ナレーションと読み解く昔話 桃太郎編
ぱっと思いついたので書き上げてみましたが、どこかで見たことあるような気がします。
書いている最中は面白かった。
昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました。
おじいさんは山へ芝刈り……ってあれ、おじいさんはっ!?
どこっ!? お、おじいさん何処にいるのっ!?
あ、え、ええと……お、おばあさんは川へ洗濯に行きましたっ!!
おばあさんが川で洗濯をして……ってどこ行くんですか、そっちは川じゃありませんっ!?
えっお、お孫さんっ!? そ、そんなのいるなんて私、聞いてな……っ!?
ご、ごめんなさい実は私ナレーションって初めてで……ちょ、ちょっと待ってくださいねっ!!
え、ええとぉ、何々予想外のことが起きたときは一気に物語を進めて有耶無耶にすべし……大きな桃を家に持ち帰りましたっ!!
だ、誰が運んだって……そ、それはその……ええと、あ、す、すみませんそこの釣り竿持ってるあなたちょっと桃を運んで……そうそこに置いて、あ、ありがとうございました。
通りすがりの優しい人が桃をおじいさんの家に運んでくれました。
さておじいさん、はいないからおばあさん……はボケちゃってるし……うぅ、ど、どうしよう……っ!?
ええとええと、も、桃は自然と割れて中から桃太ろ……じゃなくて赤ちゃんが出てきました。
桃から生まれたその子はも、桃太郎と……桃太郎と、だ、誰か名前……名前つけてっ!?
あ、そ、そこの柿の種を持ってるおサルさん、しゃ、しゃべれるよねよかった……悪いんだけどこの子に名前をつけてあげて欲しいの。
ええとね名前は桃……柿太郎っ!? ちょ、ちょっと待って柿太郎じゃ話がまるで変わって、あ、い、行かないでっ!?
うぅぅ……か、柿太郎と名前を付けられた赤子はすくすくと成長……自力で一人で成長しましたっ!!
な、何か文句でもあるんですかっ!? 最近の子供は一人でも立派に成長するんですぅっ!! え、最初に昔々って言った?
…………柿太郎は鬼の狼藉を懲らしめるために鬼ヶ島へと旅立ちました……あーあーきーこーえーまーせーんー。
とにかくっ!! 旅に出た柿太郎は途中で犬に出会いました。
犬は言います、どこに行く……あ、あれ何でこのワンちゃん喋らないのっ!?
え、普通はしゃべらないっ!? で、でもさっきのおサルさんはちゃんと喋って……あ、い、行かないでワンちゃんっ!?
もも……じゃなくて柿太郎も止めてあげて……ばぶーって、全然成長してないじゃないの……うぅぅぅ。
ああ、もう……柿太郎は一人で進むことにしました。
すると今度はおサルさんに出会い……お、おサルさんが臼に潰されてるっ!?
あ、あなたたち何でそんなことをっ!? え、カニのお母さんの敵討ち……そ、そうなの。
じゃ、じゃあ仕方ないよね……し、仕方ないから柿太郎は一人で進むことにしました。
そして今度は雉に出会いました、き、キジはも……柿太郎に尋ねます。
柿太郎さんどこに行くんですか……そう、そうよそれでいいのキジさんあなた最高よっ!!
おほん……柿太郎は答えます、鬼ヶ島へ鬼退……ばぶーと嬉しそうに泣き声を上げました。
き、キジさん待って引かないでっ!? お、お願いあなたが最後の希望なのっ!! み、見捨てないでっ!!
ほ、ほら柿太郎も黍団子を渡し……て…………ああぁぁああああっ!?
き、キジさん……あ、あのね人間の世界にはクレジット支払いっていうものがあってね……あ、後ね給料は後払いなのが基本で先に仕事をしてから……あ、あああっ!? い、いかないでぇえええええええっ!!!
も、もうどうしようもない、お終いだわ……柿太郎一人でどうやって鬼退治しろってのよっ!!?
はぁぁ……うぅぅ……柿太郎、どうしようか?
だぁ? はぁい? ばぶぅ? あなたに聞いた私がばかだったわ……あぁ、どうすればいいのっ!?
と、とりあえず旅を続けましょう、ええと次の場面は……ははっ、柿太郎はついに鬼ヶ島に上陸してしまいましたっ!!
上陸しちゃったじゃないっ!? どうするのよこれっ!? 柿太郎一人で鬼を全滅するのっ!?
も、もうやけだわ、柿太郎は鬼の本拠地に乗り込み……門が開きません。
そりゃあそうよね、鍵かけないはずないし……サルもキジもいないんじゃ中から鍵を開けるわけにもいかないし……。
か、柿太郎は腰の剣……は無いから近くに落ちていた石を拾って門をたたき壊しましたっ!! ほ、ほら柿太郎頑張ってっ!!
できるからっ!! あなたは絶対できる子だからっ!! あ、い、痛いのはわかるから泣かないでっ!?
ほ、ほら鬼に気づかれちゃ……っ!? 柿太郎は機転を利かして鬼に内側から門を開かせたのですっ!!
いいわ流石柿太郎っ!! あとは鬼を倒して宝を持って帰るだけよっ!!
柿太郎は石を振り上げて……って投げ捨てないのっ!? 男の子でしょ涙をこらえて戦うのっ!?
あ、こ、こらどこに行くのよっ!? そんな走ったら……ほ、ほらころんじゃったっ!?
あ、柿太郎鬼の大将が近づいてるわ泣いてないで早く逃げてっ!! あ、あぁ捕まっちゃった……。
ははっもうお終いだわ、柿太郎は鬼にやられてしまい……っ!? あ、あれはっ!?
キジさんどうしてここにっ!? し、しかもあの背中に乗っているのは臼さんっ!?
こ、これはっ!? 臼さんがキジから飛び降りて鬼の大将を押しつぶしましたっ!!
鬼たちはこれはかなわんと逃げ出しましたっ!! や、やった柿太郎やったわっ!! あなたは見事鬼を退治したのよっ!!
ありがとうっ!! だけどキジさんどうして来てくれたのっ!? え、カニさんに雇われたっ!?
ど、どうして……困ってる者同士助け合うのは当たり前って、あなたたち最高よっ!!
よし後は宝を持って凱旋するだけよ、さあ柿太郎は宝を取り返し……柿太郎、お眠なのはわかるけどもう少しだけ我慢してよぉっ!!
うぅぅ、も、もうこうなったら……欲のない柿太郎は小さい宝箱だけをキジに持たせて臼に連れられておじいさんの家に帰るのでした。
こうして柿太郎は……ってあ、ご、ごめんなさい前方不注意でってあなたは桃を運んでくれたお兄さんっ!?
えっ? 今が何年かって……む、昔々のお話ですぅっ!! 細かい年代は秘密ですぅっ!! そういうことじゃないって言われてもそういうことなのっ!!
ほらあなたが落とした宝箱返します、じゃあ失礼しますね……ふぅ、もうトラブルはごめんなのよ。
さて帰り着いた柿太郎は仲間と共に取り返した宝で幸せに暮らし……って何よこの煙っ!?
え、えええっ!? な、何であなたたちみんな年寄りになっちゃってるのよぉおおおおおおおおおっ!!?
な、なんでこんな……え、柿太郎何か言いたいのっ!? し、芝刈りに行ってきますって……い、今更いうなぁあああああああああっ!!
ああもう、昔話なんかだいっきらいだぁああああああああああああああっ!!
めでたしめでたし……ってどこがめでたいのよぁおおおおおおおおおおおおおっ!!
めでたしめでたしと違う小説で書いたら思いつきました。