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短編小説

二度目の人生に、愛はいらない。もう、すべての愛は捧げてしまったから

「リナリアお嬢様!」


 まぶたをゆっくりと持ち上げ、視界に映る天井をぼんやりと見つめる。耳に届いた侍女の声が、どこか遠くから響いてくるようだった。


「お嬢様がお目覚めになりました!」


 バタバタと足音が部屋を駆け抜けていく。わたしは深く息をつき、ゆっくりと起き上がった。

 ベッドの向かいに設置された鏡に映る自分を見つめる。明度の高い、柔らかな金色の髪が肩からさらりと流れ、静かな湖面のようなエメラルドグリーンの瞳が、じっと自分を見返していた。


 リナリア・ファリアス。十七歳。神聖エルマリア帝国の歴史ある貴族の血筋にして、強大な魔力を持っている。


 それが、わたし。いや、()()()()()()()の名前だ。

 ――もともとの、わたしの名前は……。


「思い出せない……」


 呆然とつぶやいて、こめかみを押さえた。名前だけではなかった。かつて、わたしがどんな姿をしていたのか、それももう曖昧だ。何もかもがもう、遠い世界のようにぼんやりとかすんでいる。


 ――これは、わたしにとっての二度目の人生のはじまりだった。



 ◇ ◇ ◇



 わたし――いや、かつてのリナリアは、ここ数カ月間、通っていたサンハース士官学校へ行くことができず、部屋からも出られない日々を送っていた。

 何をやっても治らない頭痛と吐き気。医師から処方された数週間分の薬を、一人きりの時間に、喉の奥へ流し込んだ。意識を失い、呼吸が止まる。

 そんなリナリアを発見したのは、リナリアつきの侍女だった。慌てて駆けつけた彼女だが、息絶えた様子のリナリアを前に、もう手遅れだと真っ青になったらしい。

 しかし、神殿から派遣された聖女の解毒魔法で、リナリアの呼吸はかろうじて戻った。が、意識はしばらく戻らなかった。


 ――そして数日前、目を覚ました。だが、目を覚ましたのはリナリアではなく、()()()だ。


 リナリアはもう死んでしまったのだ。彼女の体に、わたしの魂が入って生き返った。それを知る者は、誰一人いない。


 リナリアには父母と兄姉がいる。彼らは誇り高き貴族として、魔力も知能も高い。しかしその一方で、冷徹で、血筋に誇りを持つがゆえに、リナリアのような「落ちこぼれ」を重んじることはなかった。医療的な処置や必要なものは義務的に与えられたが、愛情が注がれることはなかった。


 だが、わたしはそのファリアス家の誰もが予想しなかった言葉を口にした。目を覚ましたその日、義務的に部屋に集まっていた家族に、落ち着いた声でこう言ったのだ。


「もう、ご心配はおかけしません。明日から学校へ戻ります」


 それは、わたしの決意の表れだった。リナリアの悲しい人生を繰り返さないために。


 リナリアを軽んじていたのは家族だけではない。学校でも同じだった。

 リナリアは恵まれた家柄と魔力を持っていたにもかかわらず、それを使いこなせなかった。だから軽い存在として扱われた。

 誰も助けてはくれなかった。優しさは評価されず、弱い者は価値が低いからだ。貴族として通うべきこの場所は、リナリアに決定的に向いていなかった。


 今のわたしなら、そのことも理解できる。

 かつての人生で、もっとひどい状況を見てきたから。弱くては生きていけないことを、身をもって知っていた。

 リナリアは、あまりにも優しすぎたのだと思う。それは素晴らしい美徳であるのに、不幸にもリナリアを守ることができなかった。


 人が変わったように(実際、変わったのだが)落ち着き払った様子で復学したリナリアを、生徒たちは眉をひそめて、遠巻きに見ていた。


 学校に戻ると、ちょうど試験が始まるシーズンだった。

 リナリアの記憶は完璧だった。わたしは座学の試験で満点を叩き出した。

 いつも中間から少し下くらいの成績だったリナリアが、いきなりトップに躍り出たことで、「不正じゃないのか?」ともささやかれたが、どの授業でどの教師が質問しても、すべてを完璧に答えるわたしの姿を見て、その疑念も消えていった。


「今まで、できないふりをしていたの? わたしたちを、馬鹿にしていたのね」


 一部の生徒たちは、直接、そんな言葉を投げつけてきた。

 その言葉に、わたしは一瞬だけほほえみ、静かに答えた。


「くだらない」


 わたしの目が、今までとは違う光を放っていることに、彼女たちは気づいたのだろう。恐怖を感じたようにひるみ、それからは無駄に絡まれなくなった。


 実技試験でも、わたしはリナリアの力を完全に解放した。

 これまでのリナリアとは違い、槍を手に取り、対戦相手に堂々と対峙する。強い光魔法を使いこなし、閃光のように相手を薙ぎ払っていった。

 試験が終わる頃には、周囲がその変化に驚愕しているのがわかった。


「リナリアに、まさかこんなことができるなんて……」


 ずっと、「何もできないリナリア」と言われていた。

 違う。リナリアは、ただ戦うことを避けていただけだ。争わないように、目立たないようにと、必死で自分を抑え込んでいた。

 リナリアは優しすぎた。あまりにも優しすぎた。


 ふと考えた。リナリアは、なぜあんなにも苦しまなければならなかったのか。どうしてあんなにも心を押し殺し、あのまま死んでしまったのか。

 それを思うと無念で、わたしは胸を締めつけられた。ともに生き、守ってやれなかったことが、むなしく思えてならない。


 だが、リナリアの魂は今、どこかで生まれ変わり、これからは愛に包まれた幸せな家庭で生きるのだと聞いた。そのことがわたしを慰める。

 それを教えてくれたのは、わたしに二度目の人生を与えた、わたしたちの神だった。



 ◇ ◇ ◇



 リナリアとして生まれ変わる前。

 気がつくと、わたしは明るい夜空の中で佇んでいた。周囲には、こぼれて落ちてきそうなくらい、たくさんの星々が美しくきらめいている。

 星の海の中で、不思議な感覚に包まれて、自然と、わたしは自分が死んだことを理解した。


『やあ、■■■■。おかえり、ぼくのもとへ』


 目の前には、深い群青色の長い髪と、星の光を宿した青い瞳を持つ青年がいた。その姿は、男性とも女性とも言い難く、ただただその美しさに圧倒されるばかりだった。


「……星のアリオス」


 わたしはその名を、かすかにつぶやいた。(アリオス)はにっこりとほほえみながら、穏やかに答えた。


『そうだよ、ぼくだよ』

「わたしは死んだのね」

『きみは、こんな時でも冷静だね』

「死後は、誰でも星のアリオスのもとに還ると教わったから。……わたしはこれから、どうなるの?」


 アリオスは手を挙げ、離れた場所を指し示す。


『ぼくの指さす先に、新しい命が待っている』


 星の海から一枚の扉が現れた。

 扉が静かに開かれると、温かな光が溢れ出す。その光があまりにも心地よく、わたしは思わず引き寄せられるように足を向けた。

 けれど、歩き出したわたしを、アリオスの声が止めた。


『待って。きみには、お願いがあるんだ』


 扉がぴたりと閉じ、わたしは足を止めて、アリオスの方へ向き直った。


『本来なら、ここから新しい命が始まる。でも、きみには少し違う道を歩んでもらいたいんだ』

「違う道?」

『うん。実は今、魂が空の肉体が一つあってね。魂は死んだけれど、ラディアの力でその肉体はまだ死んでいない。きみには、その体で、もう一度生きてほしい』


 世界のもう一柱、海のラディア。海のラディアは生命の器としての肉体を作り、星のアリオスはその器に魂を宿す――それが二柱の神の役目だった。


『ラディアが悲しんでいるんだよ。せっかく特別な力のある器を用意したのにって』


 そこでアリオスは、リナリア・ファリアスのことをわたしに教えてくれた。


『ラディアにとってリナリアが特別であるように、ぼくにとってもきみは特別なんだ。きみはとても強い魂だ。特別な生き方をしてほしい』

「わかったわ」

『少しは抵抗しないのかい?』

「神を信じなさいと、わたしたちを育ててくれた修道院で教わったから」


 アリオスは嬉しそうにほほえんだ。


『それは嬉しいな。じゃあ、きみに彼女(リナリア)の記憶を渡そう。■■■■の記憶は残しておく?』


 あまり良い人生ではなかったように思う。それでも、完全に忘れたいとは思わなかった。


「できるなら」

『わかった。でも、新しい命を歩むためには、いくらか忘れなければならないよ。二つの記憶が、きみを生きづらくすることがないように』

「無理のない範囲で構わないわ」


 不思議と、不安はなかった。アリオスは優しく包み込むような声で言った。


『きみはとても大変な人生を送ったから、幸せになってほしい。今度はリナリアとして、愛する人と』


 その言葉に、わたしは少し考えた後、答えた。


「愛はもう、いらないわ」


 アリオスの顔が一瞬、驚きに変わった。神でも驚くのか――わたしは思わず少し笑い、それから言った。


「わたしの愛は、あの人にすべて捧げてしまった。他の人を愛することはないわ」


 アリオスは困ったような表情をした。


『ぼくは、きみには幸せになってほしいんだよ』

「貴族の身分、高い魔力。それだけで十分よ。大丈夫、亡くなったリナリアの代わりに、しっかり生きるわ。でも――」


 わたしは、もっとも気になっていたことを質問した。


「リナリアの魂はどうなるの?」


 アリオスは優しくほほえんだ。


『大丈夫だよ。彼女も生まれ変わる。温かい、愛に満ちた家庭に。きっと幸せになると思う。今度こそね』


 その答えを聞いて、わたしは心から安心した。それならもう、何も言うことはない。


「良かった。だったらわたしも、もう行くわ」

『そう、わかったよ』


 アリオスの指す方に視線を向けると、先ほどとは別の扉が現れ、静かに開くところだった。

 わたしはその扉に向かって歩き出した。


『ありがとう。ぼくとラディアのお願いを聞いてくれて。いってらっしゃい、■■■■』


 扉の向こう、温かな光の中へ――わたしはゆっくりと足を踏み入れた。



 ◇ ◇ ◇



 一年が過ぎ、わたしは学校を卒業し、帝国軍に身を置いていた。紛争の渦中に飛び込むことを選んだのは、他でもないわたし自身だった。

 過去の人生でも、わたしはいつもそのように生きてきたから。地獄のような状況に身を投じたこともあったけれど、それでも戦わずにはいられなかった。力のある者の宿命だと、今ではそう思う。


 神聖アルマリア帝国は、長年の敵国シャトリアをついに追い詰めていた。アルマリアはシャトリアに会談を提示した。シャトリアを、完全に降伏させるために。

 国境近くの都市で開かれるその会談の間、わたしは会談場所となった神殿の警備にあたっていた。


 夜半の定期巡回の際、ふと、胸にざわめきを感じ、わたしは指定されたルートを外れて回廊を進んだ。一緒にいた数名が驚いたように声を上げる。


「ファリアス様?」

「すぐ戻るから」


 一人きりで、神殿の中庭に足を踏み入れると、木々が夜風に揺れ、月明りが優しく降り注いでいた。

 中央に設置された、神を模した像を見あげる男が一人、そこに佇んでいた。

 わたしの気配に気づいたのか、男はゆっくりとこちらを振り返った。黒く艶やかな髪と同じように、深い黒い瞳がわたしを捉える。

 誰だ、所属を言え。そう言いかけたけれど、その言葉は喉に詰まった。


 胸が苦しい。

 どうしてだろう、懐かしさが胸の奥で渦巻いている。でも、その理由がわからない。


 目の前の彼もまた、驚いたようにその瞳を見開いていた。


「……きみは」


 その声が、わたしの胸に深く響く。まるで何かが目覚めるように、心の中が震えた。深く、切なく、大切な何かが。

 心が乱れた。懐かしさと痛み、そして何とも言えない感情が交錯する。だが、どう考えても、彼の名前も顔も、何も知らない。記憶の中に、彼の姿はない。

 それでも、胸が痛む。まるで忘れてはいけない何かを失ってしまったような気がしてならない。


 彼が一歩、わたしに向かって歩みを進める。


「動かないで」


 わたしは、やっとそう言葉を絞り出した。けれど、彼はわたしの制止を無視して、ゆっくりと近づき、わたしの目の前に立った。そして、じっとわたしを見つめてくる。

 その瞳の中には、懐かしさ、痛み、そして深い愛情が込められているように感じた。それがなぜなのか、わたしはまだ理解できない。


「名前を教えてくれないか」


 彼の声には、どこか切なさをこらえたような響きがあった。わたしは、ただその目を見つめ返すことしかできなかった。

 また、胸の中で何かが揺れ動く。どうしてこんなにも懐かしくて、どうしてこんなにも切ないのか。

 わからないまま、わたしは彼の瞳を見つめ続けながらも、首を横に振った。


「いいえ、できないわ。あなたが何者かも、わからないのに」

「俺の名は、ユージイン」


 それは敵国シャトリアの「闇の騎士」と恐れられた名前だった。アルマリアに、何度も、大きな被害を与えた人物だ。


「俺は、きみを知っている」

「…………」

「きみは――」

「……わたしには、あなたのことが、わからないわ」


 わたしは、戸惑いながらそう答えた。

 彼はわずかに表情を曇らせ、言葉を飲み込んだ。わたしは、彼を深く傷つけたような気がして、思わず口にしていた。


「ごめんなさい」

「…………」


 彼はしばらく沈黙し、やがてゆっくりと息を吸い込んで言った。


「……いや、こちらこそ、すまない。突然すぎたと思う。でも、これだけは言わせてくれ。俺は、きみを知っている。そして、今度こそ、きみを守りたい。何もわからないきみにとっては、迷惑かもしれないが」


 ()()()()。その言葉には、痛みと誓いが込められているのが伝わってきた。

 わたしは理解した。


「……あなた、二度目の人生なのね」

「ああ」


 わたしは、星のアリオスとの会話を思い返しながら、かすれた声をあげた。


「……わたしも、そうよ。でもわたしは、望んだの。今生では、愛はいらないと。愛はもう、すべて捧げてしまったから。……それなのに、こんなにも苦しい。どうして? あなたは誰? わたしは? わたしは――」


 その瞬間、彼がわたしを強く引き寄せ、腕の中に強く、強く抱きしめた。

 そして彼は、声を震わせて、()()()を呼んだ。


「カタリナ。――会いたかった」


 その名前が、まるで運命を変えるようにわたしの心を震わせた。

 そしてその時、わたしの中で、前世の記憶が閃光のように蘇っていた。



 ◇ ◇ ◇



「カタリナ、だめだ。逝くな」


 前世でわたしは、十八歳で命を落とした。彼を守って。

 身分違いの、報われぬ恋をしていた。きっと彼は、彼を求める姫君と幸せに暮らしていくだろう。

 わたしには何もなかったけれど、彼を守ることができた。

 それだけで満足だったはずなのに、破壊魔法で体が崩れゆく中、彼は――。


「頼む、逝くな。きみを失ったら俺は――」


 ぽた、とひび割れはじめたわたしの頬に、温かなものが落ちてきた。

 ――泣いている? あなたが、わたしのために涙を流してくれているの?

 その時、わたしは言葉にできないほどの幸せを感じていた。

 あなたがわたしを想って流してくれた涙だけで、もう十分だと思った。もう、何もいらなかった。


 そして、わたしはあの星の海にいた――。


「……サディク様」


 声を震わせながら名前を呼ぶと、彼は体を離し、信じられないという表情でわたしを見つめ返した。


「カタリナ、記憶が――」


 わたしは頷いた。彼がここにいるということは、つまり。


「どうしてですか。どうして、あなたもここに? まさか――」

「……きみを失って、自暴自棄になり、無理な戦いをして命を落とした」

「そんな……」

「魂だけになって、星のアリオスのもとに還ったとき、どうしても、もう一度きみに会いたいと願った」

「新しい命を選べたはずなのに、どうして。戦いのない、平和な暮らしを送ることもできたのに――」

「きみに会いたかった。それだけしかなかった」


 そして、アルマリアとの戦いの最中、命を落としたユージインとして転生した。闇の騎士として生きるのは、決して楽ではなかっただろう。


「アリオスは、選べる器はそんなにはないと言った。運命までを操ることはできないから、もしかしたら会えないかもしれない、とも。それでも、かまわなかった。たとえ敵国の騎士だとしても、同じ時代に、生きていさえいれば――」


 彼はわたしの頬に手を当て、優しく撫でた。


「ほんとうに、会えた」


 彼の声はわずかに震えていた。

 彼の手のひらの温もりが伝わってきて、わたしの瞳から涙があふれ、静かに頬を伝って落ちた。


「前世できみを守れなかったことを、ずっと後悔していた」


 わたしを見つめるその瞳の奥には、深い愛と悲しみが込められていた。


「今度こそ、守る。もう二度と離れない」


 彼はそう言うと、わたしの顔を両手で包み込み、静かに顔を近づけた。

 目を閉じてわたしは、彼の唇が触れるのを感じた。

 その瞬間、すべての痛みが消え去ったような気がした。前世で捧げた愛、そして失われた命。それらが今すべて、わたしの中で溶け合っていくようだった。


 彼の唇が離れると、わたしは目を開き、その温かな余韻を感じながら、彼に願った。


「……わたしの名前は、リナリア。わたしを、わたしとして受け入れてくれますか?」


 彼は強く頷き、それから再び、わたしをしっかりと抱きしめた。


「これからは、ずっと一緒だ。どんな状況も、必ず乗り越える」


 その言葉がわたしの胸に響く。

 どんな困難が待ち受けていようとも、一緒に乗り越えていけると思った。わたしたちが、今生でも再び巡り合ったという奇跡が、わたしに力を与えてくれた。


 わたしは彼の背中に手を回し、彼の肩越しに、夜空の下で静かに佇む神の像(アリオス)を見ていた。

 無数の星々が、群青色の空にきらめきながら、わたしたちを包み込むように輝いていた。



 ◇ ◇ ◇



 会談の後、シャトリアは降伏を受け入れ、その決断は国への被害を最小限にとどめるものだった。こうして、長い敵対関係に終止符が打たれ、二国はついに同盟関係へと転換した。


 それでも緊張は続く二国の間で、ともに生きることを選んだリナリアとユージインの姿を見た者たちは、そこに強い絆を感じ取ることだろう。それは、深く、誰にも解き明かせない、特別な繋がりだった。


 ――世界のどこでもない、星の海の中で、美しい神がほほえんだ。


『幸せにね。――また、いつか』

(THE END)

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― 新着の感想 ―
神のいる座など幻想的な舞台が美しく描写されていて、生まれ変わった二人の邂逅が感動的でした。
星と海の神様とか、転生を受け入れて強く美しく生きて行ったりなんだか綺麗なお話だなぁ…と思いました。転生してきた前世の好きな人が唐突に現れても違和感がなくて。流れが美しい話でした。
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