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食用動物…


「ハ~ッハッハ! 冗談よ、冗談。食べないわよ~。殺さないから安心なさ~い」


 逃げるに逃げられず、全裸のままソファーに身を丸くしながらチラッとお姉さんを見ると、優しく笑っています。


「ほ、ホントに食べない?」


「食べない」


「ほ、ホントに殺さない?」


「殺さないってば!」


「ホントに、ホント?」


「ホントだってば。だいたい、食べる気なら、何にも知らせずにサッサと(ひね)っちゃった方が手っ取り早いでしょうに」


「ひ、捻る?! ま、まあ、それはそうですよね……。

い、いやいや、もしかして、生きて抵抗するモノのお腹()いて内臓を啜る方が美味しいとかって……」


「いやねえ。私を何だと思ってるのよ。河童じゃあるまいし、そんな野蛮なことしないわよ。

食べるんだったら、ちゃんと綺麗に解体して、焼くか煮るか調理するし~。

生の内臓を食べたがるのは河童ぐらいのモノよ」


「そ、そういうものなんですか?」


「そういうものよ。あなた方だって、牛や豚を丸のまま生で齧る?」


 いいえ、そんなことしませんね。『お肉』として加工されたモノを、火を通して調理してから食べます。お姉さんのおっしゃる通りです。

 それに、どっちみち、逃げ出せそうにありません。お姉さんを信じるしかありませんでした。



 私には丈の少し短い和服のような着物を着せられ、眼鏡も返してもらいます。

 そして、お姉さんの手で赤い色の首輪が付けられました。

硬い材質で小さなカギ穴の様なモノが付いています。多分カギが無いと外せない仕組みになっているのでしょう。

 この首輪を付けているということは、所有者があるということ。他の(あやかし)は手を出せなくなるんだそうです。

とはいえ、この世界では人間は食用動物扱い。危険だから、絶対一人では出歩かないように注意されました。

 特に河童は危険なんですって。首輪が付いていても平気で盗み食いするってことです。

さっきの河童も、いきなり襲ってきましたよね。


 そうそう、あのときお姉さんに助けて貰えなければ私がどうなっていたかも、教えてもらいましたよ。不必要なほどに詳しく。

 河童が尻子玉を抜くという話なんですけどね。当然、「尻子玉」なんて部位は人間にはありません。何をされるのかといいますと……。


 まずですね。私は四つん這いにさせられて、お尻の穴を露出させられます。

……女の子としては、超恥ずかしい格好です。

 それで、そのお尻の穴の中、肛門内部に手をズブッと突っ込まれます。

……うう~ん。ビックリですし、すっごくバッチイですよ! イヤだ~!!

 そんでもって中にある大腸の『直腸』という部分を内側からビリッと破かれて、グッとシッカリ内部で大腸の端が掴まれます。

……ううう~っ、い、痛そう~っ!!

 後は一気でアッと言う間のコト。大腸から小腸まで続けて、綺麗に全部、ズルズルズルズルーッと噴き出すように抜き出されます。

……ちょ、超、痛いですし、グロ過ぎる!!

 そして、お尻から引きずり出された血も滴る私の大腸と小腸は、即座に残らず啜り食べられてしまうんだそうです。

……ひ、ひえええええ~!!!


 これが尻子玉抜きの実際。

 内臓を抜き出す様子が、お尻の栓を抜いて中身を噴出させるように見えることから、そう呼ぶんですって。


 私ってば、四つん這いにさせられ、ショーツをずり下ろされ、お尻の頬を広げられていました。まさに間一髪でしたよ。

 あの後を想像すると寒気がしますし、助けてくれたお姉さんには、もう、ひたすら感謝です。


 ……でも、ですね。

こ~んなトラウマになりそうな詳細は、聞きたくありませんでした!!

 お姉さんってば、絶対に、私を怖がらせて楽しんでますよねっ!

 この、人でなし! 鬼~!!!


 あ、まんま、その通りでしたね・・・。


お読み頂きありがとうございます。

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