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二十話






会いたかった


触れたかった


毎晩、瞼を閉じるたびに妻を想い


抱きしめ、愛を囁き


そうして朝、陽の光に照され目を覚ますたび


「_______っ、」


……儂は、深い絶望を味わっておった。











「リリィ……」


隣国へ忍び込み、とある古ぼけた宿屋内で儂は人を待っている。

故国では政治に関わりのある職に従事していたこともあり、出国の際には随分と手間取ったが、今は何のしがらみもない只の爺と言う訳じゃ。

屋敷の使用人にも、長期で国外へ出ることの危険性や、戻らぬかもしれぬ旨は説明済みじゃし、何かあれば執事に退職金を渡すよう預けてきたから心配はない。

後はただ一心に、儂の唯一無二である最愛の妻を取り戻すことに専念しよう。

……と、民に紛れ幾日が過ぎようかと言う頃、朗報は彼方からやって来た。











「_____ りぃが……懐妊しておると?」


それは、儂の最愛の妻の居場所と共に……幸福と嵐を予感させる囁きだった。






よぎったのは、儂が忌んだ時の妻と子の未来


愛しているかなど、そんな問いは愚問じゃな


しかし、儂は老いている


彼女を愛し、幸せに、真綿でくるむように、苦しみなど視界にも入らぬように、そう願い手を回したとてこの有り様の己が、この先の未来を約束できようか?


ただ妻を愛し、子を望み、それが叶ったと言うのに……何故こんなにも胸が苦しいのか











あぁ……きみに、早く会いたい



短くてすみません。

ドーラの気持ちを素直にポチポチ書き上げました。

自分は好きで一緒にいたいだけなのに、しがらみとか、年齢的にいつまで守ってあげられるのか考え始めたら切りがないですね。

楽しんで頂ければ幸いです。

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