第百二十七話 切り替えレバー
クロードはコックピットの右上の切り替えレバーらしきものを注視した。見た目はクラウンレーザーの切り替えスイッチと似ているのでクロードは切り替えレバーだと思ったのである。クラウンレーザーの切り替えスイッチはレーザーを拡散させるか否かを切り替える代物だったが剣系統で切り替える要素が浮かばないのだ。
とりあえず切り替えてみれば分かるか。左端から右端へ切り替え……完了。さて、……どうなる?
……なるほど、アルギュロスの動き方が変わるんだな。左右にレバーを動かせば袈裟斬りに、上下にレバーを動かせば突きになるって訳か。
レバーの切り替えはスムーズに出来るみたいだね。突き攻撃はリーチが長くなるし、袈裟斬りは中々威力が高そうだ。それに薙ぎ払いだと相手を弾き飛ばしちゃうからね。距離を取りたい時は良いけど、攻撃を畳み掛けたい時は袈裟斬りに切り替えて戦うと良さそうだな。
さて、基本的な操作はこれで大丈夫として、次はスキルだな。【ブレイドショット】は既に知っているから良いとして、【アルギュロス】の方だな。検証しておきたいのは通常時と発動中との速度の体感と、効果時間、それに次発動出来るまでのラグだな。それじゃあ早速発動させてみようか。
クロードは銀色に輝くスイッチを押し込んだ。するとルブラリアの機体全体が淡い銀色のオーラを纏ったかと思うとそのオーラの全てがアルギュロスへと集中していったのである。それはまるで全ての力をアルギュロスに集中させているようでクロードにはとてもかっこよく感じられた。
……ほぉ、良いな。うん、とても良い。なによりかっこいい。気分的にも攻撃力がすごく上がった気がするよ。それじゃあまず動いてみるか。……お、なるほどなるほど。確かにこれはちょっと遅いな。
ええと、速度としては今100になっているのかな? 速度の数値が半分になるのはやっぱり結構差が出るね。……お、効果終了か。案外短いんだな。それじゃあ次発動出来るようになるまで待っておこうか。
でもそれほど遅すぎるってことも無いかな。元々ルブールって確か速度は2桁だった記憶があるしね。発動しない状態ならルブラリアは普通に速いから余計に遅く感じるのはあるけど、操縦不能になるほど遅くなる訳じゃない。だから速度変化に対応しつつやって行けば良いかな。
【アルギュロス】は強力なスキルだから結構待ち時間は長いんだろうな。予想としては【キャノンオイル】や【レーザースパイラル】なんかと同じくらいの待ち時間はある……あれ? もう発動出来るじゃんか。……2分は経ってないな。へぇ、案外短いんだな。
【アルギュロス】の初回発動時の効果時間はおよそ20秒であり、【キャノンオイル】などの効果時間である約30秒と比べるとやや短い。代わりに次に発動出来るようになるまでの待ち時間は1分強であり、スキルの待ち時間としては短めとなっているのだ。
思ったより効果時間が短いけど、その分次発動までの待ち時間は少ないってことかな。効果自体はかなり強力だからむしろ連発出来そうだし、待ち時間が短いのはありがたいね。それじゃあ早速実戦でも試してみようか。
あ、でもその前に採取しておかないとな。ええと、必要なのは……カシオスギ×5か。カシオ平原が久しぶりすぎて最早どの採取ポイントでカシオスギが手に入るか忘れちゃったや。……まあ、適当にやってても採取出来るよね。
……ふぅ、採取完了だな。思ったより時間がかかっちゃったや。これでカシオスギ×5は確保してると思うけど、一応アイテム一覧で確認しておくか。
――
持ちもの
採取アイテム
薬草×20
肉厚アロエ×7
グリーンハーブ×11
ジメジメシダ×1
揺らめく海藻×5
ジミキノコ×13
シビレダケ×7
ネムリダケ×4
水椎茸×5
ガラクタ×61
銅×2
鉄×4
鋼×1
睡香石×1
カシオスギ×5
オオカシ×5
エリーダブナ×3
湿った丸太×16
腐った肉×2
謎の毛皮×4
新鮮な生肉×1
石の翼膜×2
長寿の小枝×1
黒き結晶外殻×1
ハートピード×1
真珠の尖牙×1
淡く光る軟甲×2
鋭利な背ビレ×2
色褪せぬ墨液×1
漆黒の長羽×2
天駆ける銀翼×3
雷纏う鋭角×1
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うん、採取出来てるね。いやぁ、採取ポイントを勘違いしているとは思わなかったよ。植物の採取ポイントで最初に採取しては出てこないなと思っていたけど、そもそも木材の採取ポイントだったね。まあ、気付いてからは早かったから良しとしておこう。
それじゃあ討伐タスクを進めていこうか。対象はクィッカーとツガイヤンマだな。……正直どっちを先にしても良いな。楽なのは……、クィッカーの方かな。それじゃあツガイヤンマを先に討伐しようか。
クロードはひとまずツガイヤンマを先に討伐するようだ。MAPを確認しながらカシオ平原の奥へとどんどん進んで行ったのである。MAPを見る限りではこの先に1体モンスターがいるようだ。クロードはやや背丈の高い草むらを進んで行った。
……ところでこれE・L・Kに乗って進んでいるから背丈の高い草むらだと思って進んでいるけど、生身で考えると相当草の背丈は高いよ? 多分生身でここに突入しろって言われたら断固拒否するだろうな。
まあ、そんなことはどうでも良いか。MAPを見る限りこの先に1体モンスターがいるらしい。普段だと討伐対象が1種類だから表示とモンスターの種類が一致するんだけど、今回はクィッカーとツガイヤンマの2種類なんだよな。
だから今目指しているモンスターがクィッカーなのかツガイヤンマなのか実のところを言うと分からないんだよね。……まあ、草むらの中だからツガイヤンマだろうと思って進んでいるんだけどさ。……お、どうやら当たりみたいだ。
読んでくださりありがとうございます。
これで大体の操作が把握出来ました。ちなみに切り替えレバーはアルギュロスを装備することで備え付けられます。なので他の機体に装備させても問題なく切り替えられます。




