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第百二十五話 どちらも根に持つ


 お、無事倒せたね。それじゃあドロップアイテムを回収して、納品を済ませたら帰還しようか。ええと、……お! バイトシエルの分のドロップアイテムがまだ回収出来そうだぞ。このくらいの間隔ならドロップアイテムは消失しないんだな。せっかくだからこっちも回収しておくか。


《真珠の尖牙を手に入れた》

《鋭利な背ビレを手に入れた》


 よし、それじゃあ湿った丸太×5、コールババーム×3を納品を済ませて……、完了したな。……そう言えばこの辺りってパディンと戦った場所か? と言ってももう少し奥に進まないといけないけどね。


「……クロード、どうしたんだい? 討伐も納品も終わったのに帰還しないのか?」


「……ルピウス、以前調査タスクがあっただろう?」


「あぁ、君が詳細を教えてくれなかった調査タスクのことか」


 どうやら説明をろくにしてやらなかったことをルピウスは根に持っているようだ。心なしか言葉にトゲを感じたクロードはなぜだか少し笑みを浮かべた。


「そんな言い方するなよ。誰だって詳しく言いたくないこともあるものさ。……それでさ、もう少し進んだところがテレジコ空域と繋がっていたんだよ。そして俺はそこでネミリア傭兵部隊幹部のパディンと戦ったのさ」


「へぇ、それは知らなかったな。……ええと、それで……」


「勝敗はついてないけど、良いようにやられた挙句にパディンは退散したよ。あのまま戦っていたら絶対負けて撃墜されていただろうな」


「なるほどね、だから君が詳しく教えてくれなかったのか。僕はそんなこと気にする必要は無いと思うね。だって負けなかったんだろう? なら次確実に勝てば良いんだよ。今度は僕のサポートもあるんだから絶対クロードが勝つに決まってるさ」


 不思議とルピウスは自信満々である。思い返してみてもルピウスのサポートに覚えはあまり無い。が、パディンと戦った時ルピウスがいなかったのも確かだ。ルピウスの存在が良い影響を自分に与えているのかもしれない。


 コールバの海の奥側へ来て少しだけ気分が落ちたクロードだったがルピウスに励まされる形で今はむしろ気分が良かった。微笑みを浮かべながらクロードはウィンドウの表示に従ってスタラジア帝国へ帰還するのであった。


――

スタラジア帝国

――


 さて、無事に帰還したね。それじゃあ早速鍛冶屋へ行こうか。パーツの珠も持ってるし金の設計図が預けられるからね。確かキングインクとマイルピードのドロップアイテムだよな。ふふ、出来上がる武器パーツが楽しみだよ。


――

鍛冶屋

――


 クロードが鍛冶屋へ入るとピクトがタイミングよく顔を上げた。どうやらちょうど作業を中断していたようだ。先程まで見ていたらしき新聞紙が机の上に広がっていた。


「おや、お前さんか。何か持ってきたのか?」


「これをお願いします」


 クロードが差し出した設計図を受け取るとピクトは軽く目を通した。差し出された設計図は2枚。金の設計図(海)と金の設計図(陸)である。2枚の設計図を軽く確認したピクトはやがて顔を上げた。


「金の設計図が2枚じゃな。相変わらず貴重な設計図をいくつも持ってくるもんじゃの。それじゃあ40000G貰うぜ。良いかね?」


「もちろんです」


「それじゃあこの設計図は全て受け取ろう。作っておくから明日以降取りに来てくれ。他に何かあるか?」


「これもお願いします」


「パーツの珠だな。……ほれ【スクラップジェット】に【エレキチャージ】じゃ、大事にしろよ」


 新しいスキルが手に入るってことは無かったか。まあ、今まで結構な種類のスキルが手に入っているから仕方ないのかもね。設計図の方は被らないだろうから明日を楽しみにしておくか。それじゃあ教官室へ報告しに行きますかね。


――

教官室

――


「クロードか、……タスクの報告だな」


「そうです」


「……確かにタスクは完了している。目的の達成に依頼者もとても満足しておられた。これはタスク達成の報酬だ。受け取るが良い」


《陸のパーツの珠を手に入れた》

《海のパーツの珠を手に入れた》

《普通の設計図(海)を手に入れた》

《普通の設計図(海)を手に入れた》


 ……おぉ、微妙だな。どれもこれも手に入ったら既に持っているものだったパターンになりそうだよ。お金が手に入ると一番良かったんだけどなぁ。ま、こればっかりは貰ってからじゃないと分からないから仕方ないね。


 さて、それじゃあタスクを追加で申請しておこうかな。……そうだなぁ、ランクが上がったからだと思うけど中々簡単に済ませられそうなタスクは無いな。……まあ、こんな感じでいいか。


「タスクの申請をお願いします」


「……ふむ、特に問題無いな。それではこれらのタスクの申請を受理しよう。健闘を祈る」


 無事に申請を終えたクロードはレオに軽く挨拶をして教官室を出た。格納庫へ戻るかどうかでクロードは少し悩んだ。悩んだ末に休息を取ることに決めたクロードはそのまま格納庫へは向かわずに自室へと向かったのであった。


――

格納庫

――


 さて、休息も取ってコンディションも整ったことだし昨日申請したタスクを確認するとしようかね。…お?ルピウスが近づいて来たな。何かあったのかな?


「ルピウス、何かあったのか?」


「極化が上手くいったのさ! ルブールがさらに新しく生まれ変わったよ。気が向いたら使ってくれると良いよ!」


《ルブール改がルブラリアになった》


 読んでくださりありがとうございます。

 ついに極化が終わったようです。ルブール改はルブラリアへと生まれ変わりました。性能が楽しみですね。

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