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第百九話 ベルウッドの真意





 ……その頃ネミリア王国の地下にあるとある場所で強化を終えた機体を満足気に眺める男がいた。辺りは静寂に包まれていたが不意に騒々しい音とともに誰かがその場所へと降りて来た。


 彼はゆっくりと振り返った。相当急いだのだろう。肩で息をする部下の姿が目に入った。それほどまでに彼が急いだ理由には心当たりがある。それならば急ぐ必要を男は感じていない。部下の息が整うまで男はゆっくりと待っていた。


「……落ち着いたか?」


「すみません! 急ぎでお伝えしたいことが!」


「それほど焦らなくても良い。……ベルウッドはどうなった?」


「……ベルウッド様は撃墜されスタラジアに連行されたようです」


「……そうだろうな。まあ良い、ベルウッドは味方は売らん男。だからこそ最高幹部に据えたのだ。……それでテレジコ空域への侵入ルートは今どうなっている?」


「……ベルウッド様の【ネグロプロシオン】により無事にルートは開通しております。現在監視されている範囲では出入りに支障は全く無いかと」


「……素晴らしい。やはり最高幹部に据えて正解だった。報告は以上だな? 報告ご苦労、下がって良いよ」


 男がそういうと部下は静かに去っていった。思惑通りに物事が進んでいることに男は口元のニヤつきを抑えられずにいた。


「……スタラジアの天下ももうじき終わる。極化が終わったその時、俺の計画に気付いてもだれも止められやしない。……ふふ、レオよ、覚えているか?お前はあの時からずっと二等騎士のまま、俺はこの国で一等騎士になった。そして極化書は既に俺の手中にある。お前は俺を止めることは出来ない。……絶対にな」


 ネミリア王国の地下、月明かりが差し込む格納庫。エミリアスの極化書を置いて傭兵部隊隊長シュガはひとり高笑いをしていた。夜のネミリア王国にその高笑いはいつまでも響いていた。






――

格納庫

――


 さてと、休息もしっかり取ったことだし溜まっていたタスクを消化しようかな。そもそも今何のタスクが残っているんだっけ?ちょっと確認してみるか。


――

タスク一覧


この輝きは素晴らしい!

ランク:D

場所:エリーダ高原

目的:鉄×1、闇水晶の欠片×3の納品

依頼者:石に囲まれたい男


これじゃあ漁が出来ない!討伐してくれ!

ランク:B

場所:コールバの海

目的:ナップスクイードの討伐

依頼者:泣きそうな漁師


あの厄介な腕を切り落としてくれ!

ランク:A

場所:コールバの海

目的:唸る触腕×2、波打つ大腕×1の納品

依頼者:苛立つ漁師

――


 あぁ、そうか納品タスクを多く申請したんだったな。それなら手持ちのアイテムも確認しておいた方が良いか。


――

持ちもの

採取アイテム

薬草×17

肉厚アロエ×4

グリーンハーブ×11

ジメジメシダ×1

揺らめく海藻×5

ジミキノコ×13

シビレダケ×7

ネムリダケ×4

水椎茸×5

ガラクタ×52

銅×2

鉄×5

鋼×1

闇水晶の欠片×1

睡香石×1

オオカシ×3

エリーダブナ×6

湿った丸太×19

腐った肉×2

謎の毛皮×4

新鮮な生肉×1

長寿の小枝×1

トレントの樹液×1

淡く光る軟甲×1

唸る触腕×1

鋭利な背ビレ×1

波打つ大腕×1

色褪せぬ墨液×1

漆黒の長羽×2

天駆ける銀翼×3

雷纏う鋭角×1

――


 ……なるほど、こうして見てみると下2つのタスクが並行して進められるか。それじゃあ向かう先はコールバの海で討伐するのはナップスクイードだな。と言うことで早速準備のためにフィウム改の武器パーツをクイックガトリングに変更しようか。


 クロードはまずラマーレを呼び出すと装備させていた武器パーツをギガントキャノンに変更させ、フィウム改にクイックガトリングを装備させたのである。フィウムの頃ではクイックガトリングの広い銃口が似合わなかったかもしれない。でもそれは昔の話である。フィウム改となりひと回り大きくなった機体に緑を基調とした広い銃口がとてもよく似合っていた。


 ……良いねぇ! これはちょっとテンションが上がるな。そもそも強化前のフィウムには武器パーツを装備させて無かったからね。だから武器パーツを装備しているフィウムを見るのはこれで初めてなんだよな。


 強化でこれだけかっこよくなるんだから極化だと……。ふふ、ルブールの極化が終わるのが尚更待ち遠しくなって来たな。それじゃあフィウム改の準備も出来た事だし、タスクを進めに行きますか。いざ、夜のコールバの海へ。


――

コールバの海

――


 さてと、夜のコールバの海だな。……しまったな、夜のコールバの海は視界が暗くてモンスターの位置が分かりづらいのをすっかり忘れていたよ。【エイミング】が使えるギガントキャノンを装備させるべきだったか。


 ……まあ良いか、多分何とかなるでしょう。……あ、そうだ。ルピウスにナップスクイードがいる座標を表示してもらえばいいんじゃないか?


「ルピウス、ナップスクイードがいる場所を表示させてくれるか?」


「了解。……ええと、これで表示されているかい?」


 言われてクロードがMAPを見てみるとコールバの海の奥の方にいくつか表示が点在していた。この座標に向かえばきっとナップスクイードと遭遇出来るだろう。



 読んでくださりありがとうございます。

 ベルウッドが最後に放った【ネグロプロシオン】には裏があったようですね。これによりネミリア王国からもテレジコ空域へ入ることが可能となりました。シュガと言う名の男は一体何を目論んでいるんでしょうか?

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