二期生の二人1
「今日は待ちに待った後輩とのコラボ! どうも! 二期生の大塚ツバサです!」
「同じく、日南田ヒナタです!」
「先輩方のテンションについていけない月夜ユイです」
「同じく、朝霧ノアです」
:おおー!
:豪華メンバーだな
:四人同時か
:ツバサがいて大丈夫?
「ぐへへ、やっと後輩たちと関われる」
「えっ、気持ち悪っ」
「いつもの発作だから気にしないでいいよ!」
「いつものって……」
:発作ww
:ツバサは安定のキャラ崩壊
:ノアとユイが完全に被害者ポジ
「いやいや、発作って言うな! アタシのこれは愛情表現だ!」
「余計に気持ち悪いです」
「じゃあ、本題に入ろうっか!」
「え、無視するんですか⁉」
:後輩が引いてるぞ
:汚点だから仕方がない
:ヒナタが無視してくれているおかげでなんとかなってるよ……
「今日やるのは、みんな大好きUNOだよ! 後輩たちはやったことある?」
「あ、ありませんね」
「わたしは、一対一でならやったことがありますけど」
「一対一⁉ UNOで⁉」
:一対一UNOww
:なんでだよw
:ユイって、案外友達がいないのか?
「ちょっと待って! 今好きって言った⁉」
「じゃあ、始めよっか!」
「えっと……ツバサ先輩のことって無視していいんですか?」
「?」
:あれ? ツバサのこと認識してない?
:たぶん興味ないだけ。ヒナタって興味が無いことに一ミリも意識を向けないから
:普段なら認識できているけど、今日は後輩って言う未知の人がいるからなぁ
「あれ? 真面なのボクたちだけ?」
「まぁ、予想はしてたけどね」
:まぁ、二期生だしね
:シュウがマシなほうなのバグだろ
:社長は常識あるから……
そうして、ボクたちの手元に、カードが七枚ずつ配られていく。
ボクの手札には、五枚の普通のカード、そして――赤のリバースが一枚、ワイルドドロー4が一枚。
「じゃあ、最初はわたしからだね! まずは……赤のドロー2から!」
「え? 最初から⁉」
「ちょ、ちょっと待ってください! いきなり二枚引かされるんですか!?」
「頑張ってね! 応援してるよ」
:初手ドロー2w
:ノアちゃん、どんまい
どうするべきだろうか。今回のルールは、ローカルルールも入っており、ドロー系を重ねることが出来る。でも、手札にドロー系のカードが一枚しかなくて、もう一度回ってきたら大変なことになってしまう。
それくらいなら、今の二枚引いて温存しておくべきなのかな。
「……わかりました。二枚引きます」
「安心して、可愛い後輩の仇はアタシが打つから」
「そうですか。赤のスキップ」
「なんでぇ⁉ 仇を打つ前に飛ばされたんだけど!?」
「いや、勝つために必要な行為ですから」
:草
:正論だけどさ
:これって、リバースを出された時、次の番がノアちゃんになるからじゃね
:確かに、それはあり得る
:相変わらず不憫だ……
ユイが出したスキップのせいで、ツバサ先輩の番が飛ばされてしまい、またヒナタ先輩の番に回ってくる。
まぁ、さっきドロー2を出していたし、二連続で出されることは無いだろう。
「ワイルドドロー4! 色は黄色で!」
「ええっ! また⁉」
さすがに、これは嘘のはずだ。
ワイルドドローは、他に出すことが出来るカードがない時にしか出せない。ヒナタ先輩は、まだ手札が六枚も残っているのに、その中に赤色が一枚も無いなんて、そんなことあるはずもない。
「チャレンジします!」
「いいよ! わたしの手札を見て!」
ヒナタ先輩がカードを広げる。そこには――赤色が一枚もない
「……ほんとに無い!?」
「だから言ったでしょ。正々堂々、ワイルドドロー4!」
「うわぁぁぁ! じゃあ、ボクが六枚も引くの⁉」
さっきの番で引いた二枚と、今引いた六枚の合計八枚が増えてしまい、手元には十五枚のカードがある。どうして、こんなことになったのか。
「ノアちゃん、頑張って。ワイルドドロー4、色は青で」
「さすがに、それは嘘でしょ。アタシの目はごまかされないよ」
「あ、ほんとです」
「えぇぇぇ! アタシも⁉」
ボクと全く同じようなことが、ツバサ先輩にも起きてしまい、ツバサ先輩の手元にも、次々とカードが積み重なっていく。
「なんで、アタシがこんな目に……」
「一応、ボクより二枚も少ないんで……」
:wwww
:ツバサって、ほんと運が悪いよなw
:同情するw
:でも、運の悪さならノアも負けてないぞ
:なんだこの底辺の争い
「あ、でも……これで、ノアちゃんとお揃いだ! ぐへへ……仲間だね!」
「なんか、気持ち悪いんでやめてください」
「ぐはっ」
:あ、さっきの同情取り消しで
:欲望が漏れ出てるぞ……
:仲間って言いながらニヤけてるのが一番キモいw
:ノアちゃんに擦り寄るツバサ先輩ほんと草
:不憫+変態=最悪のコンビ爆誕
「青かー。それなら、今度は青のドロー2!」
「ほんと、何枚手元にドローさせるカードがあるんですか⁉ ボクも青のドロー2で!」
「わたしは、緑のドロー2!」
「え? 十三枚あるのに、ドロー系のカード引いて無いんだけど……」
「それは運が悪いってことだね!」
「なんでぇぇぇ⁉」
:やっぱし、ツバサがダントツで運が悪いw
:運の悪さだけならNeoverseトップだからなw
:同じ不憫キャラの社長すら歯が立たないしw
:お前らいじりすぎだろw
「結局、アタシの手札は何枚になるの?」
「えっと、十九枚ですね……」
「UNOで、こんな枚数になることある⁉」
「……ある意味、伝説ですね」
:伝説w
:確かに、十九枚はヤバいw
:ノアの十五枚もヤバいけどな
:この二人、運悪すぎだろw
「よし、これでユイと一騎打ちかな!」
「そうですね。ノアちゃんも、ツバサ先輩も、手札が多すぎますから」
「まだ! まだ何とかなるよ!」
「いや、これは無理ですよ」
(一応、リバースとワイルドカード4があるけど、その二枚だけで枚数差を覆そうにない。この試合は、もう消化試合かな)
そう思いながらも、適当にするのは何処か違うような気がして、出来るだけ真剣に続けていった。
「わたしが残り二枚、ユイちゃんが四枚、ノアちゃんとツバサは?」
「……九枚です」
「アタシは十三枚……ちょっと減ったけど、こんなの誤差だよ」
「そっか。じゃあ、もう勝負は決まったも同然だね! はい、赤の2。これで残り一枚だよ」
「あ、リバースがあったから、次はアタシか……。でも、普通のカードしかない。赤の4」
「同じです。緑の四」
「で、でも、ここからは四択だから。緑の三」
「実はね……わたしの勝ちは決まってたんだよ! ワイルドカード、色は青色で!」
:おおー!
:最後にワイルドカードって出せたっけ?
:公式ルールでは許可されていたはず
「ま、負けた。紙一重だったのに……」
「いや、九枚もある時点で紙一重ではありませんでしたよ」
「あれ? UNOって言ってましたっけ?」
「「「あっ」」」
:そういえば!
:www
:ヒナタ、何してんだよw
:ヒナタらしいけどさw
「ペナルティで2枚引きです!」
「えぇぇぇ!? 勝ったと思ったのに!」
「まだ、まだアタシに勝ち筋はある!」
「ツバサさんは……いや、何にもないです」
:まだまだここから!
:でも、ユイ以外は無理だろ
「ワイルドカードってそのままだっけ?」
「そうだよ。だから、次は青から」
「青⁉ それなら、まだ舞える! 青のドロー四」
「えっ? 引くしかない……」
「あ、赤のドロー2で……」
「ご、ゴールが離れていく」
それからは、どんどん互いの手札の枚数が近づいていった。
そもそも、ボクとツバサ先輩は何枚もカードを引いているから、強いカードをたくさん持っている。それをうまく使えば――。
「よし、これで逆転!」
「えっ、嘘!」
ボクの手札が残り二枚。ヒナタ先輩の手札が残り三枚。勝利がボクの側に近寄って来た。
「アタシは……七枚。まだ多いけど、逆転のチャンスはある!」
「わたしは残り四枚。つまり、勝負は四人とも射程圏内ですね」
:一気に接戦になったw
:消化試合だと思ったら盛り返してきた
:不憫コンビがここからどうなるか見もの
「ヒナタは、ドロー2にやられたから、次はアタシか。緑の8」
「青の8」
そして、ドロー系のカードは何度も使ってきたから、もう残っていないはずだ。だから――。
「黄色の4。これで、ボクの勝ちだ!」
「えぇぇぇ!? ほんとに逆転したの!?」
:まさかの逆転勝利w
:消化試合からのドラマチック展開
:不憫コンビが報われた瞬間
何度もドローを強いられ、何度も諦めかけたけれど、最後までカードを握りしめていたからこそ辿り着けた瞬間。
この勝利は、諦めなかったから手に入れることが出来た勝利だ。
胸の奥で、ようやく報われたという熱が広がっていく。
「……あ、でもノアちゃんもUNOって言ってないよ」
「「「あっ」」」
「えっ、じゃあペナルティで二枚引き?」
「わたしと同じだね!」
「うわぁぁぁ! せっかく勝ったと思ったのに!」
:UNO宣言忘れwww
:またかよw
:お前ら、船降りろ
その後は、普通にユイが勝った。




