三期生コラボ3
「あれから三十分くらい経ったので、みんなで集めた物資を確認しようと思います。まずは、そこの馬鹿二人から」
ある程度の時間が経って、三期生のみんなが集まった時、ユイさんが怒った様子で全員に呼び掛けていた。
「フッ、我は馬鹿ではない。愚かなる者を導く――「うるさい」……はい」
「に、にゃー、ユイちゃんは怒らせたら駄目なタイプなのにゃ~。真面目に集めててよかったにゃ」
「そ、そうですね。……これから気を付けよう」
ボクとニヤさんは、怒っているユイさんから離れ、飛び火を避けるように小さく身を寄せ合った。
「で、結局あなたたちは何を集めてきたんですか?」
「フッ……土を山ほどだ。大地の記憶を――」
「要点だけでいいです! マサさんが説明してください」
「つ、土を三スタックほど……」
「少ないし、土なんていらないものですけど、何をしていたんですか?」
:いらねぇwww
:爆死芸人コンビ、今度は土芸か
「それは、殺し愛っていう絆を視聴者に魅せてただけで……」
「え?」
「ふざけてました! すみません!」
:草
:だから、ずっと死亡ログが流れてたのかw
:そもそも、殺し愛ってなんだよw
「はぁ、こんな人たちのことは置いておきましょう。ニヤさんはどんなものを集めていたんですか?」
「にゃっ、ボクはちゃんと洞窟を探検してきたにゃ! サボテンに、木の棒、タラ、テラコッタ、火薬、ゾンビ肉、トロッコ、エンチャント金リンゴ、カカオ豆……」
「待ってください、建築に使えそうなものは……? というか、テラコッタやカカオ豆はどうやって手に入れたんですか?」
:www
:建築に使えないモノばっかw
:テラコッタとカカオ豆って、この一瞬でメサとジャングルを見つけたのか……
:エンチャ金リンゴは運良すぎだろw
「そんなの必死に探し回ったからに決まってるにゃよ。世の中には、八分くらいで最後のハエを倒す人もいるのにゃから、このぐらい普通にゃよ」
「最後のドラゴンをハエって言わないでください……。それに、RTAとはまた別の凄さですよ。レアなバイオームを見つけることと、エンチャント金リンゴを手に入れるのは」
:最後のハエwww
:ラスボスを虫扱いするの草
:ニヤちゃん有能なのかカオスなのか分からん
:ユイちゃんのツッコミが追いついてないw
「でも、建築に使えそうな物ってほとんどないですよね。テラコッタも十個くらいしかないし……」
「に、にゃー」
「猫の真似をして謝っても、駄目なことは駄目です」
「にゃふん……」
:かわいいけど許されないw
:ユイちゃんの声が一番怖いとき
:ニヤちゃんの小芝居助かる
:爆死芸人コンビよりマシだからセーフ?
「あれ? 真面目なの、ボクたちだけ?」
「そうだね……。はぁ、何でこんなことに」
ユイさんが小さくため息をつく。
結局、ボクたち以外が集めて来たのは、ほとんど建築に使えないモノばかりで、全く助けにならなかった。……そもそも、建築しようと言い出した人が、真面目に資材を集めてこないのは、おかしいでしょ。
「まあまあ、きっと何とかなるにゃよ」
「その自信はどこから来るんですか……」
「勘にゃけど」
「勘って……」
:勘かよw
:なんで、勘でそこまで自信を持てるんだw
:ユイは本当に苦労しているんだな……
「ユイさん、時間も限られていますし、ボクたちだけで建築しましょうよ」
「そうだね。ノアちゃんだけが頼りだよ」
「あれ? 俺たち見限られてない?」
「ニヤさんは、まだ建築していいですけど、あなたたち二人はもう一度資材を集めてきてください。木材とか石とかでいいんで」
「そうにゃ。にゃーは君たちとは違うのにゃ」
「ニヤさんは、ジャングルに行ったのなら、せめて竹くらいは取ってきてくださいよ。竹さえあれば、足場が作れたのに」
「もうしわけないにゃ」
:ニヤちゃん素直でかわいい
:竹忘れは痛いけど謝れるのえらい
:爆死芸人コンビとの差がひどいw
「まずは整地から始めよっか」
「あ、それはもう終わらしておきましたよ」
「え?」
:え?
:いつ?
:ww
:ノアちゃん、有能すぎw
「いつそんなことしてたの?」
「ユイさんが、あの人たちのことを叱っている間にしてました。あの人たちのことを気にするだけ、時間の無駄だと思ったので」
「……悪気はないんだろうけど、一番ひどいことを言ってるよ」
:事実陳列罪www
:ノアちゃんの正論パンチきた
:爆死芸人コンビの存在価値が揺らいでる
:ユイちゃんの胃がまた削られていく
「ちょっと待て! 俺たちだって役に立つんだぞ!」
「フッ……混沌を撒き散らすことで、場を盛り上げているのだ」
「ここに火薬と砂があるにゃよ」
「……それ、完全にTNTじゃないですか!」
「フッ……爆炎こそ文明の炎」
「にゃははっ! 芸術は爆発にゃ」
「やめてください! せっかくノアちゃんが綺麗に整地してくれたのに!」
:文明の炎は草
:ノアちゃんの努力が一瞬で吹き飛ぶ未来
:ユイちゃんの声が本気で怒ってる
「前もって言っておきますけど、ノアちゃんに迷惑を掛けたら殺しますので」
:ひぇ
:ガチトーンきた
:ユイちゃんの殺気やばい
:爆死芸人コンビ、震えてそうw
「ひ、ひぃっ!? ユイちゃん、目が笑ってない!」
「フッ……死をも恐れぬ我だが、今は少しだけ命惜しい……」
「にゃー! にゃーたち、ノアちゃんには絶対迷惑かけないにゃ!」
「最初からそうしてください!」
そうして、やっとボクたちは建築にとりかかった。……馬鹿二人を除いて。




