白首輪女の運命
場内を掃除し、血で汚れた衣服を着替え、イマさんはいったん外へ出て行きました。
「美玖、ホントに良いのか? 知らないぞ。最終警告だぞ」
カリさんシツコイよ。隠そうとするから、余計に知りたいのですって!!
「絶対に、見る! 最後まで!!」
「そ、そうか。仕方ない…。私も、これは少し手伝う。美玖は、そこで待っていろ」
カリさんは監視室から出ます。
ゴロゴロと車輪付きの診察台のようなベッドを用意し、部屋中央に固定します。その斜めの四方には三脚付きの四台のカメラ?
え?? なにするの?
撮影???
それだけの準備をして、カリさんは戻ってきました。
「あの、あれは何?」
「うん。屠殺場面の動画を撮影する」
「へえっ、何で?」
「動画を付けて売ると、高く売れる。昔はニンゲンを狩って食っていた。その狩猟本能が呼び起こされると、最近の流行り。
私もイマも好きじゃない。ホントはしたく無い。でも、折角の肉、少しでも高く売るため。
食われるニンゲンの価値を高めるのが、そのニンゲンの為になるという考え方。
あまり賛成できないが、全く否定も出来ない」
屠殺の場面を見ながら食べるの?
狩猟本能が呼び起こされる?!
そ、そうか。だから、容姿も大事なんだ。可愛い子の方が見栄え良いから…。
うん?じゃあ、何で動画は女の子限定? 男の子だって、そんな需要あるんじゃないの?
この疑問を口にするまでもなくカリさんが察して説明してくれます。
「狩猟は主に男の仕事だった。狩猟本能がどうとか言うのは概ね男の意見。
そして、男は可愛い女が好き。だから、可愛い女の屠殺動画を付けて肉を出荷すると、かなり高く売れる。動画だけでも欲しがる者もいる。
男はオカシイ。キチガイ。狂っている。男なんか大嫌い」
う~ん、イマさんカリさんが男を嫌うのは、そういうことなのかな…。
でも、確かに、それ怖い。鬼の男には会ったことないけど、最悪の存在だ。決してお近づきになりたくないです。
「殺されるのを撮影されて、それまで公開されちゃうって、かなり残酷よね。だから、そんなのを私に見せたくなかったのよね」
「ま、まあ、そうなんだがな……」
うん? まだ何かあるの?
あれ、ちょっと待ってよ。さっきの男の子は苦しませずに送っちゃったけど、狩猟本能を呼び起こさせるって、どういう殺され方するの?
そんな私の表情を見てカリさんは…。
「気が付いたか、美玖。そうだ。女は楽に死ねない。
思いっきり苦しめられて、残酷に殺されてゆくのだ」
う、ウソ……。
「だからな、美玖。見ない方が良い。今ならまだ間に合う。止めよう」
残酷に殺される。それを撮影される。肉片にされ、自分の殺害場面を鑑賞されながら食べられる…。
それが食用女の運命。私も、そうなる可能性があった…。
いや、まだその可能性も残っている……。
「見ます。最後まで」
「美玖……」
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