こんな事もあろうかと
700万Gと248万Mを使っての戦力増強を狙う。
今までは身の丈に合った装備を考えていたが、ドラゴンゾンビ戦の後に思った。
「こんな事もあろうかと～」
そう言って準備万端である事は大事なのだと。
使いこなせない装備を持ってもとか、珍しい装備を持ったら目立つとか考えていた自分を叱りたい。
まずは便利グッズ
「自在収納リング」
リングを装備する事で物の出し入れが自在にできます。収納物の時間も停止しますので中身が腐る事もありません。中の空間は9つに別れた別空間で各空間の広さもゆったり。
次に装備品も自重はやめた。アイテムや切り札となりうる商品を買う。自在に収納リングに入れておけば持ち運びも簡単だ。
半額以下の品だがそれでも600万Gとなった。
さらにこの世界にない嗜好品や生薬も購入していく。それに各魔法の入門書や必要な道具も購入した。
気付けば2万Gしか残っていない。
そして悪ゾンでも購入する。
本当に切り札というよりジョーカーと言える奴隷を2体購入。装備品込みで200万M。半額以下でこのお値段！！ちなみに男のハイエルフが2万Mなのでいかに高いかが解って貰えると思う。封印された状態でのお届けとなっている。
40万Mで「幻影の館」も購入した。魔剣と妖刀を1本ずつ買ったら7万Mしか残らなかった。
以前マグリットから貰っていた刀を1本腰にぶら下げて都市を歩く。街の中心に近付けば近付くほど壊れた建物が増えていく。あちこちから「食料が足りない」「薬草が足りない」「包帯が足りない」「人手が足りない」と言う声が聞こえる。
神殿には怪我人が列を成していて近づけなさそうだ。ここでも薬草が足りない等の声が聞かれた。
薬草はそのままでも使用はできる。だが調合をすれば高い効果を持つ傷薬となる。ポーションともなればさらに高い効果を誇るが庶民が目にする事はない。探索者も都市の外で薬草を収穫しているが数に限りがあった。そして薬草では助けられない患者も沢山いる。
ポーションを持っていたため、薬草を収穫する事はあっても傷薬を買う事はなかった。自重？止めたんだったね。１度部屋に戻る。
電脳携帯版(試作)を起動する。
時の流れが止まり、目の前に画面が浮かび上がる。
この状態で動かせるのは顔と右手だけだ。
神ラインショッピングでは安くて小さい商品が表示されている。高額商品や大型の商品は掲載されていない。薬草、傷薬、ガーゼ、包帯を注文する。
さらには清浄な水も樽で注文。
電脳が終わると目前に商品があった。
家にいたドワーフ3人に荷車を引かせて神殿に突撃！！それを4回する頃には日が沈んでいた。
次の日も同じだ。購入、運搬、購入、運搬の繰り返し。さすがに人の前でスキルを使うつもりはない。
夜になって気付く。女性達に会っていない。
うっかりしていた。平井信正が借りた宿で面会した。無事で良かった。1人1人を抱き締める。
阿南と妙林尼の2人からも報告があった。
女達を拐おうとする良からぬ連中がいると言う。
幼い者達だけでも避難させてはと言われる。
さらにダークエルフを寄越せ。鬼人族を寄越せという貴族や金持ちの強引な使者も多くなったという。
宿の中庭で「幻影の館」を起動する。
霧が立ち込める。前方には灯りが灯った館が姿を現す。幼い者やエロメイド、ダークエルフや鬼人族の親子など狙われ易い人を避難させる。幻影の館のまとめは阿南に任せた。
国王様から贈られた女性達を避難させれば騒ぎになると言われたために呼んでいない。
宿に残ったのは国王様から贈られた女性達と、妙林尼。マリアン、ジェシカ、ルーナの3人。左目と左腕のない女剣士。元将軍と元騎士である。
家に戻って再び悪ゾンを覗く。
俺は奴隷好きなんだろう。そして何よりも厄介事が起きてもいいように人を集めておくべきだろう。
天使族5万M、魔族1万Mで購入。人族は飽和状態で値崩れをおこしている。将軍や魔女でも500M程度。買えるだけ買った。今回も購入特典で女騎士が数人無料で付いてきた。どんだけ余っているんだ女騎士。
翌朝には奴隷も届いていたが、厄介な事になる前に幻影の館に送り出す。家に滞在させても食事の準備等できない。今は各自で適当に済ませるだけで精一杯だ。
強くなりたい。誰よりも。
