表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生したぼっちJK、陰キャの僕がVtuber事務所で仲間と成長していく話  作者: 月星 星那
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/54

ユイのFPS

「こんばんはー。今日は、FPSを人生で初めてやっていくよー」


 :きたー!

 :ユイちゃんは初めてなんだ


「そうそう。わたしは、こういうゲームに触れてこなかったから、さっぱり分からないんだよね。まずは操作方法から確認しないと。えーと、これが前に進むボタンで……」


:操作から始めるの草

:初心者感あってかわいい

:絶対すぐパニックになるやつw


「ちょ、ちょっと! そんなこと言わないでよ! ……あ、ジャンプできた!」


:おおおお!

:ジャンプ成功で盛り上がる配信w

:かわいいwww


 移動はWASD、ジャンプはホームボタン。……うん、慣れるまでは時間が掛かりそうだけど、そこまで難しいものではなさそうだ。


「よし、移動方法がわかったことだし、さっそく試合を始めよっか」


:がんばれー!

:神プレイ、期待している

:いや、まずは生き残ることからw


「確か、ノアちゃんはここに向かって降りてたよね」


 画面が切り替わり、キャラクターが空から降下していく。空から見た街の風景は、とても綺麗で、今から銃撃戦が始まるなんて、想像できない。


 そうして、地面に辿り着き、宝箱を開ける。そこから出てきたのは……。


「えっと……出てきたのは……なにこれ? ピストル? ……弱そう」


:草

:最初はそんなもんw

:でも当たれば……弱かったか

:当たらないし、当たっても弱いんだよなぁ


 コメント欄でも酷い言われようで、本当に弱い武器なんだと理解することが出来た。どうして、このゲームの運営は、ここまで弱いと言われている武器を強化しないのだろうか? まぁ、ろけっとらんちゃーだっけ? そんな強そうな武器があるゲームで、ピストルが強いってことは、ありえないのかな。


「まぁ、無い物ねだりをしている暇は無いから、あるものだけで勝つ戦い方を探っていかないと」

 

:そうだね

:名言っぽいw

:なんかの漫画で読んだことがあるようなセリフ


 そんなことを言いながら、辺りを見渡していると、視界の端に人影が動いた。

 

「っ……! いた!」


:きたきたきた!

:初戦闘w

:ピストルで勝てるのか⁉


 初戦闘、敵はまだわたしに気付いていない。でも、わたしはまだこのゲームを始めたばかりで、複雑な操作することが出来ない。ただ奇襲するだけじゃだめだ、勝つためには、どこか工夫しないと。


(こんな時、姉さんならば……いいや、わたしはわたしだ。わたしのやり方で、戦おう)


 覚悟を決めて、わたしはマウスを持つ手に力を入れた。


(複雑な移動やエイムには期待できない。それなら、近距離で戦えばいい)


 先ほど見えた人影が進んでいた方向から、どんな道を通っているのか予測する。わたしの予測は、百パーセント正しいというわけじゃないけれど、ある程度の正確性はあるはずだ。


(あの方角に走っているということは、目的地はあそこらへん。そして、出来るだけ射線を切りながら走りたいはずだから、通る道はあそこしかない)


 潜伏する場所を決めると、わたしはそこまで最短距離で移動していった。その移動の最中は、射線が切れていない大通りなども通ったけれど、運よく敵に見つかることが無かった。これならば、あの人影よりも先に着くことが出来る。

 そして、 わたしは角の陰に身を潜め、息を殺した。そんなことをしたところで、ゲームの中には何の影響も与えないということは理解しているけれど、無意識いそうしてしまう。


:おお、真剣だ

:わかる。潜伏する時は、つい無言になるよね


 だから、チャット欄に反応することさえできない。配信者として失格かもしれないけど、今日だけは許してほしい。

 そして、足音が近づいてくる。予測通り、敵はまっすぐこちらへ――。

 

「……今!」


 飛び出しざまに引き金を引く。乾いた銃声が響き、弾丸が敵の体に吸い込まれた。


:おおおお⁉

:当たった!

:でもダメージは低いw


(大きなダメージは与えられてない。でも、大丈夫――目的は別だから)


 倒しきれていないことを確認すると、わたしは敵がいる方向へ、足を踏み出した。


:へ?

:ユイちゃん?


 チャット欄が、わたしの奇行に対しての驚きへ埋まっていく。そりゃそうだろう。誰だって、敵に突っ込むなんて思っていない。――ソレは、敵も同じだ。


 敵は、わたしの奇襲に加え、急な突撃に驚いて、武器の持ち替えを失敗し、手には医療キッドが握りしめられていた。これがもし、上位の……いや、中位以上の敵だったら、こんなことは起きなかったのだろうけど、わたしが初心者だったおかげで、まだ低ランク帯であり、このような単純なミスをしてしまう。


 それに、焦った時にミスしてしまうのは、ノアちゃんとコラボした時のわたしがいい例だ。


「まずは……一発」


 そうして、わたしは敵の胸元に踏み込んで、大きく拳を振りかぶった。


:ええええ⁉

:パンチ⁉

:FPSとは?(哲学)

 

 まだ始めたばかりで、動きながら正確に当てることが出来ないわたしが勝つためには、これしか方法が無い。

 拳が敵の胸にめり込み、鈍い音が響いた。

「っ……当たった!」


:wwwww

:まさかの格闘キル⁉

:ピストルより強い説


 敵はよろめき、慌てて距離を取ろうとする。

 でも、わたしはもう止まらなかった。


「次で終わらせる!」


 再び拳を振り抜く。二撃目が決まった瞬間、画面に「撃破」の文字が浮かび上がった。


:!?!?!?

:パンチで勝ったwww

:FPSとは一体……

:何を見ているんだ、俺たちは……


 チャット欄が驚きの声で埋まっていく。


 「……っ、勝った……! ほんとに、勝てちゃった……」


 マウスを握る手が震えている。心臓はまだドクドクと早鐘を打っていた。


:名言からの格闘勝利w

:ピストルより拳の方が強い説、証明されてしまった。


「いやいや……これ、FPSだよね? わたし、間違えて格ゲーやってないよね?」


:wwwww

:FPSは格ゲーだった

:まぁ、ユイちゃんがかわいいからよし!

 

 自分がやったことだけど、本当にこんな勝ち方でいいのだろうか? でも、勝ちは勝ちだし……わたしの力だけでつかんだ勝ちなんだから、これは喜んでいいはずだよね。


「よし、次に行こう!」


:がんばれー

:応援してる!


 まぁ、この戦法がもう一度成功することは無く、普通に負けてしまったんだけど。


「ああ、負けちゃった。……よし、これからも練習しよう!」

 

(いつか、ノアちゃんと一緒にコラボが出来るように)


「じゃあ、また次の配信で。またね! みんな」


:お疲れ様ー

:応援してるよ!

:またね!

 




 ……追記しておくと、拳で敵を倒したシーンの切り抜きがバズって、チャンネル登録者が一気に増えた。……それと同時に、拳で殴る人というイメージもついてしまった、


【ゲーム実況】初めてのFPS!

 高評価8,432 低評価34

 チャンネル登録者21,343人

 再生回数23,414回


次回から、二章が始まります。ぜひ、読んでください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ