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第三十話 無茶をした恩恵は……?


「……まったく無茶するよ」


「まあ倒しきれなかったら終わりだろうなとは思っていたよ。でも至近距離でエクスプロージョンを2発食らったんだ。さすがに倒れてもらわないと俺が困る」


 エルダートレントに拘束されようとした瞬間から右手で銃口をエルダートレントに向け左手でエクスプロージョンのスイッチを押し込んでいた。流れるように叩き込まれた計10発の弾丸はエルダートレントの体力を削り切ったのである。エルダートレントは光を放ち消え去るとそこにはドロップアイテムを表す光が3つ残されたのだ。


 ……さて、結構倒すのに苦労したからね。手に入るドロップアイテムはさぞかし貴重なものに違いない。きっとランクC……、いやランクB以上のタスクの目的に絡んでくるはずだ。


《長寿の小枝を手に入れた》

《トレントの樹液を手に入れた》

《金の宝箱を手に入れた》


 おぉ! 金の宝箱が手に入ったぞ! 他のドロップアイテムも多分有益なアイテムなんだろう。そう言えば当たり前だけど見たことないアイテムなんだから価値が分からないや。でも多分有益なアイテムに違いない。そう思わないとやってられないや。


「ところで、モンスターから宝箱が手に入ったんだけど……。そんなことあるのか?」


「普通は無いよ。エルダートレントは強力なモンスターだからね。少なくとも今の僕たちに倒せるモンスターじゃ無い。普通よりも強いモンスターを倒した時には宝箱が手に入ることがあるのさ。中に入っているのは倒したモンスターに依存したものが入っているらしいよ。……だから多分エルダートレントに関係する何かが入っているんじゃない?」


 へぇ、そんなことがあるのか。まあご褒美みたいなものだな。エルダートレントに関係しているものか……、何が入っているのやら。まあ開ければ分かるか。


《金の宝箱を開けた 金の設計図(陸)を手に入れた》


 おぉ、金の設計図か! それじゃあ武器パーツがエルダートレントに関係した何かであるって事だな。設計図だから手に入るのにちょっとラグがあるけどまあそれはお楽しみってことで良しとしようか。


 満足そうにクロードがヴァッシュを前に進めているとキノコの採取ポイントを発見した。そしてそのすぐ横には採取ポイントの光が差していないキノコがあったのである。恐らくはこれがスリープマシュルが擬態したものになるのだろう。


 じっくりと狙いをすませてレバーを引き下げると真っ直ぐ飛んだ弾丸が見事にそのキノコを貫いた。それは光を放ちながら消え去りドロップアイテムが残されたことを思うとやはりスリープマシュルだったのだろう。クロードはゆっくりそのドロップアイテムに近づいた。


《睡香石を手に入れた》


 お、良し良し。これでタスクに必要なものは全部集まったな。スペシャルタスクの報酬が何か楽しみだよ。このタスク以外に後は用は無かったはずだから納品してさっさと戻るとしますかね。ジメジメシダ×4と睡香石を納品する……と。


《タスクを1つ完了しました。すぐにスタラジア帝国に戻りますか?》


 ウィンドウの表示に従ってクロードはスタラジア帝国へ帰還した。スペシャルタスクを達成した報酬が気になるためにクロードはすぐにでも教官室へ行きたいのだが、まずは鍛冶屋に行くのが先である。宝箱から手に入った設計図はもちろん普通の設計図も溜まっているのだ。幸いお金には余裕があったはずである。


 ……そのはずなんだが、一旦止まって確認するか。また設計図を出しただけで仕舞うのは正直恥ずかしいしな。ええと今の所持金は……、20500Gか。あら? 意外と少なかったな。スペシャルタスクの報酬がこの前と同じようにE・L・Kを貰えるとするならお金は貰えない。ならこの手持ちで設計図のやりくりを考えておかないと。


 ……まあでも今別に武器パーツに困ってないんだよな。別にメテオライフルがあればヴァッシュには充分だし、他の機体が手に入ったとしても普通の設計図の武器パーツを増やすよりは金の設計図の武器パーツを増やす方が良いよね。


――

鍛冶屋

――


 クロードが鍛冶屋へ入ると丁度作業を終えたところだったらしく保護メガネを外したピクトがこちらに顔を向けた。


「……おや、お前さんか。タスクの帰りかい?」


「まあそんなところです。これをお願いします」


 クロードはアイテム一覧から金の設計図を取り出すとピクトに手渡した。これでピクトに金の設計図を渡すのは二度目になる。一目見て金の設計図だと分かったのだろう。ニヤリと笑みを浮かべてピクトはこちらを向いた。


「ほう、金の設計図じゃないか。この短期間で二度も持ち込んで来るとはな。余程腕が立つと見える。それじゃあ20000G貰うぜ。いいかね?」


 一度目ではないのだからお金がいくらかかるかは把握済みである。袋の中から銀貨全てを取り出すとクロードは机に並べて置いたのだ。前回払った時は気持ちが大きくなってしまい盛大に撒き散らしたがそんなことをする意義は無い。むしろピクトが回収し辛くなるだけである。そんなことを思い綺麗に並べようとするクロードを見ながらピクトは微笑んでいた。


 読んでくださりありがとうございます。

 エルダートレントのように各場所に点在している難敵を倒した時にはドロップアイテムとして宝箱が手に入ります。その中には設計図やパーツの珠が入っており、手に入るものはそれぞれ倒した難敵に関係したものとなっています。

 余談ですが、NPCには隠しステータスとして好感度というものが設定されています。こちらの態度が悪ければそれに応じて返ってくる態度も悪くなります。

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