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第百二十九話 アルギュロスは強い


 3体相手はちょっと厳しいなぁ。とりあえず動きが単調なビックホーンから討伐していくか。突進さえ回避出来れば特段こいつには苦戦しないだろう。


 クロードはまずビックホーンを討伐するようだ。薙ぎ払いで他の2体の動きを牽制しつつビックホーンの突進をギリギリで回避してカウンターでダメージを稼ぐ。このやり方を3回ほど続けることでビックホーンはすぐに光となって消え去った。


 よし、ビックホーンは討伐出来たね。それじゃあ次はツガイヤンマだ。共食いで強化されると面倒だからね。【アルギュロス】を発動させてさっさと討伐しようか。


 ツガイヤンマは先程戦ったということもありどれだけ攻撃を与えれば討伐出来るかは分かっている。クィッカーもろとも薙ぎ払って距離を取りながらツガイヤンマの体力を削っていったのだ。


 【アルギュロス】が発動しているため先程よりもオスが討伐されるタイミングは早い。【アルギュロス】発動後僅か10秒程度でツガイヤンマのオスの体力を削り切ったのである。それを示すかのように始まったメスによる共食いは当然のようにクロードの突き刺し攻撃によって阻止された。これでツガイヤンマもまた光となって消え去った。残るはクィッカーのみである。


 さて、あとはクィッカーだけだ。こいつもすぐに討伐出来るでしょう。……あ、待て。逃げるんじゃねぇ。


 クロードは今まで剣で牽制するに留めていたクィッカーに対して攻撃を始めた。そのタイミングでクロードの攻撃に敵わないと悟ったクィッカーは逃走を図った。クィッカーはその逃げ足の早さからこの名前がついたほど逃げ足が早いのである。通常状態ならまだしも【アルギュロス】が発動しておりさらに遅くなっているクロードでは追いつくのは至難の業であった。


 しかしクロードは段々と離されるのに構わずクィッカーを追い続けた。それは【アルギュロス】の効果が切れればルブラリアの速度が戻り距離を離されても追いつけるだろうという算段からであった。そしてクロードの体感では発動してから既に10秒以上経っている。すぐに【アルギュロス】効果が切れ追いつけるだろう。


 ……だが、クロードの思うよりも長く【アルギュロス】の効果は続いたのだ。時間が経てば経つほどクィッカーとの距離は離れて行く。これ以上は追いつけないと判断したクロードは【ブレイドショット】を発動させ斬撃を飛ばすことで随分と距離が離れてしまったクィッカーを討伐したのであった。


 ……ふぅ、当たったな。【ブレイドショット】が届くか心配だったけど、届いてよかったぜ。……お、やっと効果切れか。戦闘中は細かい時間が把握しづらいな。あんなに20秒が長く感じるとは思わなかったよ。ま、討伐出来たから良しとしようかね。それじゃあドロップアイテムを回収して帰還しますかね。


《強靭な腿肉を手に入れた》

《強靭な腿肉を手に入れた》


 さて、一応ツガイヤンマとビックホーンのドロップアイテムも回収しておくか。……ちょっと遠いな。こんなにクィッカーに逃げられるとは思わなかったよ、まったく。


《見通す薄羽を手に入れた》

《立派なツノを手に入れた》

《立派なツノを手に入れた》

《見通す薄羽を手に入れた》


 ……良し、これで全部回収出来たな。それじゃあ帰還しますか。


――

スタラジア帝国

――


 帰還したな。それじゃあまずは鍛冶屋へ行こうか。金の設計図を2つ預けているからね。どんな武器パーツが手に入るか楽しみだよ。


――

鍛冶屋

――


 クロードが鍛冶屋へ入るとどうやらピクトは休憩をしていたようだ。ピクトは顔に乗せていた新聞紙を小さく持ち上げるとクロードの方へ顔を向けた。それでやっとクロードが来たことに気付いたのだろう。ピクトはゆっくりと立ち上がると新聞紙を机の上に置いた。


「おや、お前さんか。悪いなちょっとばかし寝ておったよ。渡された設計図の武器パーツは既に出来ておるぞ。受け取るが良い」


《キングキャノンを手に入れた》

《ビッグシールドを手に入れた》


 おぉ、新しい武器パーツだな。多分名前からするとキングキャノンが金の設計図(海)から、ビックシールドが金の設計図(陸)から手に入ったんだろうな。……ビッグシールドってそもそも武器なのか? シールドって盾だよな……。まあ、これは後で性能を確認しよう。


「仕事が忙しいんですか?」


「いや、忙しくは無いな。むしろ暇なくらいだ。いつもは武器パーツの設計で忙しいんだが今日は数も少ないし、かと言って設計図を預けに来る人も少ない。やることも無いからこうしてお前さんが来るまで休憩しようとしてたら寝ちまったって訳じゃよ。まあ長くやってりゃこんな日もよくある」


 なるほどね、確かに設計図があんまり無かったらやることは無くなるよな。それで俺が来るまで休憩してたと。……うん、俺でも間違いなく寝るな。これは仕方ない。


「……それで、他に何か持って来たのか?」


「あ、はい。これをお願いします」


「パーツの珠だな。……ほれ【シャドウアロー】に【サブマリンボム】じゃ、大事にしろよ。」


 新しいスキルは手に入らなかったか。まあ、そんな時もあるよね。それじゃあ新しく手に入った武器パーツの性能を格納庫で確認したらタスクの報告をしに行こうかな。


 クロードはピクトに軽く挨拶をすると鍛冶屋を出た。出る直前ピクトが新聞紙に手を伸ばしているのが横目で見えた。どうやらまた寝ようとしているらしい。そう思ったクロードは少し笑ってそのままルブラリアに乗り込み格納庫へと戻るのであった。


 読んでくださりありがとうございます。

 ビックホーン、クィッカーそしてツガイヤンマはそれほど弱いモンスターでも無いんですが簡単に討伐してしまいましたね。それだけアルギュロスが強いという事なんでしょう。

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