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呪いの薔薇  作者: mitoka
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呪いの薔薇~ホワイトサイド~

 美しくも醜くもなれる魔女が、嘘偽りの無い本来あるべき姿で王子様に心からの思いを告げ、美しくない事から手酷く失恋し、王子様を野獣に変え、失恋の傷が癒えるまではと、旅に出ていました。


 ある日の事です。魔女は[100年間、眠り姫を護っていた薔薇]に出会います。薔薇は茨姫を護りながら姫君に恋心を抱き…、王子様に姫君を奪われてから辛く悲しい日々を送り…、その強い思いから、自らの淡い色の薔薇花より、妖精の少年を生み出していました……。

薔薇は恋した面影を求め、天高く、幅広く枝を伸ばして領域を広げ続け、

生み出された妖精の少年は純粋に恋する心を歌にして、恋する相手に届く様に風に乗せて歌っています。

「ラプンツェルの王子様の目を刺した茨の子株は、恋を知ったのね」

その薔薇の[恋した相手の幸せを祈る歌]を耳にし、魔女は癒されました。


 この時になって魔女は、自らの恋慕を受け継がせた薔薇の事が気になり出します。魔女は胸に抱いてしまった靄を晴らす為、呪いの媒体にした薔薇の様子を見に、恋した王子の住む城へ向かいました。

その道中、魔女は、自分が呪いを掛けた王子が100年も前に[真実の愛]を見付け幸せになっていた事を知ります。

「そうなんだ…(彼は運命の相手に出会えたのね)…。」

魔女は複雑な思いの籠った溜息を吐き、古くなって放棄されてしまった城の中庭にやって来ました。

この場所は、魔女が王子に思いを告げ、心砕かれた場所です。


 この場所では、魔女の恋慕を受け継いだ、深紅の髪を持つ薔薇の妖精の少女が生まれていました。

彼女は受け継いだ恋慕の為に、真実の愛を見付けたビーストの姿に恋をし、その姿を継承する子孫に対しても、忍ぶ恋を抱き続けていました。彼の者達が古くなった城を捨てた今でも、[茨姫に恋する薔薇]同様、愛しい面影を求め、天高く、幅広く枝を伸ばし、彼の者達の幸せを祈る歌を歌っています。


 魔女は「こんな愛し方もあるのだな…」と、その恋心に感銘を受け…、「美しき心を持つ茨の精よ!その恋を…、その愛を…、御前達が咲かせる美しい花の様に謳歌させると良いだろう!」と言って…、古城を美しかった頃の姿に甦らせ…、咲いている花達を使用人として人化させ…、妖精には人化の魔法以外に、人として幸せになれる手段と方法を与えました……。


 奇しくも今日は、異国で舞踏会が行われる日です。茨姫の子孫も、魔法で野獣の姿に変えられた事のある王子の子孫も、その舞踏会に参加する事でしょう。

「私が総て(ライバルを排除して)準備を整えて上げるから、臆さず茨の馬車で意中の相手に出会いに行きなさい。ちゃんと恋する思いを伝えて来るのですよ!」

魔女は2人薔薇の妖精を人の姿で人間の舞踏会に送り出し、主催元の王子に茨姫の子孫以外の女達の気持ちを集め、シンデレラに魔法で野獣の姿に変えられた事のある王子の子孫以外の男達の視線を集めました。


 こうして仕組まれた壇上で、オールドローズの妖精達は、香りと大輪に咲き誇る美しさを人としての魅力に昇華させ、相手を恋に落とし、自らも恋に溺れました。妖精達の恋はやっと成就したのです。

魔女は自分が叶えら得なかった恋を[自らの恋慕を受け継がせた薔薇]の妖精が叶え、少し、自分の昔の恋心が報われた気がしました。でも、ココからは魔女が妖精達に手を貸す事はありません。

例え、相手方の両親から反対されても、それぞれの茨の城が護ってくれます。魔女の出番は終わったのです。魔女は満足して去って行きました。


妖精達の幸せはこれから、愛する者が死ぬまで続きます。

薔薇の妖精達は、愛する者の死後…、愛する者の墓に寄り添い…、茨に戻って気が済むまで、墓を護り続けました……。誰かが、悪い魔女の呪いを解く為、茨を編んでシャツの上に着るベストを作ってしまうまで、茨は愛する者の墓を囲っていたそうです。

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