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TS転生したぼっちJK、Vtuberで人生逆転中  作者: 月星 星那
三期生

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猫塚ニヤ2

 そうして、ボクはニヤさんに導かれるまま、水入りバケツと溶岩だまりで地獄へのゲートを作った。

 何回も失敗してしまったけど、そのたびにニヤさんが優しく教えてくれて、 最後にはボク一人で作れるようになった。

 黒曜石の枠が完成した瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなる。


「や、やった……! できました!」


:おおおおおおお!

:ノアちゃん初ゲート成功!

:成長してるとこ見てると泣けるw


「にゃーにゃー、よく頑張ったにゃ。最初は誰でも失敗するにゃけど、こうして一人で作れるようになったのは大きな一歩にゃよ」


 ニヤさんの言葉に、思わず顔がほころぶ。

 失敗ばかりで情けなかったけど、こうして形になったことが嬉しかった。


「……ありがとうございます。これで、ボクも少しは前に進めた気がします」


:努力の結晶ゲート

:ここからが本当の地獄だぞw

 

「じゃあ、さっそく入って行くにゃ」

「わかりました!」

 

 ゲートの中に飛び込むと、視界がぐにゃりと歪んだ。次の瞬間、赤黒い世界が広がった。


「わ、わぁ……ここが……地獄……」

「そうにゃ! ここが地獄にゃ!」

 

:きたあああああ!

:敵に囲まれないといいけど…

:絶対パニックになるやつw


「ひっ……! あれ、なんですか!?」

「ガスドにゃ! 火の玉を撃ってくるから気をつけるにゃ!」

「ええええええっ!?」


:さっそくw

:落ち着いてw


「とは言っても、アレの対処方法は簡単にゃ」


 そう言って、ニヤさんは火の玉の前に立ち、それを殴って打ち返した。そのままガスドの顔面に直撃し、甲高い悲鳴を上げながら爆散した。


【nekodukaniyaは差出人に返送を達成した】

 

「にゃははっ、こんなもんにゃ!」


:一撃www

:タイミング完璧すぎる

:ノアちゃんの出番がないw


「す、すごい……! 本当に打ち返せるんですね」

「そうにゃ。慣れれば簡単にゃよ。ノアちゃんもやってみるにゃ」

「えぇっ……ぼ、ボクにできるんでしょうか……」

「大丈夫にゃ! 火の玉が飛んできたら、タイミングを合わせて殴るだけにゃ!」

「そ、そんな簡単に……」


:フラグ立ったw

:絶対失敗するやつ


「あっ、あそこに沸いたにゃ」

 

 ニヤさんが指さした先、空中にふわりと浮かぶガスドが、口を開いて火の玉を吐き出した。


「き、来た……!」

 

 ボクはマウスを握りしめ、画面に釘付けになる。


「今にゃ! 殴るにゃ!」

「えいっ!」


 ボカンッ


「きゃっ」


 タイミングよくクリックをしたつもりだったけど、火の玉は跳ね返らず、地面に激突して爆発した。

 ……いや、それだけならよかった。その爆発で地面が壊れ、マグマへと直行する小さな穴が、 ボクの足元に出来てしまった。


「えっ、ちょ、ちょっと待って……!」

 

 画面の中で、ボクのキャラが足を滑らせるように穴へと吸い込まれていく。


【asagirinoaはガスドに撃ち落された】


「きゃあああああっ!?」


:wwwwwww

:爆発からのマグマ落ちは草

:ノアちゃんの悲鳴助かる

:これはトラウマw


「にゃはは! まさかのコンボにゃ!」

「うぅ……なんでこんなことに……」


 リスポーンボタンを押し、また現世に生き返る。ただ、当然のことながら、そこには誰も居なくて、その静かさが少しだけ胸を締めつけた。


「もう一回、挑戦させてください」

「何回でも挑戦していいにゃよ。にゃーは、ノアちゃんが諦めない限り、何度でも付き合うにゃ」


 その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

 画面の向こうにいるはずのニヤさんの声が、すぐ隣で聞こえたような気がした。


:名言きた

:ニヤ先生かっこいい

:これは惚れる

:ノアちゃんの背中押してくれるの優しいなぁ


 そうして、ボクはまたゲートの方へ歩き出した。


 *


「戻ってきまし……えっ、何ですか⁉ この地獄絵図はっ!」


 目の前には、火の玉を吐き続けるガスドが三体。

 その周囲を、豚ゾンビの群れがうろついていて、地面は爆発でボコボコ。

 しかも、さっきの爆発でできたマグマの穴が、さらに広がっていた。


「え、えぇ……? これ、さっきよりひどくなってませんか!?」


:地獄が進化してるwww

:ノアちゃんの声が震えてるw

:誰か整地してあげてw


「にゃーがちょっと遊んでたら、増えちゃったにゃ」

「遊んでたって……!」


 ボクは思わず画面を見つめたまま固まる。

 でも、チャット欄の笑い声と、ニヤさんの軽い口調が、少しだけ緊張を和らげてくれる。


「……これって、足場を整えることが出来ますかね?」

「うーん、無理だと思うにゃ。だから、一発勝負にゃね」

「い、一発勝負……!? そんなの、失敗したらまた……」

「また挑戦すればいいにゃ。何度でもやり直せるにゃよ」


 ニヤさんの軽い声に、胸の奥が少しだけ軽くなる。

 怖いけど、挑戦しなきゃ前に進めない。


「……わかりました。やってみます!」


:ノアちゃん覚悟決めた!

:これは成功フラグ

:いや逆に死亡フラグw

:どっちに転んでも面白いw


「よしにゃ! じゃあ、次の火の玉はノアちゃんに任せるにゃ」


 その時、ガスドが再び口を開き、赤い火の玉を吐き出した。

 

「き、来た……!」

 

 心臓が跳ねる。手のひらは汗でじっとりと濡れていた。でも、さっきの失敗から学べば、きっと成功出来る。


「えいっ!」


 火の玉は見事に跳ね返り、一直線にガスドの顔面へ。甲高い悲鳴が響き、怪物は爆散した。


【asagirinoaは差出人に返送を達成した】


「……や、やった! 本当にできた!」


:成功きたあああああ!

:成長してるの見て泣きそうw

:さっきの爆発からの大逆転w


「にゃはは! よく頑張ったにゃ。それじゃあ、後はにゃーに任せるのにゃ」


 そう言うやいなや、ニヤさんは軽やかに動き、残りのガスドに次々と火の玉を打ち返していく。爆発音が連続して響き、あっという間に空は静かになった。


「……え、もう終わったんですか?」

「当然にゃ。ノアちゃんが一体倒したんだから、残りはにゃーが片付けるのが筋ってものにゃよ」

 

:ノアちゃんの出番が一瞬で終わったw

:でも初撃破は大金星!

:二人のコンビ感いいなぁ


「さぁ、まだ冒険は終わってないにゃよ。ここからが本番にゃ」

「えっ」

 

:まだ序章だったw

:ノアちゃんの顔が青ざめてそう

:地獄はここからが地獄


「さすが、初心者に廃要塞はいかせないけど、普通の要塞ならば挑戦してもいいにゃ」

「よ、要塞……って、あの強い敵がいっぱい出るところですよね!?」


:死亡フラグw

:ノアちゃんの悲鳴がもう聞こえるw

:でも成長のチャンスだぞ!


「そうにゃ。フレイムもいるし、スケルトンもいるにゃ。でも、ノアちゃんが一歩進むたびに、にゃーが隣で見てるにゃ」

「……うぅ、心強いような、怖いような……」


:ニヤ先生の安心感

:ノアちゃんの葛藤かわいい

 

「大丈夫にゃ。失敗しても、また挑戦すればいいにゃよ、何度も何度も失敗して、その先に掴める物もあるのにゃから」

「……わかりました。じゃあ、行ってみます!」


:覚悟決めた!

:ニアのセリフ、名言だろw

:でも声が震えてるw

:この緊張感がたまらん


「ほら、あそこに見えるにゃ。あれが要塞の足にゃ」


 そう言って、ニヤさんが向けた指先に、赤黒いレンガで組まれた巨大な建造物が浮かび上がった。


「あれが、要塞……」

「そうにゃよ。それじゃあ、今から行ってみるにゃ」




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