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第8話

 建物の中にあったダンジョンの入り口は巨大な石で作られた門だった。門の中央には黒い金属製の壁があり、アレス達の前に並んでいた冒険者達がその黒い金属製の壁に触れると、冒険者達の姿は金属製の壁に吸い込まれるように消えていき、それを見ていたアレスが興味深そうに呟く。


「へぇ……? この星のダンジョンはああやって入って行くんですね?」


「……? とにかく早く行くよ。後がつかえているからね」


 アレスの呟きに僅かに怪訝そうな表情を浮かべたティオだったが、すぐに気を取り直すとアレスとコトリと一緒にダンジョンの入り口である黒い金属製の壁に触れる。すると次の瞬間、アレス達の視界が黒く染まり、次の目を開くとそこは先程までいた建物の中ではなく、ダンジョンの内部であった。


 ダンジョンの内部は通路に壁、天井の全てが石造りの建物の中で、壁と天井の一部の石が青白い光を放っているため灯りはあるが薄暗く、通路の両端にある溝には水が流れている上に通路も壁も水で濡れているせいか湿度も高く、僅かに霧が漂っていて肌寒く感じた。


「ここがダンジョン……?」


「そうさ。ここが今日の私達の仕事場であるダンジョン、通称『フォーシ・アロールの迷宮』さ」


「……フォーシ・アロールの迷宮? それって誰が名付けたのですか?」


 ダンジョンの内部を見回しながら呟くアレスの言葉にティオが答えると、二人の会話を聞いていたコトリがティオに尋ねる。


「ああ、そのことかい? ……実は過去に一度、一組の冒険者のパーティが『ダンジョンマスター』の所に辿り着いたことがあるのさ」


 ダンジョンマスター。


 それはダンジョン自身に選ばれたダンジョンの管理者で、ダンジョンマスターはダンジョン内部に存在しているモンスターに罠、そしてダンジョンの最奥に封印されている存在の力の一部を用いてダンジョンの侵入者を排除しているのだが、ほとんどのダンジョンのダンジョンマスターはその正体が不明とされている。


「それでそのダンジョンマスターは冒険者のパーティに『私はフォーシ・アロール』と一言だけ言ってから戦いを仕掛けてね、冒険者のパーティは惨敗。唯一生き残った冒険者がこの話をしたことからフォーシ・アロールの迷宮って呼ばれるようになったのさ」


「なるほど。……それでこのダンジョンのダンジョンマスターはどんな姿をしていたのですか?」


 ティオの話を聞いたアレスが納得したように頷いてから聞くと、ティオは明らかに嫌そうな顔となって答える。


「……タコって生き物を知っているかい? あの全身の骨が無くてグニャグニャしている上に表面がヌメヌメしている気持ちの悪い生き物。そのタコに似ている頭部と下半身をしていて、だけど上半身は私達人間と似ているっていう、意味不明で気持ち悪い姿さ。……私は会いたくはないね」


「……そうですか? タコ、美味しいですよ?」


 どうやらコトリがいた星ではタコは立派な食糧だったようで、彼女が首を傾げてそう言うとティオは信じられないと言いたげな表情となってコトリを見る。


「うげ……!? 美味しいってタコなんて食べられるのかい?」


「……食べられます。美味しいです。それより、そのダンジョンマスターはどんな戦い方をするのですか?」


 コトリがティオにダンジョンマスターはどの様にして冒険者のパーティを撃退したのかと聞くと、ティオは頭をかきながら申し訳なさそうに答える。


「ごめんよ。それに関しては全く分かっていないのさ。生き残った冒険者の話だと、突然他の冒険者の身体が爆散したらしい……」


「爆散? ダンジョンマスターは俺の様に無反動砲みたいな武器を使っていたのですか?」


 今度はアレスが自分の無反動砲を見せながらティオに聞くと彼女は首を横に振った。


「いいや。奴……ダンジョンマスターは武器の類いは持っていなかった……らしい。ただそこに立っていて視線を向けただけで、冒険者の身体を爆散させたそうだ」


「視線を向けただけで敵を爆散させるとは……恐ろしいですね」


「まあね。だけどそれ以来ダンジョンマスターに会ったっていう冒険者は出ていないし、その冒険者のパーティもダンジョンマスターの所に辿り着けたのは単なる偶然らしいからね。そこまで気にする必要はないよ」


 アレスの言葉に返事をしたティオが左手の手袋をめくり、左手首に装着していた機械を操作すると、彼女の前に立体映像の地図が現れた。

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