2話
文がかなり読みづらくなっておりすみませんm(_ _)m
どうやればいいんだろう...(^_^;)
1941年12月8日
「...では、報告を聞こうか。」
呻くような重い声でそう発した人物は、現内閣総理大臣『田中宗爾』首相である。いつもは穏和な顔立ちに人を安心させる笑みを浮かべており好々爺然とした雰囲気を持つこの男、今回急に起きた海外との連絡の途絶と言った緊急事態や、その直前まで合衆国との開戦について思い詰めていたこともあり精神的にかなり疲弊していた。ただそれはこの部屋いる誰も似たような物であり室内は、陰鬱とした空気に染まっていた。
ここの会議室には今回の緊急事態のために急遽集められた各大臣や陸海軍の高官らが出そろっており、皆が現状についてほとんど理解していなかった。
「はい、それでは海軍航空隊による航空偵察による結果を報告させていただきます。」
そんな中、平坦な声色で結果報告を述べる伝令の海軍士官の言葉に彼らは一旦気持ちを入れ替えた。
「本日状況解明のため周辺海域を偵察中の第一航空艦隊より一六時三十二分に報告が本国へと届きました。内容は『近海の海を偵察したところ中華大陸は見当たらず、代わりに未確認の島を発見した』。とのことで、それだけではなく島内では我々に限りなく近いレベルの文明が確認されたとのことです。偵察機はその島内勢力のものと思わしき航空機による迎撃を受けたため母艦のある第一航空艦隊へ帰投したとのことです。
以上のことを踏まえますと、全くもって信じがたいことではありますが、我々は元のいた世界とは別の世界へと飛ばされたのではかとの結論に至りました。」
「冗談も大概にしたまえ!!!」
余りに滑稽で予想外の報告に声を張り上げる郷田正太郎陸軍大臣。だが彼としてもこれらの報告を聞くと信じざるを得ないのだが陸軍は海軍の一航艦(第一航空艦隊)のように大陸に展開していた軍が本国に戻ってくると言うようなことにならず110万人もの将兵を失っており、そんな中異世界へと飛ばされたと言う絶望的な現実を認めたくなかったのである。
「落ち着くんだ郷田君。今は状況の否定でも原因の究明でもなくこの未曾有の国家の非常時をどう乗り越えるか話し合おう。まず海軍の航空機が見つけた島についてだが外交団派遣の準備を。飯原くん、よろしく頼むよ。」
田中首相はそう言って郷田を落ち着かせた後隣に座っていた飯原外務大臣にそう指示を出した。
「了解しました。ですが我々とは言語が全く違うだろうと思われますし何より彼らに対し不可抗力とはいえ領空侵犯をしております。交渉がスムーズに行く可能性はかなり低いかと...」
飯原は了解の意を示したもののやや弱気な口調で返答した。
「それでもやらねばならないだろう。なにせ元の世界では食糧や石油資源や工業に必要な物のほとんどを海外から輸入していたんだ。この世界でいち早くそれらの代わりとなる国と接触を持たなければ。」
産業大臣の江藤典明にそう言われ、飯原も覚悟を決めた表情となる。
そう帝国では食料の三割石油や鉄鋼などに至っては九割以上を輸入でまかなっていたのだ。
「そういえば迎撃にきたむこうの航空機から逃げ切れたと言うことは我々と同程度の技術と言うことかな?」
「完全に互角であると決めつけるには判断材料が今のところ足りませんが少なくとも航空技術に関しましてはそう考えてもよろしいかと。」
伝令の海軍士官に聞いたところやっと安心できる情報が聞けたからかわずかに室内の空気が弛緩する。
「それじゃあ、今後の方針として近海に存在する島への外交団派遣と国民に今現在の状況を伝えた上で
石油や資源の節約を呼びかけよう。あと全国の治安が悪化した場合市備えるよう警察にもよびかるように。以上のことに何か異議は?」
「「異議なし」」
こうして異世界へと飛ばされるという非常識な事態に困惑しつつも朝日帝国は少しずつ動き出した。