三期生コラボ4
「結局、わたしたちが集めた資材しかないのか……ノアちゃん、このチェストに取って来た資材を纏めてくれない? ついでに、ニヤさんが持ってきたぎりぎり建築に使えそうな資材も」
「わかりました」
ボクは、ラージチェストを作り、集めた資材を並べていく。
オークの原木、トウヒの原木、白樺の原木、丸石、羊毛、鉄の原石、銅の原石、安山岩、閃緑岩、火打石、砂利、海洋の心、青いジャガイモ……ん?
「ニヤさん」
「にゃにかあったのかにゃ? そのチェストに入ってる火打石とか、砂利とか、海洋の心とか、青いジャガイモなんて、知らないにゃよ」
「まだ何も言ってませんよ」
「……あっ」
「ニヤさん、自白しましたよね?」
「ち、ちがうにゃ! にゃーは潔白にゃ!」
:自爆www
:まだ何も言ってないのにw
:ニヤちゃん怪しすぎる
:青いジャガイモはアウトでしょ
「このチェストの中には、建築に使う物を入れるんですけど」
「わ、わかってるにゃよ……ごみを入れとこうにゃんて、思ってないにゃ」
「ユイさんに報告してきます」
「そ、それは待つにゃ」
ボクがそんなことを言うと、ニヤさんが慌てて引き止めて、ボクにあるものを押し付けて来た。
「これをあげるから、ユイには報告しないでにゃ」
「えっ……これ――」
「しっ、声が大きいにゃ! ユイにバレたら終わりにゃ!」
:賄賂www
:ノアちゃん買収されてるw
:ユイちゃんにバレたら確実に処刑
「……今回だけですよ」
「取引成立にゃ」
【asagirinoaはダイヤモンド!を達成した】
「「あっ」」
:バレたwww
:実績ログで即バレは草
:ノアちゃん裏取引失敗w
:ユイちゃんの目が光ってるぞ
「……ノアちゃん?」
「ち、ちがうんです! これは、その……! プレゼントを貰ったんです!」
「そ、そうにゃ。ノアちゃんは三期生で最年少だから、プレゼントをあげただけにゃ」
「……プレゼント、ねぇ」
ユイさんの目が細くなり、空気が一気に冷え込む。
:完全に疑われてるw
:ユイちゃんの目が一番怖いとき
:ノアちゃん震えてそう
:ニヤちゃんの言い訳が雑すぎる
「まぁ、そういうことならいいですよ」
「ほっ」
「よ、よかったにゃ」
「でも、次はありませんから」
ユイさんの低い声に、ニヤさんとボクは同時に背筋を伸ばした。
:執行猶予www
:ユイちゃんの裁定ありがたい
:ノアちゃん反省してる顔かわいい
:ニヤは絶対またやる
「それで、どんな家を作りますか?」
「そうにゃね~、せっかくみんなが集まったから、みんなの特徴が出た家にしたいにゃ」
「みんなの特徴……」
少し予想外だった。ニヤさんのことだから、もっととんでもない提案をするんじゃないかと思ってた。
「……意外と真面目なんですね」
「にゃっ⁉ ボクだってやるときはやるにゃ!」
「ふふっ、そうですか。じゃあ、ノアちゃんはどんな特徴を出したい?」
ユイさんが、そんなことを尋ねてくる。けれど、ボクの特徴が出る家なんて、想像もつかない。
「なんでもいいですよ」
「それは駄目。自分の意思を言わないと。これも人見知りを治す練習だよ」
「人見知りを治す練習……」
自分の考えを言うのは、とても難しいことだ。それに、ボク……いや、僕には嫌な思い出もある。ユイさんや、ニヤさんがそんなことを言うことはなってわかっているけど、それでも並大抵の勇気では出来そうもない。
でも、それは僕の話だ。僕ではなくボクであるのならば、過去に縛られる必要はない。……怖いことには変わらないけどね。
「それなら、ボクは木で……トウヒで作られた暖かい家が良いです」
「ふふっ、いいね。それなら、わたしはオークで作られた落ち着いた家がいいな」
「にゃーは、屋根裏で住みたいにゃ」
:ノアちゃんのはイメージ通り
:ユイちゃんは普通だけど、そこがいいな
:屋根裏は、やっぱり浪漫だよ
:三人の個性が出てきたな
「あの二人はどうします?」
「どうせ、マサは地下室とでも言うだろうにゃ」
「ユイトさんは……たぶん、マサさんと同じじゃないですか」
「じゃあ、それにしましょう」
:草
:勝手に決められてる
:まぁ、資材を集めてこなかったから、自業自得か
「地下室は置いといて、まずは地上から作っていきましょうか」
「右半分がトウヒ、左半分がオーク……なんだかツートンカラーの家になりそうですね」
「にゃー、それが個性にゃ! それに、先輩方の建築物にはもっと色物があるのにゃ」
「先輩方の建築を悪く言うのは……いや、さすがにフォロー出来ない」
「ノアちゃん、最後までフォローしてあげて……気持ちはわかるけど」
:草
:ww
:確かに、アレは酷かったけどw
:グラデーションのようにすれば、ツートンカラーみたいにならないんじゃ
「そっか。そうすれば良かったんだ」
「でも、それって結構難しいんじゃ……」
「ふふん、にゃーに任せるにゃ。にゃーは建築が得意だから、安心していいにゃよ」
「資材を集めて来た時にも思いましたけど、ニヤさんってこのゲームが得意なんですか?」
:確かに
:ユイも結構うまいけど、ニヤは頭数個分うまい気がする
「このゲームは結構やり込んだからにゃ。一番得意なのは別の分野にゃけど、建築も任せるにゃ!」
「別の分野って……何が得意なんですか?」
「それはまだ秘密にゃ。でも、いつか言うから待っておくのにゃ」
:秘密って言われると余計気になるw
:どうせロクな特技じゃないw
:でも、ニヤのことだから、とてもすごいことを隠しているのかもしれない
ボクも、ニヤさんの得意分野について気になってはいた。けれど、この調子ではきっと教えてくれないだろうし……それに、配信が始まってもう五十分。肝心の建築がまったく進んでいないのも事実だった。
だから、これ以上深掘りするのはやめて、まずは作業を進めることにした。
「……とりあえず、建築を始めましょうか」
「にゃー! 任せるにゃ!」
「任せるって言った直後に失敗しないでくださいね」
「にゃっ!? フラグじゃないにゃ!」
:やっと建築始まるw
:ここまで五十分は草
:フラグ立ったぞ
そうして、ボクたちの建築は始まった。




