夕食のソーセージ1
……「妖語」部分は、逆から読んで頂けますと意味が分かります……
さて、夕食。リューサさんもお帰りになりました。よって、私は、そのご主人様と一緒の食卓です。
これからはメイドちゃんが給仕をすると聞いていましたが、アレ、アレ?
何故か、またイマさんカリさん……。
食前感謝の言葉を述べ、サラダからというのは昨日と同じ。
次は、今日も続けて味噌汁。
ですが、お味の方は一味違いますよ。お出汁が効いて、各段美味しくなっています。
「うん! すごい!味噌汁、美味しくなった。
美玖の指導のお陰ね。これなら毎日でもオッケーなくらいだわ」
お喜びいただけまして、私も嬉しいです。
味噌汁の具は、豆腐とニンジンと菜っ葉です。
リューサさん、嫌いなニンジンを気にせずに食べてますね。何か分かっていないでしょ。
ウッシッシ。訊かれないから、教えてあげないよ~。
さて、次はメインですよね。イマさんとカリさんが運んできたお皿には主食の芋と、立派なソーセージが八本も。
でも、盛り付けが変。芋を仕切りの様に真ん中に置き、その左右に四本ずつ並べられているのです。
よくよく見ると、それぞれの左側二本のは色がちょっと濃い色。種類が違うみたい。
そして、運んできた二人の様子も少し変。なんだか、スッゴク緊張しているみたいです。
「どっちがどっち?」
リューサさんの、謎の問い。
「右が、私、イマです」
「左が、私、カリです」
疑問符を浮かべる私に、リューサさんが説明してくれます。
「これは、二人からの昨日の詫びよ。二人のソーセージです。
美玖も、食べてやって頂戴な」
ええっと、切腹までしたんですから、もう良いのに……。
二人のソーセージ…。そっか、この二人、今日は食肉加工場で仕事だって言っていました。これを作っていたんだ。二人の手作りなんですね。
「美玖。安心して良いわよ。このソーセージの材料はニンゲンじゃないからね。あなた、昨日から結構無理して食べていたでしょう」
「えっ! え、ええ~と…。分かりました?」
「そりゃあ、分かるわよ。でも残さず食べたよね。あなたは偉い子よ。
で、これは人肉じゃないからね。安心して召し上がれ~。ね~っ、イマ、カリ」
「はい、仰せの通りです。人肉では、ありません」
「私たちの、お詫びと、誠意と、決意です」
二人のお詫びと誠意と決意? お詫びと誠意は分かるけど、決意って??
まあ良いです。材料が人肉じゃないのなら、気が楽です。
二人が一生懸命作ってくれたソーセージ。どんな味でしょうかね。
リューサさん、右端のをフォークで刺してお口へ。パリッと良い音!
イマさん、食べているリューサさんをジッと見ています。なんか、もの凄く緊張してるみたいだけども…。まあ、手作りって、心配よね。味の感想聞くまではね…。
じゃあ、私も、イマさんが作ったっていう、右から。
ぷすっと挿して、お口へ。僅かに焦げ目がついていて焼いてあるみたい。
うん? 皮が少し厚い? でも、噛めば肉汁がジュワ~ッて口に広がる。ハーブも効いていて、美味しい!!
リューサさんは、一本置いて色違いのも食べます。ですから、私も同じように、イマさんの色違いの方。
こっちも皮が少し厚いですし、だいぶ癖があります。噛み口を見てみると赤いような黒いような色。
そういえば、血を混ぜて作るソーセージもあるって聞いたことありますね。たぶん、それでしょう。
正直なところ、あまり好みの味ではありませんが、食べられなくはありません。
私が色の濃いのを食べている間に、リューサさんは残りのイマさんの二本も食べてしまいました。
イマさんホッとした顔をしていますが、私の方にまだ二本残っているのを見て、それを気にしているようです。
大丈夫ですよ~。ちゃんと食べますからね。
「うん、イマ、とっても美味しかったわ。タシマリトケウ、イツケノタナア」
「スマイザゴウトガリア」
直角に腰を折る最敬礼で言うイマさん。
だけど、お二人、何て言っていたの?? イマさんはきっと、お礼を言ったのよね…。
リューサさん、そのイマさんから視線を外して、私を見ます。
「美玖、どう?味は」
「は、はい、とっても美味しいですよ。私的には右が好みですね。ハーブが効いていて、凄く良い味です」
リューサさん、ニッと笑います。イマさんもホッとしたような笑顔を向けてきてくれました。
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