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第三十六話 いざカリーニャの丘へ


「あ、なんだ違うのか、良かったよ。……それで聞きたいことって?」


「まあ、これを見てくれよ」


 そう言ってクロードはルピウスにタスク一覧を見せた。表示を覗き込んでいたルピウスだが読み進めるなりその表情がどんどん曇って行くのがクロードには手に取るように感じられた。


「目的はごろつきの制圧って書いてあるけど間違いないんだよね?」


「うん、それで間違いないよ。教官が言うには何故だかE・L・Kを所持しているごろつきなんだってよ」


 クロードのその言葉を聞いてルピウスはますます表情を曇らせた。


「なら相手はE・L・Kを操縦している複数の人で確定ってことだね。そして依頼者は教官ってことはクロードが指名されたパターンでしょう? 気は進まないけどやるしかなさそうだね。……それで、僕に聞きたいことって?」


「まさに今ルピウスが言ったことなんだが、どうも複数のE・L・Kを相手にするみたいなんだよ。それで機体の相談をしようかと」


 クロードがそう言うとルピウスは納得がいった顔をしていた。そして兼ねてから考えていたのだろう、どの機体で行くのか迷っているクロードにルピウスは新しい考えをもたらしたのである。


「機体に関してはどのE・L・Kにも長所があるから好きにしたら良いと思うよ。でも僕としては武器パーツをもっと考えた方が良いと思うんだ」


「武器パーツ?」


「そう、武器パーツだよ。今ヴァッシュに装備させているのはメテオライフルだろう?」


「そうだけど……、これが今のところ一番攻撃性能が高いと思うんだが違うのか?」


「いやそれで合ってる。僕が言いたいのはまだ攻撃性能は上げられるってことだよ。拡張スロットが1つ空いたままのはずだよ」


 ……なるほど言われてみると確かにそうだな。メテオライフルは元から入っている【エクスプロージョン】に加えて拡張スロットがもう1つ空いているんだよね。ただ手持ちのスキルでメテオライフルに合うスキルが無さそうだから何にも入れて無いんだよな。一旦手持ちのスキルを確認してみるか。


――

所持スキル一覧

【ブロンズアーマー】×2

【グレイトスイング】

【ラピッドキャノン】

【アクセルエンジン】×3

【ブレイドショット】

【ブロンズセンサー】

――


 意外と量はそこまで多くなかったな。ええと、……【アクセルエンジン】が大分被っているね。メテオライフルに相性が良い攻撃系のスキルは持っていないから空いているスロットには汎用のスキルを入れるしか無いね。


 所持数で考えると【アクセルエンジン】が一番無難なんだけど、ヴァッシュの場合速度をさらに上げることよりも装甲の低さの方が気になるんだよね。メテオライフルで底上げしているとは言え不安なことには変わりないし。【ブロンズアーマー】はラッキーなことに2個あるから遠慮無く装着出来るな。


「ルピウス、それじゃあこれをメテオライフルに装着してくれ」


「まかせて! ……うん、これで装着出来たよ」


 良し、これでヴァッシュの装甲の低さはある程度解消されたかな。装甲以外はヴァッシュはブランシアの完全上位互換だから搭乗するのはヴァッシュで良さそうだな。


 ただ問題は完全に行ったことの無いところでの戦闘ってことだな。ごろつきがどこに潜んでいるか分からない以上、悠長にどんな場所か確かめることは出来ないしMAP頼りで頑張るしか無さそうだな。それじゃあメンテナンスをルピウスに任せて休息を取るとするかな。


――

カリーニャの丘

――


 しっかり休息を取りメンテナンスでステータスを万全に整えたクロードはタスクのためにカリーニャの丘に来ていた。


 カリーニャの丘は丘と言うくらいだから自然豊かでなだらかな草原のような風景が広がっているのだろうとクロードは勝手に思っていた。そしてそのイメージは決して間違ってはいない。少なくともごろつきたちがここへやって来る前までは。


 カリーニャの丘に着いたクロードの視界に飛び込んで来たのはあったはずの一面の草が刈り取られ無惨にあらわになった地面とそこへ突き立てられるようにして建てられている無数の金属性の柵であった。


「ええと、……これはごろつきの仕業でいいのか?」


「多分そうだと思うよ。ごろつきがいったいなんでここに集まって来ているのかは分からないけどね」


「……確か建国するためとか教官が言っていたような」


「なるほど、それじゃあこの柵はさしずめごろつきが作った国境ということだね。強引に突破するのは止めた方が良さそうな嫌な柵だよ。それに建国を本気で考えているならごろつきたちを束ねる主導者がいるはずだよ。注意して進まないとね」


 ルピウスの判断は正しいと言える。急造にも見える柵だが、電流が流れて来る罠なのでは無いかと思われる物も見えるため、一応強引に突破出来ないようになっているようだ。カメラの類は見当たらないがどこかしらには取り付けてあるに違いない。


 読んでくださりありがとうございます。

 ごろつきたちは建国を企てているという事で急造ではあるようですが防衛システムが構築されているようです。そんなところを単独で制圧するのはランクCのタスクにしては難しすぎる気もしますね。ですが請け負った以上はやらなければなりません。

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