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TS転生したぼっちJK、陰キャの僕がVtuber事務所で仲間と成長していく話  作者: 月星 星成
最愛の君へ

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急なコラボ1

「筋肉、筋肉こそがすべてを解決する!」

「ははは、そうですね……」


:コウジ、変わらねぇな

:社長、諦めたな……

:女子組のことを考えてくれ


「ティアさん、何でこんなことになったんですかね?」

「……知らない」


 僕は、コウジ先輩や社長、そしてティア先輩とコラボすることになっていた。

 なんで、こんなことになったかというと、時は少し遡る。


 ……その時は、学校が終わって、やっと家に帰って来た時だった。

 手洗いとうがいをした後、部屋着に着替えてスマホを見てみると、そこには一件のメッセージが来ていたのだ。


 ――――――――――――

 ベオ・オーリス

 今日、時間ある?

 ――――――――――――


 莉緒さんからのメッセージ。それには碌なものな印象は無いんだけど、一応立派な先輩からの連絡ということもあって、無視することは出来ない。


 ――――――――――

 朝霧ノア

 暇ですけど……?

 ――――――――――

 ベオ・オーリス

 本当に? それならよかったよ。

 今日のコラボを勝手に組んでおいたから、頑張ってね

 ――――――――――

 朝霧ノア

 え? どういうことですか?

 ――――――――――

 朝霧ノア

 返事をしてください!

 ――――――――――

 ベオ・オーリス

 あ、時間は一時間後ね。

 配信枠は社長が取ってくれてるし、コウジも呼んである。ティアも巻き込んだから安心していいよ

 ――――――――――


 安心できる要素が一つも無い。……いや、むしろ不安しかない。

 慌ててスマホを握りしめたまま、僕は頭を抱えた。


「勝手に組んだって……どういうことなの?」


 そう問いかけても、誰も答えを言ってくれない。

 直後、通知音が鳴り響く。


 ――――――――――

 金剛コウジ

 よろしく頼む

 ――――――――――

 社長

 すみません、うちのベオさんが……

 ――――――――――

 ティア・ヴァレンティン

 ……よろしく

 ――――――――――――

 

 それらのメッセージを見て、僕は深いため息をつき、机に突っ伏した。

 

「……はぁ、もう逃げられないのか」


 結局、こうして僕はコウジ先輩の筋肉トークに巻き込まれ、社長の諦め顔を見て、ティア先輩の圧を浴びることになったのだった……。


「そう言えば、配信で一期生から三期生がコラボをするのは初めてでしたっけ?」

「確かにそうですね、今までは一期生と三期生という形のような部分的なコラボでしたから」


 僕の問いに社長が答えてくれる。

 たぶん、このコラボの中で一番頼るべきなのは社長なんだろうな。コウジ先輩は、代表的な二期生ってイメージだし、ティア先輩は……積極的に助けてくれることは無いだろう。


:確かに!

:ありそうでなかったんだな

:先輩や後輩同士も仲がいいんだろうけど、一番仲がいいのは同期だろうから

:社長は例外なんだろうけど、忙しいからコラボする回数が少ないんだよな……


「それで、今日は何をするの?」

「え? ティア先輩も知らないんですか?」

「……ベオに無理やりコラボの予定を入れられたから」


 あの人、本当に何をしているんだろう? 僕だけじゃなくて、ティア先輩にも同じようなことをしているなんて……。


「あぁ……一応、僕が考えておきましたよ。僕もコラボをするとだけ伝えられていましたが」

「俺も同じだな」


:wwww

:何やってんの? あの狂狼

:アイツはそういう奴だ


「まぁ、あの人のことだから、何か目的があるのでしょう。それよりも、これから何をするのか言いますよ」

「そうですね……。気にしても無駄だと思いますし」

 

:それはそう

:何するのかな?

:楽しみ!


「今日、皆さんとやろうとしているのは、この『スフラトゥーン』です!」


:おお!

:いいね!

:四人いるし丁度いいよ


「このゲームを皆さんはやったことありますか?」

「私は一期生とやった」

「俺は少ししか触ってないな」

「……野良となら」


:ティアが友達とゲームをした、だと……

:(一期生を友達とカウントしていいのか?)

:コウジは、筋トレしかしないイメージだから解釈一致

:ノア、野良としかしたことが無いって……


「うっ、社長は誰かとしたことはあるんですか?」

「僕ですか? 一期生や初期からいる社員さんとなら、一緒にやったことはありますよ」

「そこは二期生とやれよ」


:www

:ティア、ナイスツッコミ

:社長は二期生だよな


「……二期生で集まって何かをするのは無理ですよ」

「ああ、俺もそう思う。俺たちは、別方向を向いているせいで、協調性が無いからな」

「……シュウ先輩もいてもですか?」

「シュウさんは、後ろから見守るタイプなんで、みんなを纏めることはしないんですよ」

「あぁ……」


 その説明で府に落ちた。

 思い返してみれば、二期生の人たちは良い先輩方ではあるけど、自分の好きなことに特化したような人物ばかりであり、例外ともいえるシュウ先輩は、その様子を楽しみながら眺めるような人だったんだ。

 そんな人たちを纏めるなんて、社長でも到底出来そうもない。


「それでは、始めますよ」


 そうして、僕たちはゲームを起動し、チームを組んで試合に潜っていく。

 このゲームは、イカがインクを撃ち合い、フィールドを塗り合って陣地を広げていく――いわゆる陣取りゲームだ。


「みんなは、どんな武器を使っているんですか?」

「私は、ホッドブラスター」

「僕は、スフラマニューバーですね」

「俺は、ホクサイだな」


:ティアって、ブラスターのようなロマンがある武器が好きだよな

:社長は……うん、有名だから使っているだけか

:コウジはローラー系だと思ってた


「コウジ先輩は、なんでホクサイを使っているんですか?」

「筋肉だからだ」

「???」

「連打するのに筋肉を使うだろう?」


:????

:それは、そうだけどさ

:指程度だろ!


「前かラ思っていましたけど、なんでコウジ先輩は筋肉のことばかり考えているんですか?」

「人間は簡単に裏切るが、筋肉は絶対に裏切らないからだ」

「重い過去がありそうで、何も言えない……」


:草

:配信での言動からして確実にあるんだよな……

:でも、今はとても楽しそうにしているから、ほんと良かった


「あ、敵が来ましたよ」

 

 そんなことを話している内に、敵チームが画面の端から僕たちの所へと攻め込んできた。

 彼らは、手にローラーやチャージャーを構え、勢いよくインクを撒き散らしながら突っ込んでくる。


「さっさと倒すよ」


 ティア先輩がそう言って、彼らの方へ弾を打ち込んでいく。その爆風のおかげで、敵たちの足が一瞬止まり、僕たちが気持ちを切り替える時間が生まれた。


(僕は、フライムシューターだから、しっかり敵を倒さないと)


 僕もティア先輩と同じように、敵に向かって弾を打ち込んでいった。

 この武器の射程は中距離だから、うまく使えば一方的に打ち続けることができ、どんどん敵を後退させていく。


「ノアさん、その調子です」

「悪くない」


 社長やティア先輩が、僕の働きをを肯定してくれる。その言葉に胸が熱くなり、指先に力が入った。

 そして――。


「まずは一人だ」


 コウジ先輩が、ホクサイの足の速さを利用して、敵の後ろに回り込み、敵の一人を倒した。


:ナイス!

:コウジって脳筋では無いんだよな

:案外、理性的


「ふっ、これは筋肉の力だ」

「筋肉というより、頭脳では……?」

「どうでもいい話をしてないで、ノアもせめて」

「あっ、はい!」


 ティア先輩に促され、僕もみんなと一緒に攻め込んでいく。

 コウジ先輩が敵の背後で注意を集め、僕とティア先輩の武器が圧力をかけて前線をどんどん上げていく。

 また、社長がスライドを使って敵の横へと回り込み、的確に一人を仕留めていく。

 

「もう一人倒し増した。今のうちにどんどん攻めていきましょう」


 そうして、僕たちはコウジ先輩と社長のおかげで出来た人数差を利用して、さらに陣地を増やしていく。

 

:ナイスコンビネーション!

:いい感じじゃん

:あれ? こんなに協調性ってあったっけ?


 そうして、僕たちは生まれた人数差を使って、試合を有利に進めていき、敵に逆転の隙を与えなかった。

 案外、コウジ先輩やティア先輩のサポート力は高く、僕のちょっとした隙も埋めてくれる。だから、僕たちは常に優位に保って、試合を進めれたのだ。


「よし、これで時間終了ですね」

「ああ、これは絶対に勝っただろ」


 試合結果は――七十二%対二十七%で僕たちの勝だった。


:イエーイ

:勝利おめでとう!

:チームワーク良かったよ


「ふん、私たちは最強」

「筋肉を信じれば、不可能など無い!」

「……筋肉は関係ありませんよ」

「はははは……」


:まぁ、コウジは大活躍したから

:ほんと、裏どりが凄くうまかった

:……筋肉関係なくね?


「それなら、次はガチバトルをしよう。ナワバリは今ので充分」

「確かにそうですね。変化がある方が視聴者も見ていて楽しいでしょうし」


 そうして、ティア先輩がゲームモードを変えていく。

 ……この時の僕は、まだ気楽だった。今の試合で、先輩方は協調性があり、しっかりとしたチームワークを見せてくれたせいで、このチームでも勝つことが出来ると錯覚してしまっていた。

 だから、これから起きることなんて想像していなかったのだ。

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