二期生の二人2
「ユイちゃん、おめでとー!」
「ありがとうございます。でも……なんで勝てたかは自分でもわからないんですけどね……」
:そりゃ、UNOを言い忘れた人が二人いたから
:あと、地味にツバサが盤面を荒らしてたから
:冷静にやってたユイちゃんが一番まともだった
「どうせ、アタシは駄目な女なんだ……。みんながいい勝負してる時に、一人だけ五枚超えって……」
「げ、元気出してください」
「いや、無理だよ……。十九枚から始まった時点で、勝負は終わってたんだ……」
「でも、最後まで諦めずにやってたじゃないですか。それは立派ですよ」
「ありがとう。ノアちゃん好き」
:ここまで落ち込んでるツバサって珍しくね
:先輩として、いいところ見せたかったんじゃないかな?
:おい、しれっと告白するなw
「えっ⁉」
「もちろん、アタシは真剣だよ」
「いや、真剣に言われても……配信中ですし……」
「ツ バ サ 先輩? 何を言ってるんですか?」
「ひ、ひぃ!」
:おい、隙を見つけてガチ告白するな!
:これだから、この女好きの……
:ユイちゃんの声が低くなったぞw
:これはガチで怒ってるやつ
「ちょ、ちょっと待って! ノアちゃんに励まされて、つい口が……!」
「ついで言うことじゃないです」
「ひぃぃ! こ、後輩が怖い!」
ゆ、ユイが今まで見たことないほどの怒りを見せている。莉緒さんと会った時でさえ、これほどじゃなかったのに。
「言葉は選んでください。配信中にそういう発言をすると、視聴者にも誤解を招きます。ノアちゃんを困らせる言い方はやめてください」
「ご、ごめんなさい」
「それに、あなたのような人にノアちゃんは任すことは出来ません。あなたに渡すぐらいなら、わたしが貰います」
:説教来たw
:どっちが先輩だっけ?
:ん?
:今なんて言った?
:さらっと爆弾発言したw
「えっ……ユイ?」
「ノアちゃん、どうしたの?」
「今の言葉って、どういう意味……?」
ユイは、今言ったことに気付いていない。
本人は冷静に場を正そうとしているだけなのに、その一言が周囲にはまるで宣言のように響いてしまった。
ツバサ先輩は肩を震わせ、ヒナタ先輩は口を押さえて笑いをこらえている。
「迷惑をかけるなって言っただけだけど?」
「そっちじゃなくて、その後の……」
「あなたに渡すぐらいなら、わたしが貰うって……あっ」
ユイの顔が一瞬で固まった。
自分の口から出た言葉の重さに、ようやく気づいたのだ。
:やっと気づいたw
:本人が一番動揺してるの草
:今日、全員失言してるなw
:ヒナタとノアはUNO宣言忘れ、ツバサは告白、ユイは爆弾発言
:失言コンプリート配信じゃん
「そ、そういう意味じゃなくて……」
「やーいやーい、配信中にそういう発言をするのは駄目なんだよー(笑)」
「うるさい!」
「ひ、ひぃ!」
:ツバサ、ここぞとばかり煽ってるな……
:そういう所が小物なんだよw
:一瞬で負けたけどw
「あははっ! ユイ、今どんな気持ちなの?」
「ヒナタ先輩、今は好奇心を抑えてください!」
「え? なんで?」
:やばいw
:ヒナタは好奇心に従うタイプだから……
:ノア、どんまい
「ユイ、もっと詳しく聞かせてよ!」
「だから、そういう意味じゃないって言ってるでしょう!」
「えぇー? でも気になるじゃん!」
「つ、ツバサ先輩。助けて下さいよ!」
「やだ。怖い。帰りたい。トラウマになった」
「えぇ……」
:いっつもトラウマ作ってるのな、この女
:前はハバネロだっけ
:そう。ヒナタにおすすめされたせい
:辛い物が苦手って自覚があったのに、なんで食べたんだ?
「ねぇねぇ」
「もう何も言いませんから!」
「怖い。帰りたい」
「……何この状況」
場の空気は完全に崩壊していた。
ユイは必死に弁解し、ツバサはトラウマを盾に逃げ腰、ヒナタは好奇心のままに追撃を続ける。
「あのー!」
何回も声を掛け続けているが、一向に戻ってこない。このままだと、本当に配信が崩壊してしまう。
(はぁ、仕方がない。ほんとうに嫌なんだけどな)
「静かにしてください!!」
「「「――ッ」」」
その一声で、場の空気が一瞬にして凍りついた。
ユイもツバサもヒナタも、まるで時間が止まったかのように固まる。
普段は振り回されるだけのノアが、初めて場を支配した瞬間だった。
:ノアちゃんがキレたw
:初めて見たかもw
:これは事故か神回かどっちだw
:コメント欄まで静かになったぞ
「いい加減にしてください。これ以上、配信をめちゃくちゃにするなら……本当に怒りますから」
ボクの声は低く、しかしはっきりと響いた。
ユイは口を閉じ、ツバサは肩をすくめ、ヒナタは珍しく好奇心を抑えて黙り込む。
:ノアちゃんの説教タイムきたw
:優しい人は怒らしたら駄目なんだよ
:そうそうw
「すみませんでした、は?」
「「「すみませんでした!」」」
:ノアが一番年下なはずなんだけどな……
:それなw
:まぁ、この場合は仕方がない……
「きょ、今日の配信はここらへんで終わらせますか」
「そ、そうだね。後日、もう一度しよう」
:おお! あのノアが場を支配した!
:成長したな……
:いや、成長ってより、キレただけでは?
「じゃあ、次の配信で」
「次回は、失言無しを目指して!」
「またね!」
「もちろん、今から反省会ですよ」
「「「はい」」」
【コラボ】ヒナタ先輩とツバサ先輩とコラボ! (ユイと一緒に)
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これからも毎日更新を続け、さらに楽しんでいただける物語を届けていきます。




