表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生したぼっちJK、陰キャの僕がVtuber事務所で仲間と成長していく話  作者: 月星 星成
最愛の君へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/125

Fromベオ

「さぁ、後はボクたちの勝負だよ。そうだよね? ルミナ」

「ああ、お前に勝てば、これらの勝負は私の勝ちだな」

「アハハッ! 安心していいよ。ボクが勝つから」


:挑発しかしてねぇ……

:幼馴染だから仲いいな!

:火花しか飛び散ってないんだけど!?


 あの二人、やっぱり仲が悪いんだろうか? こんなにも、挑発しているし……


「ユイ」

「どうしたの?」

「あの二人って昔からあんな感じだったの?」


 この場で一番、ベオ先輩たちと関係があるユイに聞いてみる。

 確か、ユイの姉はあの二人と友達で、ユイ自身も何回か関わったことがあるはずだ。だから、昔の二人を知っていると思ったんだ。

 けれど――


「うーん、よく知らないんだよね」

「そうなの?」

「うん、ベオ先輩とは、嫌になるほど話したことがあるけど、ルミナ先輩とはあまり話したことが無いし……。でも、姉さんは凄く仲がいいって言ってたよ。今の調子じゃ、そのように見えないけど」


:あれ? ユイって狂狼たちと知り合いだったんだ

:結構配信で言ってるぞ

:うんうん、小学生の時から狂狼から煽られ続けたって

:かわいそ……


 うん、それは僕も同意見。あの人から小学生のころから煽られるなんて……本当に同情する。僕なら絶対に嫌だね。

 そんなことを考えている間にも、あの二人のやり取りは……あまり変わってかった。


「それにしても、四勝四敗。調子でも悪いの?」

「安心するといい。今すぐ、お前に勝って五勝四敗にするからな」

「アハハッ! もしかして、ボクに勝つ気なんだ? 本当にできると思ってるの?」

「それはこちらのセリフだ。今まで、お前が私に勝ったことがあったのか?」

「へぇ、言うねぇ」

「そっちこそな」

「あのー、二人とも……」

 「「うるさい」」


:挑発合戦……

:社長、かわいそう

:つい口出ししてしまったばっかりに……

:でも、ある意味、楽しそうだな。二人とも


 うん、仲がいいって評価は間違ってないかも……だって、二人とも本当に楽しそうだから。……ベオ先輩はいつも笑っているし、ルミナ先輩は相変わらず無表情だけど。


「ちょどいいや、社長。司会よろしく」

「えっ?」

「そうだな、他の適任はユイぐらいだし、ちょうどいい」

「あの……」

「それに、私はユイには負けたが、社長には勝ったからな。敗者は勝者の言うことを聞くべきだろう」

「そう、ですよね……」


:社長!

:死体撃ちだぞ!

:社長が一番悔しがっていたのに、この仕打ちとは……


「ルミナのやつ、社長で遊んでいるな」

「そうなんですか? ティア先輩」

「うん、ルミナってそういうとこあるから」

「そうなんですね。少し意外です」


 へー、少し意外だ。ルミナ先輩は、無駄なことを一切しないタイプだと思っていた。そんな面白い一面もあるなんて。


「はいはい、わかりましたよ。僕が司会をすればいいんでしょう!?」

「最初からそう言ってる」

「やれやれ、社長は察しが悪いね」

「ほんと、この人たちは……。はぁ、もういいです。さっさと始めましょう」


:※一応社長です

:なんで社長なのに、一期生の方が権力を持っているんだよ!

:社長は二期生だから

:なんでだよ!

:それはどう


「さあ! 第九戦、ベオ・オーリスVSルミナ・セレスティア! 勝負内容は、なんとクイズ対決! ルミナさんの得意分野な気がしますが、どのような結果になるのでしょうか!?」


:は?

:マジ!?

:え? なんで!?


「ほう、それで来るのか」

「そうだよ。君の得意分野から叩き落そうと思ってね」

「面白い。お前の方を落としてあげるよ」

「へぇ、やってみなよ」

「あのー、挑発をやめてください。この不戦負にしますよ」


:こいつらwwww

:幼馴染相手だったら、ルミナってこんな感じになるんだね

:幼馴染ってより、相手がベオだからって気がするけどな


「はぁ、埒が明かない。待ってるのもあれですし、始めましょうか。……それでは! 第九戦、ベオ・オーリスVSルミナ・セレスティア! はじめ!」


:二人ともがんばれ!

:どんな勝負になるんだろか?

:ルミナが化けそうな気がする!


「大問一、今から五問出します。早押しで答えなさい。第一問、1+1=10 が正しい世界を前提としたとき、3+2 の答えを求めよ」


ピンポーン!


 ルミナ先輩がチャットが打たれるより早く、ボタンを押す。


「101」

「正解です!」


:は?

:どういうこと?


「チッ、二進数か」


:そういうこと!?

:気付くベオも凄いな

:でも、ルミナは早すぎ


「勝つんじゃなかったのか?」

「まずは様子見、ここからだよ」


 こうして、第九戦は幕を上げたんだ。


――――――――――――――――――――――――


(相変わらず、冴は早いよね)


 ボクは、改めて冴の天才さを実感していた。

 驚きはない。でも、勝てる気が全くしなかった。


(はぁ、ボクも結構勉強していたんだけどね……いや、この場合は勉強じゃなくて、頭の柔らかさか)


「第二問、日本の最南端の島は――」


 ボタンを押す。冴に勝つためには、多少のミス覚悟で攻めないといけないから。


「沖ノ鳥島」

「不正解です」

「波照間島」

「正解です」


(そっちか……)


 波照間島は日本で最南端の有人島。つまり、この問題は、最南端の有人島について問う問題だったのだ。


(やられたよ)


 速度を求めてせいで、間違えてしまう。しかも、これは予測できた。

 ルミナがいる以上、簡単な問題なんて、出るはずがないんだから。


「第三問、一般相対性理論において、重力は何の曲がりとして説明される?」


ピンポーン

ピンポーン


 ほぼ同時、でも冴の方が少し早い。


「時空」

「正解です」


:は?????

:二人とも早すぎだろ

:問題を最後まで聞かせてくれ


「三対0だな」

「アハハッ! もう勝った気でいるの? 慢心しすぎじゃない? あ、そうそう、これって何問あるの?」

「大問一が五問、大問二が八問あって、それで終わりです」

「ほら、まだまだ、ボクが勝つ可能性は残っているよ」


:でも、この調子じゃきついだろ

:ベオも常人からしたら、すごく早いんだけどな

:まじで、相手が悪い


(まずいな、これ。ちょっとだけ想定を超えてる。ボクが負けることは許されないんだから、もっと頭を回転させろ)


 本来なら、三問目までに一問は正解しているはずだった。

 でも、それすら冴は上回っていて、勝てる気がしない。でも、弱音はここまで、後輩や同期がつないでくれたものを、そう簡単に落とすわけにはいかない。


「第四問、黄色信号の法律上の意味は?」


 これも、冴の方が早い。


「停止。ただし、安全に止まれない時だけ進んでいい」

「正解です」


:え、そうだったんだ

:普通に通ってた

:お前ら家から出るんだな

:は?

:喧嘩売ってる?


「違反した場合は2点の減点と7,000円の反則金が科せられるんだっけ?」

「そうだ。お前は守っているのか?」

「ノーコメント」


:おい!

:狂狼!?

:お巡りさん、この人です


(そもそも、車乗らないし)


 まったく、何でこのボクが違反していると思っているんだろうか? ちゃんと話を聞いてほしいな。……まぁ、そんなことはどうでもいい。今一番重要なのは、次の問題を正解することだけだ。


「年周視差で距離を測るときの基準距離単位は――」

「約3.26光年」


:はやっ

:問われているのは単位だから、間違いだろ

:やっと間違えた!


(……違う、冴は――)


「せ、正解です」


:え? なんで??

:問題に続きあったの?


「は、はい。年周視差で距離を測るときの基準距離単位はパーセクですが、1パーセクは何光年でしょうか? という問題でしたから」


:まじ?

:予測してたのか……

:確かに、二問目は同じような引っかけだったけど


「これで、五対0だな」


 この勝負は、大問二を合わせて全部で十三問。あと一回しか、点を取られることは許されない。

 それを、冴という天才相手に成し遂げるのは、本当に難しいこと。……それは、ボク自身が一番わかっている。

 でも――


(それが何? ボクは、あの時誓ったんだ。冴を、あの場所から引きずり堕とすって)


 それが、ボクが生まれた理由で、何があったとしても成し遂げないといけないこと。

 だから、こんなピンチくらい超えて見せる。そうでもしないと、冴には絶対に勝てないんだから。


「それでは、大問二に行きます」


(だから、宙からボクのことを見てなよ。日向美咲)


 原点を思い出す。

 ボクが、狂狼になった……あの日のことを。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ