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鬼の邸宅で

 私は震える手で制服を脱ぎ始めます。

上衣とシャツを脱ぎ、スカートも下ろし、ソックスも脱いで下着姿。

 これで許してもらえないかな…と、怯えながらも懇願の表情をムリヤリつくり、一旦お姉さん鬼の方を見ます。

 ですが、非情にも、(あご)で早く脱ぐようにとの催促の仕草……。


 仕方ありません。幸い、ここに居るのは女性ばかり。(…鬼さんですけどね)

ブラジャーを外し、ショーツも抜いて、完全な裸体に…。


「手で隠さない! 両手は横。真っすぐ立つ!」


「は、はいっ!」


 即座に全裸での直立姿勢。

 お姉さんは、そんな私の身体を、上から下までネーットリと舐め回すように見てきます。

ここへ来てから、何度も感じてきた視線です。


「へ~。うん。良いね、良いね。痩せすぎず、太すぎず、丁度良い。

成熟しきる手前の、清純で溌剌とした肢体。最高級の肉体じゃない。

ふんふん、生殖機能の方は、どんな具合になっているのかな……」


 お姉さん、すっくと立ちあがり、私の隣に移動します。そして、私の眼鏡をスッと取り上げ、ふかふかソファーに押し倒してきます…。

 体が柔らかなソファーに沈みます。


「ふふふ、やっぱり…。眼鏡が無い方が断然可愛いわよ。とっても美人さん」


 上に乗られて胸の膨らみを()まれ、そのそれぞれ左右中央の出っ張りをクニュクニュ(いじ)られます…。


 う…、あ…、いやだ、ちょっと、いや、こ、これ…、気持ち、良いかも……。


「へへっ。敏感ね。さすが、天然モノ。感度抜群ね」


 右の膨らみを、パクッと咥えられます。

お姉さんの弾力ある舌で、クチュクチュ先っぽが転がされ……。


 い、いやだ…。こ、こんなの…、初めての体験…。

 ううっ。 ううううう~!!


「あなた、男性経験は?」


「へえ? そ…、そんなの…、全く…、無いです……」


「あら、そうなんだ。まだ汚れてないのね。これは、まさに好都合。最高じゃない。

毛は生えてるし、もう、初潮は迎えてるわよね?」


「は…、はい、それは……」


 両脚を持たれ、凄い力で股をガバッと広げさせられました。

そして、クンクンと恥ずかしい部分の臭いを嗅がれ、ペロ~、ペロ~ッと、その部分を()められます……。


「はああああ~! だ、ダメです…。汚いですよ……」


「汚く何てないわよ。聖なる部分よ。それに、あなた、とっても良い臭いで、とっても美味よ。どれどれ~、中身の具合は~?」


 股間の中央の割れ目。それを守る肉襞が指でグイッと大きく広げらます。お姉さんの視線の先は、私の秘密の割れ目の中央。女の大切な生殖器官の入口部分。それを、ジックリと、シッカリと、観察されてしまいます。


 ううう~! と、とっても、恥ずかしいよ~!!


「なるほど、確かに処女ね」


 ああ、私はこのまま、お姉さんに犯されるの?

食べ頃ってそういうことなのね。私の「女」を食べるってこと……。


 学校で女子だけ集められて受けた性教育。あれで教えてもらっていますから、大体は分かりますよ。どういうことをされるのか。

 女の生殖器内に、勃起した男性の生殖器が挿し込まれ、中へ精液が勢いよく放出される。

その精液内の精子が自ら泳いで、膣から子宮、子宮から卵管内に入ってきて、女の卵巣から排出される卵子と結びついて受精。その受精卵が子宮に移動して着床し、妊娠するってことでしたよね…。


 で、その、男性と性器を合わせあって精液を体内に入れられる行為が、性交。いわゆるセックス……。

 夢見てた、好きになった男性との甘い甘~いセックス初体験なんてのは、もう私には許されないのね。

 私の初めては、この鬼さんに奪われてしまう……。


 うん?

 あ、いや…、ちょっと待ってくださいよ!


 この鬼さん、どう見ても女性よね。美人だし、胸大きいし!

 女同士って、こ、これっ、レズとか百合とかってやつですか??


 そんなの、学校では習ってないよ!

 この場合、どういうことされちゃうの~??


 ……な~んて思っていたら、お姉さん、私の股をパタッと閉じさせます。


「検査完了よ。合格。超A級の、花丸合格よ」


 へ? 合格?? 超A級の、花丸?? どういうこと???


 お姉さんは私の体に大きな白い布をかけ、ソファーに坐らせました。自身も対面に坐りなおします。そして口を開きました。


「この世界ではね。ニンゲンは、最高級の食材なのよ」


「えっ!! しょ、食材!」


 ということは、ですよ。

 やっぱり私は、食べられてしまうってことなのですか?!

 それも比喩的なことではなくって、そのまんまの意味で!!


 そうだ。さっきの二人の鬼さんたちの表情も、メイドの小鬼ちゃんたちも、珍し気というよりも、「美味しそう」って感じの視線……でしたよね!

 それに、襲ってきた河童も私を食べようとしていたんですよね。お尻から何かを抜き出して!


 私はこれから、この鬼さんたちに食べられてしまうんだ!!


 血の気が一気に引きます。

 真っ暗な穴へ突き落とされて、ひたすら底へ向かって沈んでゆく気分……。そう、絶望です。


 どんなふうに食べられるの?

 手脚ちぎられてボリボリ? 頭からガリガリ?

 あ、肉食動物って、まず得物の内臓から食べるって言いますよね。お腹を裂かれて内臓を引き出されるの?


 い、イヤよそんなの。

 きっと痛いよね。苦しいよね……。


「そんな顔しないでよ~。何~? 今、自分が食べられるところを想像してる~?

へへへ~っ。ふふふ~ん。ど~んな風に想像してるのかな~。興味深いな~。

お腹の中の臓物をグチョグチョッと掴み出されるところかな~。手脚をブチンブチンと千切(ちぎ)られるところかな~」


 ううう~っ。そ、そうですよ。それ、想像ましたよ。何で分かるんですか?!

私の考えてること、完全に見透かされてる…。心が読める?


「大丈夫よ~。痛くしないよ~。やさし~く逝かせてあげるよ~。

そうね~、首をグリグリッと一回転に(ひね)って、一息で息の根止めてから解体してあげましょうね~。

痛いと思う暇もないからね~。楽なモノだわよ~」


 お姉さんの手が伸び、私の(あご)をクイッとあげさせます。


「ひいいい~!!」


 私はその手を振りほどきました。


 逃げなきゃ!

 殺されちゃう!!

 食べられちゃう!!!


 でもここは、鬼の家の中。従者も複数居る。

その召使いの女鬼二人が入り口で刀を抜いて立っている。逃げられない!

 ダメだ。私、終わった……。


お読み頂きありがとうございます。

「美玖、ガンバレ!」 「お姉さん鬼、もっとやれ!」

というようにお感じ頂けましたなら、評価・感想・いいね、お願い致します。


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