナスはあるけど速度にマイナスのボーナスが付いている系の武器パーツがほとんどだよね。


 いっそ速度をさらに遅くするけど攻撃に一番ボーナスがつくグランドシェイカーを装備させようかな? ……まあ、それは実物を見てから考えた方が良いかな。


 レオの説明を聞いてどの武器パーツを装備させようかあれこれ考えていたクロードだが、実物を見ずに決められるものでも無いと思い至った。そして新しくタスクの申請をしようと右横のホログラムに顔を向けようとしたその時、レオが話し始めたのである。


「……クロード、実はまだ話は終わっていないんだよ」


 ……? まだ話は終わっていない? ……報告はルピウスが言ったことが全てだし、報酬のエリュトロに対する説明はさっき教官がしてくれたから、……後は何の話が残っているんだ?


 クロードはレオの言う話の続きがさっぱり分からず困惑した表情を浮かべていた。そんなクロードの様子を面白がるかのようにレオは微笑むとゆっくりと続きの話を始めたのである。


「クロード、君が先程達成の報告をして来たタスクは君の実績を積むためのものだ……と言う事は既に私は伝えているな?」


「……はい、確かそんな話だったかと」


「うむ、そしてこのタスクが達成された時には次にまた別のタスクで実績を積んでもらうつもり……だったのだよ」


 ……だった? つまり実績は積み終わったってことか? だったらかなり嬉しいんだけど。


「タスクを達成するだけでなく、格上の相手であるパディンを打ち勝ち無事に帰還したクロードのその実績は少なくとも四等騎士に収まるものではない。それはすなわち三等騎士昇格に足る実績であると評価されるのが正当だろう」


 おぉ! この話の流れならそのまま三等騎士に昇格しちゃうかもしれないぞ? 四等騎士に昇格した時にヴァッシュを貰ったからな、今回もまたE・L・Kの機体が貰えるんじゃないか? ……あれ? でもさっきエリュトロを貰ったところなんだけど、こんなに短いスパンでE・L・Kって貰えるものなのか?


「そこで、三等騎士へ昇格するために戦闘訓練をしてもらおう……という訳だ」


「……あれ? 戦闘訓練ですか? 今すぐ昇格っていう訳じゃないんですか?」


 読んでくださりありがとうございます。

 クロードたちは怒られると思っていたようですが、ゲームで怒られることは中々ありませんしそもそも怒られるようなことではないです。クロードは奮闘してパディンを撃墜したのだから誇っていいはずです。

 さて、三等騎士への昇格が近づいているようですが何やら戦闘訓練が行われるみたいです。

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