表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

106/150

第百五話 邪魔者ラブルゴーレム


 ……マジかよ。1対1でも厄介な相手なのに2対1とかもっと厄介じゃないか。……視界に両方とも収めておかないと、……攻撃に、……反応出来ない。……回避し続けるのは……ちょっと厳しい……か。……発動! 発動!


 ラブルゴーレムとベルウッドからの攻撃の応酬を何とか回避しながらチラチラ横目で【レーザースパイラル】が発動可能になるのをクロードは今か今かと待っていた。そしてようやくスイッチが再び光り輝き始めたその瞬間。既に外してあったカバーが飛んで行ってしまうのではと思える程の勢いでクロードはスイッチを連打したのだ。


 たった3発。【レーザースパイラル】の効果中においてラブルゴーレムを討伐するのはそれだけで良かった。残った時間は当然全てジョニアに注ぎ込む事が出来る。言い換えれば、反撃の時間が始まるのだ。


 クロードはジョニア目掛けて貫通属性が付与されたレーザーを放ち続けた。弱点がどこかは分からない上にラブルゴーレムよりも動きが速いために特定の場所を狙うのでは無くクロードは大きくジョニアを狙っていた。


 ……やっぱり手応えが違うよ。明らかに効いている気がするもんな。プロペラ部分とか何なら取れそうだもんな。……ん? 取れそう? もしかしてあれが弱点か?


 クロードから見た右側のプロペラ部分からやや火が上がっているようだ。少なくとも普通にレーザーを撃っている間には見られなかった変化である。弱点とは言い難いがその場所への攻撃には手応えが一番感じられた。


 狙うのは難しいが狙ってみる価値は……っと、ここで効果終了か。まあ良いダメージが与えられそうって分かっただけでも前進だよ。次発動出来るようになった時のために通常でも狙ってみようか。


「……なるほど、確かに腕が立つようだなァ。面白い……面白いゾォ‼︎ まだまだ戦いは終わらねぇ、もっと……もっと楽しませてくれよォ‼︎」


 ベルウッドは興奮しきっている。最早どこを狙っているのか分からない方向へ爆弾をばら撒いている。しかしそれ故に全てを撃ち落とす事は出来ず、爆発から飛ばされてくるガレキの破片は着実にクロードの装甲を削っていったのだ。


 ……まずいな、相手が興奮すればするほど相手の狙いが分かりづらくなる。全部を回避しようとするとそれなりに距離を取らないといけないんだが、それだとこっちの攻撃が届かない。……どうしたもんかな。……お、とりあえずばら撒き攻撃は終わったな。


 ひとしきり爆弾をばら撒き終わったベルウッドは少し冷静さを取り戻したようだ。どこか狙いを定めるかのように周囲を見渡している。やがてその視線がとある地点で止まった。クロードも続けてその地点へ目を向けてすぐにベルウッドの狙いに気付いた。視線の先には比較的大きなガレキが、2つ漂っていた。


「やはり察しは良い。……だが、少しばかり遅いな」


 視線をベルウッドに戻すと既に機体から何かが発射された後のようだ。機体の周辺には不気味な色の煙がかすかに漂っていた。


「さて、今度は2体だ。今度はどう言う戦いを見せてくれる?」


 3対1……か。まったく、厄介極まりないね。


 クロードの視線の先には2体のラブルゴーレムがクロードへ鋭い視線を向けていた。ベルウッドとラブルゴーレムのちょうど中間に視線を向けた時、視界の両端にどちらも映らないほど両者の距離は離れていた。まずは両方とも視界に入れなければならない。回避を頭に入れつつ旋回してクロードは位置取りを整えた。


 ……これでやっと両方とも見れるな。ただでさえ3対1で不利なのに死角に敵を置いてちゃ戦闘にならないからね。ベルウッドの方はまたばら撒き始めているから距離を取らないとな。……ん?


 クロードはベルウッドの支配下におかれたラブルゴーレムを見てあることに気が付いた。そしてその気付きが有効活用出来そうだと確信したのである。距離を取るためベルウッドと離れるようにして旋回していたクロードは一転してベルウッド目掛けて接近し始めたのだ。


「面白いィ! お前から仕掛けて来るとはなァ! ……ああァ⁈」


 突如として接近を仕掛けて来たクロードを視認したベルウッドは爆弾をばら撒くのを止めクロードからの攻撃を迎え撃とうと待ち構えた。……しかしクロードはベルウッドをスルーして背後を取ったのである。


 ベルウッドの乗っているジョニアは機体のその殆どがかなり硬質な装甲をしており背後であろうと大したダメージは負わせられない。故に攻略のためにはダメージを負わせるように一点に集中して攻撃する方が良いのだ。


 そしてその場所は今で言えば右側のプロペラ部分であり、背後では無い。それに振り返れば背後では無くなる故に対人戦において背後を取る行為にはそれほど大した効果は無いのだ。よってベルウッドにはクロードが背後を取ろうとした理由が分からなかった。


 読んでくださりありがとうございます。

 ベルウッドだけでも厄介なのにラブルゴーレムも相手にしないといけないようです。【レーザースパイラル】を駆使すれば楽に討伐出来るようですが……。クロードは何を狙っているのでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ