表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末世界を変態が行く  作者: 亜細万
四章:かつての街で
113/284

ユニークアクセス三万人突破記念:陽子がサイハテに勝負を挑むようです

友人監修の記念小話。


話が飛ぶのは、ポーカーで一枚一枚服を剥いでいく描写をしたら、生々しいとの事。

「勝負よ!」


 ワンダラータウンの廃屋で、トランプを突き出しながら、陽子が言った。

 包帯が取れてきたサイハテは怪訝な表情を隠さずに、彼女を見つめる。


「なんの勝負だ」


 トランプを出されても、何で戦うか、分からない。

 時折陽子はこう言った突拍子もない行動を起こし、サイハテを困惑させる事が、多々あった。

 聞き返されると、陽子は僅かに頬を朱に染めて、何か迷っているかのような挙動を見せ、返答する。


「だ、脱衣ポーカー……」

「……………………………………………………………………あのなぁ」


 砕けた方の手で顎を掻いてしまい、再び体を硬直させるサイハテだが、硬直時間は短くなってきており、治癒速度の速さをうかがわせた。


変態()の真似をしても、君が損をするだけだぞ」


 損以外はない業であり、その道を歩もうとする若人が居たら、サイハテは全力で止めるだろう。


「ち、違うわよ! あんたこう言う(変態っぽい)のがかかってないと、本気で遊ばないでしょ!?」


 あんまりな言い分に絶句してしまう。

 彼女の中で、サイハテのイメージは一体どうなっているのか、一度聞いてみたいと思ったくらいだ。


「……まぁ、いい。そう来るなら、俺は本気で行かせて貰う。所で君の腕前はどんな物なんだ?」


 いつものように揶揄いたい所ではあるが、あんまり弄りすぎると、彼女は怒ってしまう。

 その時にお仕置きされるのはいつもサイハテで、普段なら寧ろご褒美なのだが、今の状態では直接命に関わりかねない。

 彼の問いに、少女は得意満面の笑みでカードを扇状に開くと、それで顔を扇いで見せた。


「当然、私は強いわよ。勝負の勘って、外れた事がないの」


 凄い自信だ。

 それならば、本気で戦う他ないなと、サイハテは悪い笑みを浮かべる。


「そうか、じゃあテーブルに着くんだなお嬢さん。俺が誰だか教えてやろう」


 席に着いたサイハテは、少し盛り上げる意味でも、挑発して見せた。

 挑発を受けた陽子は口角を上げると、この世界では初めて好戦的な笑顔を浮かべる。


「それじゃあ勝負よ! 負けないんだから!」


 強気な表情で卓に着く彼女を見て、これからその表情を曇らせると思うと、少しばかり忍びない。しかし、これも勝負の決まり事でもある。

 サイハテは大人げなく本気を出して勝ちにいく事を決めた。








 そして十分後。

 パンツ一丁になった陽子は涙目になっていた。


「あ、あうあう……」


 羞恥に顔を染め、大して膨らんでもいない胸を隠して、震えている。

 サイハテには、陽子が持っている手札の中身が、全てわかっており、それがツーペアで、こちらがフルハウスである事も理解していた。

 そもそもだ。

 元スパイであるサイハテが、イカサマをしないとでも思っていたのであろうか。

 陽子が勝負に出たときは、悉く裏目に出るように仕向けたので、彼女の自身は木っ端微塵である。


「さぁ、どうする? ここで止めれば、君は最後の防衛線を守る事が出来る……それともなんだ。今日一日、素っ裸で過ごすか?」


 文字通りポーカーフェイスになっているサイハテを、陽子は涙目で睨んだ。

 そんな恰好で睨まれても、情欲が増すだけだと何故わからないのか。


「……まだよ、まだカードは引ける。私はそこまであきらめない!」


 彼女は三枚の手札を捨てて、カードを引き、サイハテはため息を吐いた。

 次にカードを引いた時、彼女の手札はフォーカードになる、フルハウスの手札で、彼女には勝てない。全く持って、恐ろしい引きである。


「そして私の……ぱ、ぱぱ、パンツをレイズ! 勝負よ!!」


 叩き付けられるフォーカード、サイハテが賭けているのは、彼女からはぎ取ったブラジャーだ。

 サイハテは、まるで君には負けたよ的な表情をしながら、容赦なくすり替えたストレートフラッシュを叩きつけた。


「俺の勝ちだな。さぁ、今日一日素っ裸で過ごして貰おうか」

「え、ええー!?」


 パンツを神速ではぎ取られた陽子が、素っ頓狂な声を上げながら地面に沈んだ。

 いくら日を浴びても、白い肌が輝いている。

 亀のように縮こまった陽子の、白い背中と、大きくなり始めた臀部がまぶしい。

 大事なところは全て隠されているが、これはこれで眼福だ。サイハテは戦利品たるパンツを咀嚼して飲み込み、拳を天に突き上げた。


「まった!」


 勝利の余韻に浸ろうとした所、抑揚のない声で水を差されてしまう。

 声の方向に振り返ると、いつも通り眠そうな目をしたレアが、カードを持って立っている。


「つぎは、ぼくとしょーぶ」


 哀れな犠牲者が、またサイハテの虎穴へと入らんとしていた。

 繕い物をしながら見つめていたハルカが、呆れたような視線を向けてはいる。しかし、止める事はなく、そう言った経験もいい物だと判断したのだろう。


「いいだろう、俺の服一枚事に、陽子の服も同じ部位を返してやる。だが、俺が勝ったら……うーん?」


 ノリと勢いでそうは行ってみたが、あんまりな物を要求しては可哀想だと、今更思い始めるサイハテ。

 しばし悩んだ末、思い付いたのは、やはりろくでもない事だった。


「そうだ、二人とも膝の上で猫のようにかわいがってやる」


 当然、全裸でだ。

 蒼白になる陽子と、何するものぞと鼻息荒いレアは、随分と対象的である。


「のぞむ、ところ……!」

「え、ちょっと、望まないで!」


 陽子が悲鳴に近い静止をするが、時既に遅く、レアとサイハテの勝負は既に始まっていた。







 五分後。

 サイハテは素っ裸で膝の上に丸まる、レアの背を撫でていた。

 幼女は羞恥と屈辱で震えてはいるが、声を荒げる事はしない。荒げたらお尻を叩かれた陽子の例があるからだ。


「……うむ、満足満足」

「うぐぐぐ……」


 お尻を撫でられながら、レアは復讐を誓う。

 真っ赤になったお尻を抑えながら、陽子は絶対同じ勝負を仕掛けるのはやめようと、深く心に刻むのだった。

そろそろ尻ぐらい触っても許される!


と、友人に熱弁されたので書いた話。

幼女の尻がそんなにいいのですかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ