村での滞在
村からの依頼で出発が延びる事になった。
領主が護衛軍を派遣するまでの村の防衛である。
村長が軍派遣の正式な依頼を領主に出すと言う。
報酬は宿泊場所と食事。そして10日銀貨5枚。
この村の予算ではこれ以上は無理だと言う。
投降した戦士の役人への引き渡しは村に任せた。
数日で銀貨が届くはずだ。
3人の女戦士は書類だけ街に送ってもらった。
これで法的には犯罪奴隷になるという。
後は奴隷契約だがこれは旅の奴隷商人が解決してくれた。毎年、各地を回って奴隷を買っているらしい。彼の契約魔法によって3人が正式な奴隷になった。彼女達には自傷行為や主人への敵対行為ができないようになっている。
そして必要な物を買い足す。
問題は仙千代の使う矢だった。
この村では短弓用の矢しかなく、補充ができなかったのだ。
3人の女達から狼討伐について聞く。
本来はこの村からだいぶ離れた場所で討伐をしていたらしい。逃げる狼を追っていたら街道沿いの草原での戦闘になり敗北したようだ。
「狼に嵌められましたね。」
仙千代の指摘通りなのかも知れない。
討伐対象は飢狼のはずが、黒狼という上位種だったという。マリアンの槍は貫通せず、ジェシカの短弓の矢では傷つけられず、ルーナの剣では狼の筋肉に跳ね返されたそうだ。
それを撃退した仙千代と忠純って一体何なんだろう。
黒狼の撃退で2人共レベルは20台になっていた。
しかし万見仙千代は矢が尽きかけ、接近戦をせざるえない。本多忠純は低レベルの時に黒狼から受けた傷が酷い。本人が何ともないと言っていたために気付かなかった。
ほんの数時間で方針変更だが具現化が必要だ。
朝引いたカードを具現化しよう。
女達から離れて具現化を行う。
C「玄広恵探」
「今川氏親の子。今川義元と家督を争い花倉の乱を起こした。争いに敗れて自害した。」
図柄はお坊さんである。
だめかも知れない。
「お呼びか。」
現れたのはやはり坊さん。
僧の嗜みとして薙刀は使えるが、自ら戦うのは苦手という。
しかし!!彼は魔法が使えた!!
仏門に入っていたからか。
光魔法。
彼から放たれた光球が辺りを照らす。
照らす。
照らす。
以上。
レベルも光魔法スキルも1の彼はすでにグッタリしている。
やっぱりだめかも知れない。
すでに日が沈もうとしている。
その夜も4人共獣になりました。
「昨夜もお楽しみでしたね。」
なんだろう。万見仙千代が怖い。