屠殺してます
男の子の内臓を抜き終えた私の手がブルブル震えているのを見たイマさん、後はしなくて良いって言いますが、それはダメです。
ここまできたら、あと二人も絶対やります!
イマさんが冷蔵庫へ一人目を仕舞いに行っている間にカリさんと掃除。そして二人目。
二人目は器具を刺し込むところからさせてもらいました。
その他は、さっきの子と同じ…。同様手順で淡々と実行。
終わると…、手の震えは、もうありません。
次の三人目。
三人目は、最後の食道を切って胃を出すところもさせてもらいます。
お尻に手を突っ込むのってすごく大変です。油は塗りますが、狭いところに無理やり腕を突っ込むのですからね。
オマケに体の奥深くまで突っ込むと、まだドックドック鼓動を感じるのです。
温かくヌッチョりした、まだ生きている体内の感触。少し前の私でしたら、完全吐いていましたね。
でも…、無心というか、もう必死で……。
見えないモノを探って切るのは難しかったのですが何とかやり終え、胃も無事に抜き出しました。
血で真っ赤になった私の腕…。震えていません。
慣れ……なんですかね?
こういうのって、慣れちゃって……良いのかな……。
いや、お仕事なんだから、慣れなきゃね…。これで良いのよ。
兎に角、その日、私は三人の男の子を、この手で殺害したのでした。
その晩、リューサさんは留守で、私も夕食は使用人食堂で。
あんまり食欲湧かないですよ。特に、お肉はね…。
でも、残したりしますと、お肉になった子に失礼。大切な命を捧げてくれているのです。最後まで綺麗に食べます。
それに、食べないとイマさんたちにも心配かけちゃいますしね。
一緒に席に着いたイマさんカリさんはサッサと食事を済ませ、まだ仕事があると先に行ってしまいました。私は少しゆっくりしてから席を立ちます。食堂の入口で、ばったりキズミさんと鉢合わせしました。
「ふん。金首輪なんかつけて偉そうに。オマエ、今日、進んで屠殺手伝ったんだってな。この、おべっか使いめ。楽しかったか?」
「な、何よ、おべっか使いって! 楽しいわけないでしょうにっ! 私もニンゲンなのよ」
「ニンゲンだったら、なんで同じニンゲンを殺すんだ」
「そ、それは……」
そんなこと、私だってしたくないですよ!
でも…。
でも!!
「本来の担当者のあなたが責任放棄するからでしょうがっ!!」
あちゃ~。売り言葉に買い言葉。私、言っちゃいけないこと、言っちゃいましたよね。
たしか、キヅミさんって、優しすぎて人間を殺せないって…。
しかしですね、向こうから吹っ掛けて来たんですからね。仕方ないでしょう。
これ以上の言い合いを避け、私は走って部屋に逃げ込みました。
ベッドに横になり、布団を被ります。
酷いよ。何なのよ! 楽しいわけないでしょうに。
そりゃあ、まあ率先してやりましたよ。誰からもやれとは命じられてませんよ。
だからって、面白がってやらせて貰ったとでも思っているの?
冗談じゃないわよ!
私だってニンゲンなんだから!
本当は、同じニンゲンを殺したり、食べたりなんかしたく無いわよ!!
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