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TS転生したぼっちJK、陰キャの僕がVtuber事務所で仲間と成長していく話  作者: 月星 星成
最愛の君へ

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Fromツバサ&ヒナタ

「さぁ、次は第五戦。大塚ツバサ&日南田ヒナタVSルミナ・セレスティア。ここからは、二対一だったりするから、とっても結果が気になるよね!」


:二対一!?

:ルミナ一人で大丈夫なのか

:いや、むしろツバサとヒナタが心配


「ということで、ルミナに意気込みを聞いてみようか!」

「何人で来ようとも、何一つ問題ないが?」

「……うん、知ってた」


:ですよねー

:ただ、嫌な予感がする

:大体ヒナタのせい


「じゃあ、ヒナタたちにも意気込みを聞いてみようか」

「はーいっ!」


 真っ先に手を挙げたのはヒナタだった。

 その顔は、勝負前とは思えないほどキラキラしている。


「えっとね、私は最っ高に楽しんで見せるよ!」

「楽しむだけじゃなくて、勝利することも目指さないと」

「じゃ、勝って最っ高に楽しむってことで!」


:明るいなぁ

:陰よりの人が多いからな

:癒しだね

:癒しにしては明るくてうるさすぎるが


「それで、ツバサはどうなの?」

「アタシ? アタシはね……勝って悔しがるルミナ先輩の顔が見たいなって。ほら、ルミナ先輩って美人だけど、表情がほとんど変わらないじゃないですか。だから、いつもと違う顔も見てみたいんですよ」

「へぇ……」


:終わってんなコイツ

:汚点だから

:なんか殺気のようなものを感じたぞ!

:ベオ?


「べ、ベオ先輩。どうかしましたか……?」

「いいや、ボクは何とも思ってないよ」

「信用できませんって!」


 なんか、初めてベオ先輩から怒りのような物を感じた気がする。

 だって、あの人はいつも飄々とした態度をとって言うイメージで、何を言ったとしても怒るイメージが無かったからだ。

 けれど、今確かに怒りのようなものを感じた。だから、少しだけ驚いてしまった。


「じゃ、さっそく勝負を始めようか」

「べ、ベオ先輩……?」

「後ろが詰まっているんだ。さっさと動きな」

「は、はい!」


:ツバサ、なんか地雷踏んだんだろうな……

:どんまい

:相変わらず不憫だ


「で、どんな勝負をするのかい?」

「はい! わたしたちは、フリカで! ルミナ先輩に挑戦しようと思います!」

「アハハッ! 相変わらずヒナタは元気だね。いいよ、それじゃあ始めよっか」

「……ベオ先輩って、ヒナタに甘くありません?」

「うるさい、黙れ」

「なんでぇぇぇぇ」


:ツバサ、また怒られてて草

:ベオのヒナタ贔屓が露骨

:ツバサは今日ずっと不憫

:いつもだろ


「ということで、第五戦。はじめ!」


 ベオ先輩の掛け声と共に、第五戦が始まる。

 コースは、レインホーロード。有名なコースであると共に、すぐコースアウトしてしまう難しいコースだった。


「このステージは苦手だなぁ」

「え? そうなの? 面白いのに」

「……ヒナタならそう言うよね」


:草

:難しいからね

:ヒナタはこういうの好きだから


「る、ルミナ先輩は?」

「苦手なコースなど無い」

「ですよねー」


:ツバサ、どんまい

:これは戦力外では?

:青甲羅とか使えるから……


 そして、試合が始まった。コース上にいるのは、ルミナ先輩たち三人と、人数合わせのために、NPCが数体いる。もし、NPCが一位になった場合は再試合になるものの、NPCが青甲羅を投げることもあるため、無視できるほどの存在ではない。


「ちょっと! NPCに赤甲羅投げられたんだけど!」

「え? 今何位?」

「十一位……」


:wwww

:ルミナとヒナタは一、二位なのにww

:どんまい


「うっ。ま、まぁ、このゲームは逆転こそが醍醐味だし!」

「そうだな」

「そうだね! それでこそツバサだよ!」


 ツバサ先輩は、スタードダッシュこそ失敗したものの、何とか立ち直ってまた走り出す。ルミナ先輩たちとはかなり距離が離れているが、まだ逆転できる距離だ。


(がんばってください)


 心の奥底で、そっと願う。

――その瞬間。


「ちょっ……なんで!? なんでまた赤甲羅飛んでくるんですか⁉」


 ツバサ先輩の悲鳴が響いた。

 また後ろのNPCから赤甲羅が飛んでいて、見事――ツバサ先輩に直撃する。それはもう、とてもきれいに。芸術とも言えるほど。

 なんで、こんなにも不憫なんだろうか?


:wwwww

:これ、もはや一対一だろwww

:戦力外通告www


「しくしく……」

「あ、赤甲羅回避できた!」

「やるな」

「もう、アタシのことを気にかけれくれない……」


:どんまい

:ヒナタって子供みたいなもんだから

:いいことあるよ


 ツバサ先輩がそう落ち込んでいるころ、ルミナ先輩とヒナタ先輩は激しいトップ争いをしていた。

 その争いは、一度も逆転したことが無いが、お互いの距離はほとんどは慣れていない。もちろん、ルミナ先輩は凄腕だったのだが、ヒナタ先輩の腕前が予想をはるかに超えるものだったからだ。


「ヒナタ、そこまでうまかったのか」

「うん、昔やり込んでたからね!」

「今は?」

「飽きたからやってない!」

「……」


 なぜ、これほどまでに鍛え上げたものを、飽きたからと言って捨てられるのだろうか? いや、ヒナタ先輩はその場の興味や好奇心に従って生きている人であり、そのような生き方をしているからこそ、ここまでうまくなったのだから、仕方がないことなのか。

 少し持ったいないなとも思うけど、そこがヒナタ先輩の強みであるから仕方がない。


 その時――


「はい、最っ高のプレゼント!」


 後ろから、青甲羅が投げられた。


:ツバサが投げた⁉

:今、一番なのはルミナだよな!

:ナイスサポート


 青甲羅がルミナ先輩めがけて飛んでいき、直撃する。いくら、あのルミナ先輩でも、一位であるがゆえに強いアイテムを持てない状況では回避することが出来ない。

 そして……。


「よしっ!」


:ヒナタが前に出る!

:すげぇ

:勝てるぞ!


 差はどんどん開いていく。ルミナ先輩が止まっている間にもヒナタ先輩は進んでいき……いや、ルミナ先輩はNPCにすら抜かれる。それほどまでに、ツバサ先輩の青甲羅は致命的だった。

 とは言え、まだレースの前半。まだルミナ先輩が逆転する可能性があるし、NPCが青甲羅を投げて、ヒナタ先輩に直撃する可能性もある。だから、まだ油断できない。


「わーっ! このカーブ懐かしい!」


 ヒナタ先輩は楽しそうにスティックを倒し、ギリギリのラインを寸分の狂いもなく走り抜けた。


:ヒナタ、ガチでうまい

:ライン取りがプロ

:なんで、今までこのゲームをしてこなかったんだ?


「ヒナタ、そこまで精密に走れるのか……」

「うん! 昔はね、毎日やってたからね!」

「今は?」

「飽きたからやってない!」

「……」


 その“飽きた”の一言で、どれだけの才能が埋もれたのか考えると、少しだけ胸が痛む。

 けれど、ヒナタ先輩はそんなこと気にしない。

 ただ楽しいから走る。

 それが彼女の強さだ。


「……ふぅ」


 ルミナ先輩はようやく動き出したものの、 すでにNPC三体に抜かれていた。


「やっとか。青甲羅に対処するために、ヒナタとの差を狭めるべきだったか」


:確かにな

:でも、結果論だしな……

:たぶん、今のに正解はない


「よしっ! このまま逃げ切るよ!」

 

 ヒナタ先輩はさらに加速し、ルミナ先輩との差はどんどん広がっていく。

 ルミナ先輩も、何とか食らいついてはいるものの、周りのNPCの妨害もあり、中々前に進めていない。今までの勝負で、基本的に運が良かったルミナ先輩だが、こんな時に限って運が無かった。


「……金キノコか」

「あっ。はい、テルサ」

「……」


:wwww

:ツバサ、うまっ

:これはムカつく


 ルミナ先輩が金キノコを手に入れた時、下位のツバサ先輩がテルサを使って、アイテムを奪う。

 この行動のせいで、ルミナ先輩は加速する手段を失ってしまい、ヒナタ先輩との距離をより離されてしまう。


 けれど、ルミナ先輩はルミナ先輩だった。

 アイテムなんかに頼らなくても、ルミナ先輩は自分自身の腕前だけで距離を詰めていく。もちろん、ヒナタ先輩が下手というわけでは無いのだが、ルミナ先輩はそれすらも超えていたのだ。


 一周、二周……そして、三周目。これがラスト、もう後は無い。

 ヒナタ先輩が一位、そして、そのすぐ後ろにルミナ先輩がいて二位。ツバサ先輩は……相変わらず八位前後をウロウロしてる。でも、どんなアイテムを持っているのかは予想が出来ず、とんでもない出来事を起こしかねない。


「あと……ちょっと!」


 ゴールが見えて来た。あとちょっと、このままいけば……。


「最っ高に、楽しまなきゃね!」


 ヒナタ先輩がキノコを使い一気に加速する。これでルミナ先輩は追いつけないはず……。

 けれど、そうならなかった。


「よし」


 ルミナ先輩が、コースの側面を走る。それも、アイテムを使わずに。

 ルミナ先輩のカートは、まるで吸い付くように側面を滑り、一直線に加速していく。


「えっ……?」


 ヒナタ先輩が思わず振り返る。


:ルミナ、側面走り!?

:そんなラインある!?

:いや無理だろ普通


 そして――


「ごめんね、残していたんだよ」


 ルミナ先輩が、順位を落としていた時に手に入れていたスターを使う。

 その加速で、ヒナタ先輩を追い抜き、差を開いていく。


「ちょっと待って、サンダーが使いえない!」


 スターを使っているルミナ先輩には、サンダーのような妨害アイテムが使えない。だから、ツバサ先輩は何もできなかった。


「頑張って、ヒナタ!」

「うん、任せて!」


 ヒナタ先輩が全力で食らいつく。

 何とか耐える。でも、差が縮まらない。


:がんばれ!

:あとちょっと!

:もう少し!


 視聴者のコメントが画面を埋め尽くす。


 ヒナタ先輩のカートが、ルミナ先輩の背中を――ほんの少しだけ捉えた。


 けれど。


 スターの輝きが消える前に、ルミナ先輩は最後のストレートへと飛び込み――


「……っ!」


 ルミナ先輩がゴールラインを切った。


「……ふぅ」


 ルミナ先輩は静かに息を吐く。


「負けたぁぁぁぁぁ!!」

「アタシ……何もできなかった……」


:熱すぎる

:名勝負だった

:ヒナタ惜しい!

:ルミナ強すぎる

:ツバサは……うん……


「第五戦、日南田ヒナタ&大塚ツバサVSルミナ・セレスティア。ルミナ・セレスティアの勝利!」


 ベオ先輩の声がスタジオに響き、第五戦はルミナ先輩の勝利で終わる。

 一勝四敗、もう後が無い。一回も、負けは許されない状況になってしまった。

 


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ヒナタキショい なろう系の最たる物
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