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第百一話 休む暇はあるのか


 ……お、これだな。……ベルウッドの撃墜が目的だな。さっきの話では9割方って言っていたけど、これを見る限り侵入者はベルウッドで決まりっぽいね。まあやるしか無いんだからぐちぐち言ったって仕方ないね。タスクの準備に取り掛かるとしますか。


 そういえばさっきレオ教官気になることを言っていたな。ドラゴリキッドなど有用なアイテムを惜しみなく使えだっけ? 有用なアイテムを惜しみなく使えってのはその通りなんだけど、ドラゴリキッドって言うアイテムを俺は知らないぞ?


 クロードはアイテム一覧を開くとその表示をじっと見ていた。すると採取アイテムの一覧では無く、消費アイテムというところに確かにドラゴリキッドなるアイテムが表示されているのが分かった。


 ……持っていたな。と言う事はどこかで手に入れたアイテムなのか? …………そう言えば二等騎士に昇格した時にそんな名前のアイテムを貰っていたような。多分それだな。有用なアイテムって言うからにはきっと凄い効果なんだろうね。確認してみようか。


――

ドラゴリキッド ※消費アイテム

竜エネルギーが凝縮された謎の液体。使用時に搭乗しているE・L・Kの装甲を全て回復する。

――


 ……なるほど、雑に強いな。戦闘中にはさすがに使えないとは思うけど、例えば確実に連戦になる時とか誰かしらと戦わなきゃいけないのに消耗してしまっている時とかに使えるかな。あと、こう言うタスク帰りにまたタスクに行かなきゃいけない時にも使えるな。どれだけ消耗していようと全て回復してくれるんだからな。


 まあ、今回は使わないでおこうか。タスク一覧を見る限りタスクに期限は無いようだし、ベルウッドに出会う前にトライアイズとか他のモンスターと遭遇するかもしれないしね。


 ……と言う事は準備は特にいらないな。場所はテレジコ空域だから搭乗するのはアクィラだし、機体や武器パーツに他の候補は無いからね。それじゃあ休息を取って次の日にタスクに向かおうか。


 クロードは今すぐタスクへ向かうのでは無く、しっかり休息を取ってからベルウッドの撃墜タスクへと向かうようだ。テレジコ空域ではベルウッドが自身の目的のために動いていることを知らずにクロードは深い眠りにつくのであった。


――

格納庫

――


 しっかり休息を取ってクロードは格納庫へと来ていた。今からベルウッドを相手にすると思うとやや緊張気味である。そんなクロードに向かって嬉しそうに駆け寄って来る人物がいる。ルピウスである。


「……ルピウス、何かあったのか?」


「強化が上手くいったのさ! フィウムが新しく生まれ変わったよ。気が向いたら使ってくれると良いよ!」


《フィウムがフィウム改になった》


 あぁ、フィウムの強化が完了したのか。そう言えばもう3日経ったのか早いな。今日はテレジコ空域に行くからフィウム改には乗らないんだが一応性能を確認しておこうか。


――

フィウム改

攻撃 180 速度 140 装甲 1600

――


 ……おぉ、普通に強くなったな。攻撃と速度だけ高かったのが大分バランスが良くなったね。これならラマーレよりも強いって思うよ。……ところでバランスは確かに良くなったんだけど、これもしかして攻撃と速度の数値据え置き? 変わって無い気がするぞ。


 どう考えてもフィウムの欠点は装甲の脆さなんだからそこを強化するのは絶対間違って無いんだけど、ちょっと残念だな。尖ったまま強化されて欲しかった感があるや。ま、実際強いからタスクに行く時は多分これに搭乗するんだけどね。


 こうなると見た目の変化も気になるな。……ただ見たら搭乗したくなるんだよな。今日はテレジコ空域に行くからフィウム改には乗れない。……どうしようかな。どうせベルウッド撃墜タスクが終わったら次はナップスクイード討伐タスクだから明日には見るよね。なら今見ても良いでしょう?


 クロードは最早意味を成さない自問自答の末にフィウム改を呼び出した。呼び出されたフィウム改はフィウム同様他の機体と比べてサイズは小さめではあるが一回り程は大きくなったようである。新たに軽くて丈夫な金属を船体に用いることで高い速度を保ちつつ装甲の強化に成功したのだ。


 なるほど、……良いな。ちょっと大きくなっているのかな? 迫力が増したね。元々のフィウムは他と比べて小さいのが頼りなさを感じさせていたけど、こうして強化されたのを見ると頼もしく思えて来るな。畜生! 乗りたい……!


 明日絶対乗ってやるからな。そのためにはさっさとベルウッドとか言う奴を撃墜してやらないとね。テレジコ空域に侵入して何がしたいのかさっぱり分からないけど、侵入するからには何かしらの目的があるんだよな。その目的は阻止させてもらうぜ。


 なんだかいつもよりテンションが高まっているクロードはすぐさまアクィラを呼び出すと勢いよく乗り込み、テレジコ空域へ出発したのである。テンションが妙に高いクロードの様子を見てルピウスが少しばかり心配そうであった。


 ルピウスの心配は必要無かった。何故ならテレジコ空域へ入ったクロードはすぐにテンションがガタ落ちしたからである。


――

テレジコ空域

――


 ……何これ?


 テレジコ空域に入るなりクロードはため息をついていた。クロードが申請しているタスクで場所がテレジコ空域なのはベルウッド撃墜タスクのみ。従ってMAPにはベルウッドがいるであろう位置が黒い点で表示されていた。テレジコ空域の中間あたりのその位置に着くまでに消耗を抑えるために出来るだけモンスターとの戦闘は避けたいところである。


 しかし目の前に広がる光景は以前来たテレジコ空域とはまるで別物。モンスターの気配が色濃い殺伐とした場所になっていたのだ。


 読んでくださりありがとうございます。

 テレジコ空域の様子が変わっているようです。ベルウッドの仕業なんでしょうか?

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