ユニークアクセス三万人突破記念:陽子がサイハテに勝負を挑むようです
友人監修の記念小話。
話が飛ぶのは、ポーカーで一枚一枚服を剥いでいく描写をしたら、生々しいとの事。
「勝負よ!」
ワンダラータウンの廃屋で、トランプを突き出しながら、陽子が言った。
包帯が取れてきたサイハテは怪訝な表情を隠さずに、彼女を見つめる。
「なんの勝負だ」
トランプを出されても、何で戦うか、分からない。
時折陽子はこう言った突拍子もない行動を起こし、サイハテを困惑させる事が、多々あった。
聞き返されると、陽子は僅かに頬を朱に染めて、何か迷っているかのような挙動を見せ、返答する。
「だ、脱衣ポーカー……」
「……………………………………………………………………あのなぁ」
砕けた方の手で顎を掻いてしまい、再び体を硬直させるサイハテだが、硬直時間は短くなってきており、治癒速度の速さをうかがわせた。
「変態の真似をしても、君が損をするだけだぞ」
損以外はない業であり、その道を歩もうとする若人が居たら、サイハテは全力で止めるだろう。
「ち、違うわよ! あんたこう言うのがかかってないと、本気で遊ばないでしょ!?」
あんまりな言い分に絶句してしまう。
彼女の中で、サイハテのイメージは一体どうなっているのか、一度聞いてみたいと思ったくらいだ。
「……まぁ、いい。そう来るなら、俺は本気で行かせて貰う。所で君の腕前はどんな物なんだ?」
いつものように揶揄いたい所ではあるが、あんまり弄りすぎると、彼女は怒ってしまう。
その時にお仕置きされるのはいつもサイハテで、普段なら寧ろご褒美なのだが、今の状態では直接命に関わりかねない。
彼の問いに、少女は得意満面の笑みでカードを扇状に開くと、それで顔を扇いで見せた。
「当然、私は強いわよ。勝負の勘って、外れた事がないの」
凄い自信だ。
それならば、本気で戦う他ないなと、サイハテは悪い笑みを浮かべる。
「そうか、じゃあテーブルに着くんだなお嬢さん。俺が誰だか教えてやろう」
席に着いたサイハテは、少し盛り上げる意味でも、挑発して見せた。
挑発を受けた陽子は口角を上げると、この世界では初めて好戦的な笑顔を浮かべる。
「それじゃあ勝負よ! 負けないんだから!」
強気な表情で卓に着く彼女を見て、これからその表情を曇らせると思うと、少しばかり忍びない。しかし、これも勝負の決まり事でもある。
サイハテは大人げなく本気を出して勝ちにいく事を決めた。
そして十分後。
パンツ一丁になった陽子は涙目になっていた。
「あ、あうあう……」
羞恥に顔を染め、大して膨らんでもいない胸を隠して、震えている。
サイハテには、陽子が持っている手札の中身が、全てわかっており、それがツーペアで、こちらがフルハウスである事も理解していた。
そもそもだ。
元スパイであるサイハテが、イカサマをしないとでも思っていたのであろうか。
陽子が勝負に出たときは、悉く裏目に出るように仕向けたので、彼女の自身は木っ端微塵である。
「さぁ、どうする? ここで止めれば、君は最後の防衛線を守る事が出来る……それともなんだ。今日一日、素っ裸で過ごすか?」
文字通りポーカーフェイスになっているサイハテを、陽子は涙目で睨んだ。
そんな恰好で睨まれても、情欲が増すだけだと何故わからないのか。
「……まだよ、まだカードは引ける。私はそこまであきらめない!」
彼女は三枚の手札を捨てて、カードを引き、サイハテはため息を吐いた。
次にカードを引いた時、彼女の手札はフォーカードになる、フルハウスの手札で、彼女には勝てない。全く持って、恐ろしい引きである。
「そして私の……ぱ、ぱぱ、パンツをレイズ! 勝負よ!!」
叩き付けられるフォーカード、サイハテが賭けているのは、彼女からはぎ取ったブラジャーだ。
サイハテは、まるで君には負けたよ的な表情をしながら、容赦なくすり替えたストレートフラッシュを叩きつけた。
「俺の勝ちだな。さぁ、今日一日素っ裸で過ごして貰おうか」
「え、ええー!?」
パンツを神速ではぎ取られた陽子が、素っ頓狂な声を上げながら地面に沈んだ。
いくら日を浴びても、白い肌が輝いている。
亀のように縮こまった陽子の、白い背中と、大きくなり始めた臀部がまぶしい。
大事なところは全て隠されているが、これはこれで眼福だ。サイハテは戦利品たるパンツを咀嚼して飲み込み、拳を天に突き上げた。
「まった!」
勝利の余韻に浸ろうとした所、抑揚のない声で水を差されてしまう。
声の方向に振り返ると、いつも通り眠そうな目をしたレアが、カードを持って立っている。
「つぎは、ぼくとしょーぶ」
哀れな犠牲者が、またサイハテの虎穴へと入らんとしていた。
繕い物をしながら見つめていたハルカが、呆れたような視線を向けてはいる。しかし、止める事はなく、そう言った経験もいい物だと判断したのだろう。
「いいだろう、俺の服一枚事に、陽子の服も同じ部位を返してやる。だが、俺が勝ったら……うーん?」
ノリと勢いでそうは行ってみたが、あんまりな物を要求しては可哀想だと、今更思い始めるサイハテ。
しばし悩んだ末、思い付いたのは、やはりろくでもない事だった。
「そうだ、二人とも膝の上で猫のようにかわいがってやる」
当然、全裸でだ。
蒼白になる陽子と、何するものぞと鼻息荒いレアは、随分と対象的である。
「のぞむ、ところ……!」
「え、ちょっと、望まないで!」
陽子が悲鳴に近い静止をするが、時既に遅く、レアとサイハテの勝負は既に始まっていた。
五分後。
サイハテは素っ裸で膝の上に丸まる、レアの背を撫でていた。
幼女は羞恥と屈辱で震えてはいるが、声を荒げる事はしない。荒げたらお尻を叩かれた陽子の例があるからだ。
「……うむ、満足満足」
「うぐぐぐ……」
お尻を撫でられながら、レアは復讐を誓う。
真っ赤になったお尻を抑えながら、陽子は絶対同じ勝負を仕掛けるのはやめようと、深く心に刻むのだった。
そろそろ尻ぐらい触っても許される!
と、友人に熱弁されたので書いた話。
幼女の尻がそんなにいいのですかね?