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3話 過去と今、そして満たされゆくもの

  エルシーとサーフェリアルの街を散策し、この世界のことについて、あれこれ話している時。ふと、お腹がなった。


「グッ、グリュリュリュリュリュ〜」


「仁、お腹すいたの? 」


「うん。恥ずかしい///」


「可愛いとこあるんだね。じゃあ、お昼にしようか! 」


「頼む......」


「近くに行きつけのお店があるの! 味は私が保証できるくらいおいしいの」


 やはり、この世界について知っている奴が一人いるだけでかなりいい。


 エルシーの行きつけのお店か。そもそも、僕はこの世界の食事の味に馴染めるのかふと思った。


「じゃあ、そこにしようかな」


 そうして、僕とエルシーは近くの行きつけのお店で昼食をとることにしたのだ。



 エルシー行きつけの店に着いた。


 店自体はよくある異世界のレストランといった風で、看板には異世界文字で書かれていた。


 そんなことはさておきと。


「おばちゃん、この店のオススメを仁にお願い」


 僕達は店に入る。


「あいよ〜。にしても、エルシー、いい男じゃない。どうやって捕まえたの? 」


 中々、ノリのいいおばさんだ。


 レストランの料理人にしてはやけにガタイがいい。


 何か引退してここを経営しているとしか思えない。


「おばちゃん、仁はね私を助けてくれたの」


「そうだったの。仁くん、ありがとうね。エルシーはね普段、ツンとしてるけど本当は寂しがり屋な子なの。結構、可愛げがあるのよ。あと、信頼をした人には忠実よ。だから、大切に守ってあげてね」


「わかりました」


 このレストランのおばさん曰くエルシーはいわゆるツンデレってやつらしい。


 おばさんはしっかりとエルシーの人間性を見ていた。


 おばさんにそう言われたエルシーはどれ程この店に通っていたのやら。


 そうとうの常連ともとれる。


「ありがとう。仁くん」


「何よ、仁ったら。わかりましたなんて言っちゃってさ。でも、本当に......。守ってくれるのかな......」


「エルシー、なんか言ったか? 」


「うーうん。なんでもない」


 少し顔を赤らめ、エルシーは頬を膨らませる。


「そうか」


 何やら美味しそうな匂いが漂ってきた。


「はぁ〜い、おまち。当店、自慢のオススメ。マグマチキンよ。オリジナルなの」


 めちゃくちゃうまそうな料理だ。現世で聞いたことがない。


 トマトソースで煮込んだ鶏肉といったところ。


「何だ、この味は、うまい。うますぎる。

腹が減りすぎていたのもあるが、それにしてもうまい」


「あら、嬉しいは〜。ありがとうね」


「こちらこそです。こんなにもおいしい料理を作っていただいて、感謝です」


「ね! 私が行きつけの店に間違いはないでしょ~! 」


「あぁ、本当だ。ありがとな、エルシー」


「まぁ、私の目に狂いはないからね。他にも、武器屋や装備屋なんかも教えてあげる」


「いいのか? 」


 エルシーはなんでも知っているな。


「当然よ。だって、仲間だもん」


「......」


 ポツリ。


 なぜだろう。自然と涙が目から1滴流れた。

その理由はなんとなく。いや、確実に分かっている。


 そう、現世からずっと孤独だった。


 今思えば、自分の中で満たされていなかったなにかが今、満たされたからだ。


 悲しみと喜びがあいまっている複雑な感情だが、その中にある喜びが僕の中にある満たされなかった欲にすっぽりとはまっているのだ。


「ありがとう。エルシー、仲間と言ってくれて......」


「どうしたの仁? なんか、変だよ? 私にできることがあったら何でも言って」


「分かった。じゃあ、今から話すことを信じてくれ」


「信じてるよ、仁」


「僕は、この世界に来る前は別の世界にいた

んだ。そして、この世界に来たのは、僕が生きていた世界で、事故にあって、死んだからなんだ。それと、別の世界では、僕はまわりとなじめず、孤独だったんだ。だから嬉しくて、つい......」


 エルシーには打ち明けてもいいと思い死ぬ前の世界の僕の過去を話した。


 やっぱりいつもの僕とは何か違う。


 いつもならこんなこと話さないし話さないとも思わないのに、なぜだろう。


 エルシーなら信頼できるとなぜか思える僕がいた。


「そうだったんだ。でも、大丈夫。今は私やおばちゃんもいるから! 」


「ありがとう」


「だから、辛かったらいつでも泣いて。その時は私が守ってあげるから! 」


「エルシーも立派になったんだね~」


「あたりまえよ!私エルシーなんだから! 」


 こうして、仁の過去を打ち明け、より深い

関係の仲間となりました。


 そして、何より仁が過去との向き合いにも成功することができた。


 また、仁の心の中に新たな感情が生まれました。


「さて料理も食べたことだし、宿の手配でも

するか? 」


「そうね! 」


「じゃあ、お代はいくらですか? 」


「そうね、銀貨3枚ね」


「金貨1枚で、おつりをいただけますか?」

「いいわよ!なら、おつりは大銀貨9枚と銀貨7枚ね」


「ありがとうございます」


 所持金:金貨2枚、大銀貨9枚、銀貨7枚。


「いーえー」


「では、また!」


「あいよー」


「おばちゃん、ごちそうさま」


 こうして、店を出てしばらく会話をしながらあるいていると、お金の価値についての仕組みをよく理解することができた。


簡単に説明すると。

銅貨10枚で大銅貨1枚

大銅貨10枚で銀貨1枚

銀貨10枚で大銀貨1枚

大銀貨10枚で金貨1枚

金貨10枚で大金貨1枚という仕組みだ。

他に、すごく価値の高い希少な貨幣があるらしいが今はいいとしておこう。


 にしても、この世界はよくできている。

こんなふうに色々な情報を理解していかなければならない。


 正直、魔王はその後にしよう。


 あと、役職の神様の件だが、今はまだなることができないからな。


 おいおい頑張るとしよう!

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