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第三十八話 パディンとの戦い


 パディンの根城の奥へ進むに連れ、待ち伏せへの警戒心を強めていたのだがどうやらここにいるごろつきはそう言うことは考えていないようだ。遭遇した者は全て堂々とこちらを待ち構えていたのである。物陰に隠れての奇襲を警戒していたクロードはやや拍子抜けしながらも待ち構えていたカマキリ型のE・L・Kを合計2体無傷で撃墜してさらに奥へと足を進めた。


 ……大分奥まで来たな。それほど広い場所でも無いように思うんだけどこれいったいどこまで続くんだろう。……おや?


 奥へと進んだクロードの目に飛び込んで来たのは金属で造られたらしき大きな建物であった。先程まで道を形成していた柵と同じ材料にも見えるその建物は急造に思える柵に比べかなり立派な作りをしており、ここが1番奥である事をありありと示していた。


 そしてその建物の入り口には銅像のようにも見える1体のE・L・Kが待ち構えていた。。まるで門番のように鎮座されたそれは銅の甲冑に身を包みロングソードを装備していた。


 見た目はどこか宮殿などで飾られている甲冑のように見えるそれは果たして動くのかは分からないが、大広間のルブールが操縦可能であった事を考えるとこれも操縦可能だと考える方が良さそうである。


 クロードが警戒しながらそのE・L・Kに接近しようと試みたその時、起動音と共に地面に突き刺さったロングソードが引き抜かれ見る間に戦闘体勢が整ったのである。


「……まったく部下が騒がしいと思えば、侵入者じゃないか。しかもその真新しいE・L・K、スタラジアの騎士ってところか。どこから俺たちの事を聞きつけたかは知らんが、騎士が来るような場所じゃあねぇ。……大人しく回れ右で帰んな」


 ……なるほど、戦闘をする気は無いと口では言っているな。さっきまでのごろつきたちの言葉からすればこいつはパディンとか言うごろつきたちのボスだ。……ただ、E・L・K自体は戦闘体勢が整っていることを考えると素直に従えば後ろから騙し討ちされそうだな。


「嫌だと言ったら?」


「……クク、そりゃあそうか。俺たちをわざわざ潰しに来たんだ、俺が帰れって言って帰る訳ねぇな。ここまで来るまでに何回かは戦闘があったはずだがあんたのその機体には傷ひとつ見えねぇ。そして俺の見え見えの罠にも引っかからないときた」


「……」


「良いねぇ良いねぇ! 最近つまらない戦闘ばかりでよ。……あんたはどうだ? 精々俺を楽しませてくれよ? ……我が名はパディン、闘いを欲する者なり」


 そこまで言ってパディンはロングソードを大きく振りかぶった。クロードとの距離は距離にして10メートル程度である。どう攻めて来るのか出方を伺っているとロングソードの刀身が淡く水色に光り輝いた。


「! 【ブレイドショット】か!」


 すぐさまクロードはパディンの正面から外れた。その直後ため時間が終わり振り下ろされたロングソードからクロードの予想通り【ブレイドショット】が放たれたのである。クロードの視界に映ったその飛ぶ斬撃は凄まじい速度と威力で壁へと一直線に飛んでおり、今まで見た中では一番の威力に見えた。


 パディンの放ったスキルを上手く対処出来たクロードはほっと胸を撫で下ろし次は自分の番だとばかりにメテオライフルを構えた。


 ……その瞬間違和感に気づいた。パディンは振り下ろしたロングソードを上に高々と掲げているのだ。パディンの立ち位置は全く変わっていないためロングソードが振り上がったことで攻撃は何も起こっていない。


 つまりその動きは攻撃を意図している動きでは無く、スキル発動の予備動作なのである。クロードがそれに気づいて掲げられた剣先を見るとそこへ次第に電気エネルギーのようなものが集まって来ているのが分かった。


「【エレキチャージ】⁉︎ こいつスキル何個持ちだ⁈」


 矢継ぎ早に放たれようとしているスキルに驚いたクロードだが、驚いている場合では無い。今度もまたすぐにパディンの正面から外れた。その直後ため時間が終わり、やはり予想通り、そしてやはり凄まじい速度と威力で放たれた【エレキチャージ】が壁へと一直線に飛んでいったのだ。


「……驚いたか? 俺が装備させているこの武器はただのロングソードじゃあ無い。トライソードって言ってな、他にはあまり無い拡張スロット3個の武器パーツさ」


「拡張スロット3個だと? ……それじゃあまだ他にスキルがあるって言うのか」


「ご名答。だが3つ目のスキルはあんた相手に披露の必要は無さそうだ。まだカケラもダメージを与えられていない上にこちらに接近すら出来ていないからな。……おっと、そんな事を言っている間にもうすぐ20秒経つ」


 20秒、それは【ブレイドショット】のクールタイムである。それに思い至った時には既にパディンはスキルの予備動作に移行していた。


 読んでくださりありがとうございます。

 とうとうパディンとの戦いが始まりました。彼はかなりの実力者のようです。そしてスキルを多用してくるようですね。厄介ではありますがクロードは勝たなければなりません。

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