エピローグ
ひどく短いですが、これで本当に三章は終わり、四章で会いましょう
踊る刃グラジオラスは黒髪の美女である。
電磁粒子剣と言う、金属粒子を噴き出して回転させ、チェーンソーのように相手を切り裂く武器を好んで使う、サバトの剣士だった。
側頭部で一本にまとめたサイドポニーと、ツンと上を向いた巨乳を持つ、背の高い美女である。
『ホントにいいのかしら、グラジオラス』
そんな美女が、立体映像を投射する巨大通信機を兼ね備えた円卓に座っており、彼女以外空席のはずの円卓には、立体映像が座っている。
「構いやしない。ワタシにとっても、願ってもない好機だ」
電磁粒子剣の柄を弄びながら、グラジオラスは答えた。
女性にしては低く、耳心地の良い声だ。
仏頂面の彼女を見て、彼女の安堵を気にした様子の立体映像、ナイトメアリリィが笑みを溢す。
『まぁ、こっちとしても彼を殺してくれるのはありがたいわ♪ 後、私達のクイーンも忘れないで欲しいのだけど、大丈夫かしら』
サバトの目的はジークの殺害はあくまでもオマケであり、本来は彼の傍に居るクイーンの確保が目的だ。それを忘れるなと、わざわざ釘を刺すあたり、ナイトメアリリィの性格は悪い。
「わかってるよ。貴様が態々こっちに寄越してきた傭兵だっている。確保はそいつ等にやらせるよ」
『あーら、そう? それじゃ、二人とも、グラジオラスの事を頼みますわ』
ナイトメアリリィがそう声をかけると、グラジオラスの背後に控えていた二人組が、のんびりと頷いた。どちらのマイペースな人間で、リリィは少し不安になってしまう。
しかし、失敗するにせよ、成功するにせよ、リリィとしてはどっちでもいい。今は、グラジオラスの悪夢が心地よかった。
『それじゃ、武運長久を期待していますね! 同志!』
そう言うなり、リリィは通信を切ってしまう。
グラジオラスはそんなリリィを鼻で笑って、紙巻煙草を口に咥えた。
「いやらしいんだよ。売女が」
椅子の背もたれに寄りかかって、煙草をぷかぷかと吹かす彼女の眼には、強い憎悪が宿っている。
彼女には、ジークを直接殺さないといけない訳があるのだ。
サバトの夜は更けていく。
次章予告ぅ!!
千葉の街でぶつかるサイハテとグラジオラス!
お互い一切引かない戦いの中で、グラジオラスは小さな子供を突き出してこう言い放つ。
「いい加減、認知しろ」
どうするサイハテ!
サイハテは過去の罪を償わなければならないのか!
陽子とレアの冷たい視線が背に突き刺さる!
次章! サイハテ、パパになる! 絶対見ろよな!
嘘です。