表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生したぼっちJK、陰キャの僕がVtuber事務所で仲間と成長していく話  作者: 月星 星成
朝霧ノア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/122

一期生の二人4

 そして、ラウンドが二十を超えて、敵がかなり強くなってきた。

 ここに至るまで、ボクは何度か死んでしまい、そのたびにニヤさん達に助けて貰っていた。

 弱武器になったティア先輩はともかく、ニヤさんやルミナ先輩は一度も死んでいない。

 その安定感に、僕はただ驚かされるばかりだった。


「どうして、そこまで死なないんですか?」

「うーん。常に周りを警戒して、有利な位置を保っているからかにゃ。それと、単純に反射神経などもあると思うにゃ」

「確かに、ボクはゾンビに殴られてから移動するまで、どうしてもワンテンポ遅れてしまいます」

「それは、きっと慣れていないからだな。最初はみんなそんな感じだから、気にしなくていい」

「嘘つき。ルミナはどうせ、最初から出来てたはず」

「そうだが?」


 ルミナ先輩はあっさりと認めてしまった。


:即答w

:やっぱりルミナは最初から化け物だったか

:ノアのワンテンポ遅れは初心者あるあるだから安心しろ


 やっぱし、ルミナ先輩は天才皇女なんだなぁとしみじみと実感する。

 でも、その称号を得るための努力は並外れたものであるはずだろうし、その努力があるからこそ、今もなお誰にも超えられてない壁になっているのだ。


 ラウンド25


「よし、後五ラウンドにゃ。でも、油断してると負ける可能性があるから、しっかりと気を引き締めるにゃよ」


 そして、いろいろなゾンビが、大量に襲ってくる。

 ここに至るまでに何度も戦った、頭がTNTになっている爆発するゾンビ。カーディアンの頭をしたビームを出すゾンビ。

 それ例外にも、さまざまなゾンビがおり、少し囲まれるだけでHPがかなり削られてしまう。


「っ……囲まれた!」

 

 ボクは必死にショットガンを構えるが、四方から迫るゾンビに押し込まれてしまう。


「ノア、下がれ」

 

 ルミナ先輩が前へ飛び出し、爆発ゾンビを一撃で吹き飛ばす。

 その隙にニヤさんが、ボクを安全な位置へと押し戻した。


「位置取りを忘れるなにゃ! ゾンビの群れに突っ込むのは自殺行為にゃよ!」

 

 ニヤさんの声が鋭く響く。


「……わかりました!」

 

 ボクは息を整え、見渡しも良く、かといって背後からゾンビが湧くことも無い位置に移動する。ここでなら仲間の援護射撃も届きやすく、逃げ道も確保できる。


 ラウンド26


 このラウンドの敵は、オオカミの群れであり、体力こそ低い物の、一発一発が重く、素早くて当てる中々出来ない。

 また、素早いせいで逃げようとしてもすぐに追いつかれ、瞬く間に死んでしまう。

 だから、正面から戦うしか道は残されていなかった。


「まずっ」


 オオカミに囲まれ、死にそうになった時――。


「その程度?」


 ティア先輩の声は冷たく、しかし頼もしかった。

 先輩の獣から放たれた弾丸は、全てオオカミたちに命中し、ボクの周囲に空白を作り出した。


「あ、ありがとうございました」

「……礼はいらない。あと、お祓いに行くべき。ベオも含めて、狼に好かれすぎ」

「ははは……」


 そんなことを言われると、周囲のオオカミたちが莉緒さんのように見えて、かなりきつかった。

 あの人のような性格の悪い人に周囲を核まれてしまうなんて、それこそ地獄のようであった。


「……まぁ、ベオが君のことを好く理由は理解できるけど」


 ラウンド27

 

 今度は、いつも通り少しだけ特殊なゾンビの群れ。

 このラウンドでボクがピンチになることは無く、何の問題も無く切り抜けられた。


 同じく、ラウンド28もゾンビが増えただけ。

 これも、問題なく切り抜け、ラスト二ラウンドまでやって来た。


 そして、ここからが大変だった。


 ラウンド29


 扉という扉から、窓という窓から、ゾンビが一斉に溢れ出した。

 まるで街そのものが敵に変わったかのように、四方八方から呻き声が響き渡る。


「っ……囲まれた!」

 

 ボクはショットガンを構えるが、数が多すぎて処理しきれない。

 一体を吹き飛ばしても、すぐに二体、三体が押し寄せてくる。


 一体一体の強さは変わってないけど、それでも難易度は格段に上がっている。

 これの状況では、一つのミスが死につながっている。

 そして、そんな状況に陥っているのはボクだけではない。むしろ、ボクよりもずっとピンチになっている人もいた。

 

「くっ……」

 

 そうなるのも、当然だ。ティア先輩のゴールドディガーはまだ最大まで強化されておらず、ショットガンなどに比べると、一段落ちる。

 だから、この物量をさばききることが出来ず、ショットガンのリロード時間という明確な隙が出来てしまってる。


 なのに、ティア先輩はまだ生き残っていた。


 ヒットアンドアウェイ。ティア先輩は、囲んでいるゾンビたちの隙間を見つけ、切り抜けていく。

 しかも、ティア先輩にはルミナ先輩やニヤさんほどの技術は無く、常にミスしてしまう可能性もあり、選ぶことが出来る選択肢も少ない。なのに、ティア先輩はまだ生き延びていた。


「凄いな……」


 自分のことで精一杯のはずなのに、ついそんなことを呟いてしまう。

 それほどまでに、ティア先輩は自分の持つ全ての力を引き出していて、尊敬できるほど凄かった。


「ティア」

「……」

そして、今のような状況になることを予測していたのか、ルミナ先輩がいつの間にか移動していて、チームマシーンの前にまで辿り着いていた。そして――。


「今だ」


 チームマシーンで出来ることは三つ。ダウンしている味方を全員蘇生させること。味方全員の弾薬を補充すること。最後に、周囲のモンスターを一瞬で倒すこと。


 ティア先輩は、ルミナ先輩の呼びかけに気付くと、すぐに大量のゾンビを引き連れてチームマシーンの側に向かい、周囲のゾンビを一斉に倒した。


 はたから見ると、決して阿吽の呼吸とは言えない二人。なのに、言葉をほとんど交わさずとも、お互いの考えていることを理解し合い、最高のコンビネーションを成し遂げていた。


「す、すごいにゃ。どうやったら、今みたいなコンビネーションが出来るのにゃ?」


 それは、ニヤさんも思っていたようで、目を丸くして二人に問いかけていた。


「簡単だ。ティアの武器、実力、ラウンド数を理解しておけば、こうなることは想像できる」

「……私はそこまで予想してないけど、ルミナなら絶対に起死回生の一手を打つ。それは、必然のこと。疑う必要が無い」


;す、すげぇ

:ルミナは頭脳で、ティアは信頼で互いに理解し合ってるの良いよな

:たぶん、ベオもこの二人と理解し合っているんだろうな

:あまり仲良さそうに見えないけど、根本的に理解し合ってる一期生の関係は好き


 そして、ラウンド30

 やっと、最後までたどり着いた。


 生まれてくるのは百体のゾンビたち。

 一発一発が重く、数が多い。


「いくにゃよ!」


 ニヤさんの掛け声と同時に、雷が落ちて、周囲のゾンビが倒れる。

 それでも、まだ足りない。


「いけるか?」

「問題ない。私を舐めないで」

 

 先輩たちは、二人で背を合わせて、周囲のゾンビを蹂躙している。

 それを見てしまうと、後輩であるボクも負けれはいられないと思う。

 

 常にゾンビに囲われているけど、ボクが持つ力を全て引き出して見せよう。


「ニヤさん!」

「にゃはは! やっぱし、にゃーたちも負けていられないにゃね!」


 向こうは、頭脳と信頼で支え合うというのなら、ボクたちには絆がある。

 まだ出会ってから、一か月くらいしかたっていないけど、絆には時間という物は関係なく、先輩たちにも負けない絆が――ボクたちをより上へと引き上げる。


「ラスト、三十体にゃ!」


 それと同時に、ボスが現れた。

 そのゾンビは、金の鎧を身に纏っていて、あのオオカミと勝るとも劣らない速度でボクたちに遅いかかる。

 しかも、一撃の強さも、耐久力も、全部今まで戦ったどのゾンビより上なのだ。


「ボクが引きつけます。だから、後は任せました!」


 最初にターゲットにされたのはボク。

 だから、ボスを引き付けるのはボクの役目だし、いつまでたっても守られてばかりじゃダメだから。


『その程度?』


 ラウンド26でオオカミたち囲まれたボクを助けたティア先輩が言った言葉。それはきっと、口下手な彼女なりの発破だったのだろう。

 

 だから、ボクは守られてばかりではないということを――心配する必要は無いということを示さなければならない。

 

 ボスの攻撃をギリギリでかわしながら、ボクは必死に走り回る。

 背後からルミナ先輩の弾丸が鎧を砕き、ティア先輩の精密射撃が隙を突く。

 ニヤさんは、その間残りのゾンビたちを蹂躙して、このボスが最後の一体になった。


(そうだ。《《僕》》は守られてばかりでは駄目なんだ。《《ボク》》は一人で立ち上がることができ、周りに手を差し伸べることが出来る人物じゃないといけないから)


 そして、ボスのHPが残り少なくなる。


「ノアちゃん、最後の一撃は任せたにゃ!」


 その言葉と同時に振り返り、ずっと準備してきた銃身を――ゾンビの額に突き付ける。


「じゃあね」


 引き金を引く

 放たれるのは無数の弾丸

 その全てが額に吸い込まれ――敵を消却する


「勝った……?」


 ボクの声は震えていた。


 画面には大きく【勝利!】の文字が輝いている。

 その瞬間、張り詰めていた空気が一気に解け、仲間たちの笑い声が響く。


「やったにゃ! クリアにゃ!」

 

 ニヤさんが両手を挙げて喜ぶ。


「よくやったな」

 

 ルミナ先輩の声は、いつも冷たかったけど、今だけは優しさのような温かみがあった。


「……ノアは、私の後輩だから、このくらいは当然」


 ティア先輩は口では、そんなことを言ってるけど、今日初めてボクの名前を呼んで、ボクのことを認めていた。


:おおー!

:完全勝利!

:全員に見せ場があった!

:四人とも最高だ!


「ありがとうございます! みんなのおかげで成し遂げることが出来ました!」

「感謝なんてしなくていいにゃ! この勝利はノアちゃんもおかげでもあるから、もっと自分を誇ればいいにゃ! そして、もう時間だから、これで終わりにゃ。先輩方は最後に一言あるにゃ?」


 ニヤさんがそう言うと、最初にルミナ先輩が口を開いた。


「今日初めて後輩たちと関わったのだが、やはり私の後輩だ。これからも辛いことがあるだろうが、歩み続けるがいい」


 次に、ティア先輩。


「言葉は不要。ノア達は私の後輩、その事実だけでいい」


 最後に。


「じゃあ、これでばいばいにゃー!」

「みなさん、ありがとうございました!」





【コラボ】あの一期生の二人のコラボする!

 高評価16,567 低評価32

 チャンネル登録者 27,583人

 再生回数48,921回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ