第1話 ねえ。ねえ。あれはなに?(大きな瞳をきらきらとさせながら)
竜の進化図。竜乗りの少女あんと白い竜の子供のしし。
ねえ。ねえ。あれはなに?(大きな瞳をきらきらとさせながら)
竜の進化図を作ろう。
竜。この世界で最強の種族。その血はさかのぼると一匹の竜にまでさかのぼることができる。
始祖竜と呼ばれるその伝説の竜から現在のたくさんの竜たちまで進化図を描くことができる。その竜の進化図を描くことが竜乗りの家に生まれた私の小さな子供のころからの夢だった。
大きな白い竜にのって空を飛んでいる一人の美しい『竜乗り』の少女がいた。
「ねえねえ。あん。あれはなに?」
大きな白い竜はさっきからそんなことを『とっても可愛い子供の声』であんに聞いている。体はとても大きくて、もう百年くらい生きているみたいに見えるけど、白い竜はまだ『子供の竜』だった。大人の竜はもっともっと大きくなる。それだけでも竜の種族の圧倒的な強さがわかった。(単純に空でも、陸でも、海でも、世界のどこでも一番大きな生きものでもあった)
白い竜の子供はししといった。
あんはししの質問にひとつひとつきちんと答えてあげている。(そうしないと、何度も同じことを聞くからだった)
それから少しして、あんはししにのって空を飛びながら楽しそうに歌を歌いはじめた。(あんは歌が好きだったから、こんなふうによく空を飛びながら歌を歌っていた)
街でとっても流行っているとっても素敵な恋の歌だった。(片思いの歌だったけど)
あんは白い飛行服を着ていて、その下には黒色をした体にぴったりとしている特殊なつくりの防具服を着ていた。それは竜にのって空を飛ぶときに必要になる竜乗りの装備品だった。(風の中をとても速く飛んだり、空の高いところはとても寒かったりするので、竜乗りのための専用の服があった)
竜乗りの目を覆うゴーグルと飛行帽子。それに背中には小さな荷物袋を背負っている。ししの大きな体にはもっと大きな荷物袋がいくつか取り付けられていた。
「素敵な歌だね。もっと歌って!」
「いいよ。でももう『目的地』についたから、帰りのときにね」
にっこりと笑ってあんは言った。
「わかった! 約束だよ」
そう言って、ししはゆっくりと高度を下げていく。
するとそこには深い深い森の中にある『巨大な竜の骨の化石』が見えてきた。
あんがししと一緒に見つけたばかりのまだ誰も知らない、おそらくは新種の見たことのない(これからくわしく調べてみなければわからないけど、たぶん間違いなく)竜の骨の化石だった。
とても大きい。
きっと生きていたなら、国を滅ぼすことだってできたかもそれない。
こんなにすごい力を持っていたのに、どうして古代の竜たちはみんな滅びてしまったのかな? そんなことをししからおりて、久しぶりに大地の上に立って、あんは大きな竜の骨の化石をぐるりと顔を動かして見上げるようにしてみながら思った。(ししもあんの動きを真似るみたいにして、同じように竜の骨の化石をあんまり興味なさそうな瞳をしてぼんやりと見ていた)




