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第百十七話 大穴の調査


 これでレオの用件は終わりである。クロードの方には何も用件は無いのでレオに軽く挨拶をしてクロードは教官室を出た。格納庫へ向かいながらクロードは先程のレオの言葉について考えていた。


 ……調査タスクっていうのはレオ教官の話から考えるといつでも帰還可能なタスクのことを指すんだろうな。調査って言う響きからして戦闘が起こらない調べて終わりの平和なタスクだと思うのは間違いだろうな。むしろ確実に何らかの危険が迫って途中で帰還するような危険なタスクってことだよ。


 しかも誰かしらを倒せば良い訳じゃ無いから何をすればタスクが完了になるのか、どのタイミングでタスクが完了になるのか分からない。……まったく面倒なタスクだな。


 でもまあ受けるって言っちゃったしな。やるしか無いね。


 そのタイミングで丁度クロードは自分の格納庫へと辿り着いた。覚悟を決めてクロードは調査タスクへ向かうため格納庫の扉を開けるのであった。


――

格納庫

――


 さて、それじゃあ申請されたって言うタスクを確認しますか。レオ教官の話でやらなきゃいけないことは大体分かったから見なくても多分問題無いんだけど、もしかすると知らない情報が書いてあるかもしれないからね。


――

タスク一覧


仕組みが分からない。採取してきてくれ。

ランクC

場所:コールバの海

湿った丸太×5、コールババーム×3の納品

依頼者:途方に暮れた植物学者


ゆっくり釣りも出来やしねぇ。討伐してくれ。

ランク:B

場所:コールバの海

目的:アサルトシャークの討伐

依頼者:ぶっきらぼうな釣り師


あれは生きた化石⁈研究したい‼︎

ランク:A

場所:テレジコ空域

目的:ラブルゴーレム2頭の討伐

依頼者:目が輝いている研究者


不審な大穴を調査してくれ

ランク:A

場所:テレジコ空域

目的:テレジコ空域の大穴の調査

依頼者:レオ教官

条件:当日限り

――


 ……申請されたタスクってのは最後のタスクだな。不審な大穴を調査してくれって言うけどさ、普通に考えて今まで無かった場所に大穴が開きましたって緊急事態だよね。それにただ大穴を調査するだけでランクAのタスクには絶対にならない。


 ……って事はどうしたって厄介ごとにはなるよなぁ。これ確認しない方が良かったな。せっかく決めた覚悟が揺らいでしまいそうだわ。


 クロードはタスク一覧を見ながらため息をついていた。それを見てか心配そうな顔のルピウスが近づいて来たのである。


「……どうしたんだい? なんだか浮かない顔をしてるけど」


「……ルピウス、調査タスクって知ってるか?」


「あぁ、知ってるよ。タスクの全容が把握出来ないためにランクAが確定していて、その代わりいつでも帰還可能なタスクの総称だろう? 危険度が分からない分タスクの準備がしづらいから中々率先して受ける人がいないタスクの種別だね」


 ……マジか。未知のものを調査するタスクじゃ無いのか。……受けなきゃ良かったか? いや指名されて断るのは出来ないよなぁ。


「……もしかして調査タスクが申請されたのかい?」


「そのまさかだよ」


「なるほど、……ちなみに内容は?」


「テレジコ空域の大穴の調査」


 ルピウスのその問いにクロードは短くそう答えた。ルピウスにはそれで充分である。


「なるほど、それはまさしく調査タスクだね。……ちなみに聞くけど条件なんて付いてたりしないよね?」


「お、鋭いな。当日限りの条件付きだよ」


「……当日限りかぁ。せめて条件は無しが良かったね。まあ申請された以上はやるしか無いね。僕も精一杯サポートするよ」


 やるしか無い……か。……そう、やるしか無いんだよな。大穴を調査して何に巻き込まれるか分からないけど、受けた以上は責任は持たないとね。それにルピウスも精一杯サポートをしてくれるんだから頑張らないといけないな。


 ルピウスの言葉で少し揺らいでいた覚悟をクロードは固めた。そしてテレジコ空域へ向かうためにアクィラを呼び出そうとして、ふとその手を止めたのである。


 ……そういえばペレグリンって言う機体が手に入っていたんだよな。速度が高い奴。射系統の武器パーツしか装備出来ないってレオ教官は言っていたけどそもそも俺はクラウンレーザー以外の武器パーツを持ち合わせて無い。だから別にアクィラじゃなくてペレグリンでも問題無いな。


 このタスクのメインが調査することなら多分移動距離が長くなるから速度が高いペレグリンの方が望ましい。逆にメインが戦闘することなら攻撃と装甲が高いアクィラの方が望ましい。……どっちだろうな。でもどう考えても何ならかの戦闘には発展しそうな予感がするから搭乗するのはアクィラにしようか。


 2つある機体のうちどちらの機体にするかで迷ったクロードだったがアクィラに乗り込むことに決めたようだ。アクィラを呼び出すと勢いよくそれに乗り込んだ。それを見てルピウスが操作し格納庫の天井がゆっくりと開いていった。


 ……ふぅ、今からテレジコ空域に、調査タスクに行くってのが分かるこの天井が開くまでの時間ものすごい嫌だな。……ふふ、こんなにタスクに行くのが嫌なのも珍しいね。お、全部開いたな。…それじゃあ調査タスクに向かうとしますか。……いざ、テレジコ空域へ。


 読んでくださりありがとうございます。

 いよいよ次回より調査タスクが始まります。調査タスクに向かうクロードに一体何が待ち受けているのでしょうか。

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