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TS転生したぼっちJK、Vtuberで人生逆転中  作者: 月星 星那
三期生

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35/51

その後

申し訳ございません。

34話と35話の順番を間違えて投稿していました。

こちらが35話になります。

「おつかれさまにゃー」


 配信が終わり、ニヤさんが僕をねぎらってくる。


「……はい。ニヤさんこそ、おつかれさまでした」

 

 返事をしながら、胸の奥がじんわりと熱くなる。さっきまでの戦いの余韻と、ニヤさんの言葉が混ざり合って――不思議と、心地よい疲労感に包まれていた。


「にゃははっ、ノアちゃん、今日はよく頑張ったにゃ。にゃーも、ちょっと本気を出しすぎたかもしれないにゃ」


 その声は、配信中で見せた、低く鋭い声では無く、優しく暖かな声になっていた。


「にゃーの本気を見て、何か思ったかにゃ?」

「……正直、圧倒されました」

 

 素直にそう答えるしかなかった。

 

「でも、それ以上に……あんなすごい姿を見ても、やっぱり追いつきたいって思いました。あの域に至るまでに、どれだけ努力し続けて来たのか伝わってきましたから」


 ニヤさんは一瞬目を丸くして、それからふっと笑った。

 

「にゃははっ、やっぱりノアちゃんは面白いにゃ。普通ならすごすぎて無理だって諦めるところなのに、追いつきたいって言えるんだから」


 その声には、ほんの一瞬だけ驚きと、そしてどこか安堵の色が浮かんでいた。


「にゃーが、RTAやPVPを始めた理由は、友達に誘われたからだったのにゃ。最初はただ、遊びの延長だったにゃ。でも気づいたら、もっと速く、もっと上手くって……止まらなくなってた。気がつけば、にゃーの毎日は練習と挑戦で埋まってたにゃ」


 ニヤさんは、自身の過去について、言葉を紡いでいく。


「別に、そのことに後悔なんてしてないにゃ。生き物だから、より上へと目指していくのは間違っていないし、その毎日はとっても楽しかったから……。でも、にゃーの友人たちとは、どんどん差が出来て来たのにゃ」


 ニヤさんの声に、ちょっとずつ悲しみが帯びていく。


「差ができるのは当然にゃ。にゃーが必死に走ってたんだから。でも……気づいたら、隣に誰もいなくなってたにゃ」


 ニヤさんは笑っている。けれど、その笑みの奥に、ほんの少しだけ寂しさが滲んでいた。


「勝っても、記録を更新しても、すごいって言ってくれる声はもうなくて……、隣で一緒に走ってくれる人も、誰一人残っていなくて……。にゃーはただ、自分のためだけに走り続けてたにゃ」


 胸が締めつけられる。

 ――この人は、ずっと孤独の中で努力を積み重ねてきたんだ。


「そうして、目標にしてたSub九――九分切りを達成した時に気付いたのにゃ。にゃーは、ずっと一人で走ってただけだったんだって……。この努力に意味はあるのかって」


「……意味がないなんて、そんなことありません」

 

 気づけば、声が自然と出ていた。

 

「その努力があったから、今のニヤさんがいるんです。そして――その背中を見て、ボクは追いつきたいって思えたんです」


「……ノアちゃんは、本当に不思議な子にゃ」

 

 小さく息を吐きながら、ニヤさんは笑った。

 

「にゃーがずっと抱えてたものを、そんなふうに言ってくれるなんて……」


 その声は、どこか照れくさそうで、けれど確かに温かかった。


「ありがとにゃ。ノアちゃんがそう言ってくれるなら……にゃーの努力も、少しは意味があったのかもしれないにゃ」


 そうして、ニヤさんは明るく元気な声をあげた。


「ユイちゃんからとる気はないけど――ノアちゃんの姉貴分として、これからは前に立たせてもらうにゃよ」


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