表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

きらめきひらめきだらく

少女は起きる。

目覚めはあまりよろしくない。

だるくて、眠くて、冷たくて、いたくて、、、ん?いたくて?

寝癖がついた白い髪越しに伝わってくる硬い何か。

ここで疑問が一つ。

フッカフカの雲のベッドで寝ていたはずなのに、目が覚めると金属のベッドにビフォーアフターされていたのである。

道理で痛いわけだ、これじゃ疲れが取れるどころか溜まって行くと思うんですけど、、、、ベッドとしての需要は何処に?

もはや匠の仕業どころではない。

空気の流れ、周りの景色といい別の場所と考えていいだろう。

だとすると、私自身が何者かによって移動させられた可能性...

それか私自身が眠りながら移動した可能性。

だが2つ目に至っては寝癖が悪いどころの話じゃない、そういう話は聞いたことがあるが...まさかね?

やはり、何者かが私をここに連れてきたのだろう。

そう考えがまとまったところで、永い眠りから覚めての第一声


「ココドコ?」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







「ふんっふんっふんふっふふーん♪」


天照はそれはもうご機嫌だ。

肩にかかった綺麗な黒髪を揺らしながら、スキップする勢いで雲が霞のようにかかる野原を鼻歌を歌いながら歩いていく。

なぜこんなにも上機嫌なのかは、彼女を知っている者は、安易に思いつくだろう。

だから、今誰もいないこの場所でこっそりと、その喜びを噛み締めているのだ。


(まさか、あのヘタレ天帝がセテップを地上に堕とすなんて、でもこれを利用すれば晴れて私は退屈な日々におさらばできる!この広大な高天原を治めているなんてワンランク上の自宅警備員と一緒よ!いや、むしろ娯楽と自由が無いからツーランクぐらい下がってるんじゃないかしら?!)


「よし!早速計画実行よ!時は金なり!地上へレッツゴー!」


一度地上へ落ちるとなんらかの対処をしていなければ、その時点でちからの大半を失ってしまうのだ。だがこれはあくまで対処をしていなかった場合なので、力を失うのは不意を突かれて無防備の状態で落とされた場合、なんの対処もせず地上へ行き後で気づき天界にいる者に助けを乞う間抜けだけだし、天界に戻ると時間は少しかかるけれど力も戻るのだ。


そこで天照は、厳格な妹の月詠が気づく前に、さっさと地上から天界に、地上に落とされて天帝に怒っているであろうセテップを連れ戻し、それを利用して現天帝から天帝の地位を奪ってやろうという事だ。セテップも復讐を果たせて私も晴れて天帝の地位を横取りできて退屈な日々におさらば出来るんだからwin!win!よね!

この計画にはいくつか穴があるのだが、行動しなきゃ始まらないという彼女の精神で()()の二文字は既に彼女の頭から消え去っていた。

そして天照はセテップへの邂逅試みるべく地上へと向かう。

この後、天照の思惑とは大きくズレた展開になるとも知らずに。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











少女の単純な疑問に答える者はおらず、辺りにはただかろうじて日の光が差し込み金属ベッドが仄かに照らされているだけだった。

幾度か辺りを見回した後、状況を再び整理し脱出を試みる。何故なら金属格子に囲まれて一つの部屋とかしているこの場所は、まるで重罪人を閉じ込める牢屋と言われても納得できるレベルであるからだ。

しかし、肝心のドアは鍵が開いていたようで軽く脱出劇は終わったのだった。

中からも金属格子越しに見えたがどうやらここは地下通路になっているようだった。だが下水道のような場所ではなかったので出口がない。

後ろに牢屋があり、前には光が行き届いてないせいか永遠と続くように見える通路がある。

道はそれしかない。


「ここは地上か、、、、」


少女はそう結論を出し、これからどうしようかという迷いの瞳を浮かべて一言呟くと歩き始めた。

長い間感じだことのない不安と迷いが頭の中でうずまくが、どうしようもないのでそれらを全て切り捨てる。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ