籠の中の鳥
”来世は鳥になって
自由に空を翔びたい──”
あるところに、そう願った少年がいました。
少年は、自分ではどうにもできないところで、その生き方を、将来を、性格を、言葉を、側に侍る人を、行うべき目標を決められていました。決められた「道」から外れてはなりませんでした。何度も反抗して、自由を欲して、そして悟ってしまったのです。自分がどう足掻こうとも望まれたように、決められたようにしか生きれないということに。深い絶望にも似た諦観を抱きながら、唯一強制されない思考の中、少年は願いました。
”来世は鳥になって
自由に空を翔びたい──”
と。
叶わないと知りながら、それでも願わずには居られませんでした。