街へ
この世界での4日目だ。
今日は訓練をしている。
木剣や木槍を使っての訓練だが、マリアンやルーナにも勝てない。
組討ちでならジェシカに勝てるくらいだ。
剣、槍、弓矢、短剣等色々試す。
その結果、武器が決まった。
木で削りだした棒。これを振る時は体の軸が安定して、下半身もぶれない。
・・・・。
バットじゃねぇか!!
そりゃ振り慣れてるよ。
シックリくるよ!
でも、なんで「ひのきのぼう」なんだよ!
いや、実際はひのきじゃないけど。
後は木刀。
はい、木の装備ですね。シリーズですね。
悲しくなってきた。
後は鉈とナイフを数本装備する。
リーチのある槍も持つ。
突くのではなく振り回す。
自分に突く技術はない。
最後は皮を張った盾。
守り大事。
本日のガチャをしないとね。出でよ!有名武将!!
またCでした。
C「稲津重政」
「伊東家臣。若くして家老を勤めた。関ヶ原の戦いの際に日向で伊東軍を指揮した。後に家中で孤立して稲津の乱を起こした。」
とりあえず戦いに向いた人材っぽい。
具現化を行う。
「稲津重政、推参いたした。」
馬にまたがった30手前くらいの武者だ。
槍を脇に構えている。
これで戦力は万見仙千代、本多忠純、稲津重政の3人になった。
玄広恵探?
彼は戦力外です。
万見仙千代を護衛に玄広恵探、稲津重政を連れて村近くの林に入る。畑を荒らすヨロイムシの討伐だ。
堅い外皮を持つ2メートルくらいの芋虫みたいな生き物だ。
動きは鈍いが防御力がとても高い。
このヨロイムシを鈍器でひたすら殴る。
殴る。殴る。
4匹を倒す頃には夕方になっていた。
これでレベル2。
早めに戻って仮眠をとる。
狼は夜行性。見張りの手伝いだけでもする。
結局この夜も何も起こらなかった。
5日目の朝を迎える。欠伸をしながら寝る。
おやすみなさい。
昼過ぎに起床をすると村長に呼ばれた。
街に向かった村人が戻ってきたという。
計算が合わないと思ったら辻馬車を使ったという。
銀貨80枚を受け取る。
そして問題が発生していた。
領主に軍を派遣する余裕がなかったのだ。
村の防衛から狼討伐へ依頼が変わりそうになる。
だが断る。
マリアン達が引き受けた飢狼討伐は群れの規模から金貨10枚が報酬であった。だから50人で受けた。
1人銀貨20枚。大儲けである。
それが黒狼討伐なら金貨40枚でもおかしくはないそうだ。
しかし、村の予算では銀貨20枚も出せないと言う。。
つまり、タダ働きに近くなる。
さらに黒狼の死体。村に総額銀貨10枚で売った。
だが、マリアン達によると街なら黒狼1体で銀貨10枚はするそうだ。その黒狼の死体を街に持って行ったのはマリアン達が確認している。
渡した死体は20体以上。つまり銀貨200枚以上、金貨2枚分。
価値がわからぬ若僧、お人好しの若僧、と利用されたわけだ。
そしてこちらには怪我人もいる。矢も少ない。
来るはずの軍が来ないのならすぐに出立すると伝える。
慌てた村長が報酬を吊り上げていく。
金貨2枚まで値があがる。
悪いが利用されて命を失うわけにはいかない。
交渉決裂後、すぐに村を出る。
怪我人がいるため4日をかけて街を目指す。
道中での具現化は保留する。
街へは4日で着いた。
この街は入場税はいらないという。
街についてマリアン達が確認した事は奴隷の値段だった。投降した戦士は銀貨150枚だったそうだ。
つまり銀貨70枚を中抜きされていた。
村人はいい人が多かったが、村の幹部は信用してはいけなかった。したたかでないと生きていけないのか。
宿をとる。大人8人。馬1匹。
4人部屋2つと馬小屋利用料。そして朝食と飼い葉をつけて1泊銀貨5枚。
10日分を前払いする事で値引きをしてもらっている。
これで残金は銀貨30枚。
矢の補充と予備の購入、薬草・傷薬の購入で銀貨5枚を使う。後は昼食と晩御飯でお金が出ていく。
しばらくはこの街を拠点に稼がないと。