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これから始まるリベンジ

 筋トレの疲れで深く眠っていた俺は、銀洞内で何かを叩く音に目を覚ました。点呼の時間だ。毎朝、番号を1から10まで順に言わされるのがこの牢獄のルール。その後に朝食が振る舞われる。しかし、今日もヴィルは抵抗し、番号を言わない。


「いい加減にしろよ。俺はここを出たいんだ。それとも、俺を出せない理由でもあるのか?」


 ヴィルの苛立ちは明らかだが、返事をしたのは豚のような巨体の怪物だった。やつは不気味な笑みを浮かべて、低い声で嘲る。


「ぶひひひ、お前は一生この反異世界にいるんだよ。俺たちの玩具としてな、ずーっと、ずーっとな」


 豚の怪物は腹を抱えて笑い、やがてその重い体を後ろに傾け、地面に倒れ込んだ。その姿を見て、隣にいた蜥蜴のような人型の怪物が舌を出して笑う。「シュロロロ……」と、嗜虐的な笑みを浮かべながら。


 俺たちは仕方なくそれに倣って笑い出したが、すぐにその笑いは恐怖に変わる。豚の怪物はすぐに起き上がり、太い腕で鞭を握りしめ、順番に俺たちに振り下ろしてきた。


「スキル:復讐を発動しますか?」


 頭の中に問いかけが響く。復讐――それは相手の攻撃をそのまま跳ね返す力だ。俺は一瞬迷ったが、鞭の痛みが走る前に答えた。


「発動しろ」


 瞬間、鞭の衝撃が俺の体に触れるや否や、それは逆流し、豚の怪物に跳ね返った。


「ぎゃあっ!」


 豚の悲鳴が銀洞内に響く。俺は無言でその様子を見つめた。次の機会があれば、もっと大きな復讐をする――そう心に誓いながら。


「これからが俺の復讐劇だ」


 豚の怪物が地面に倒れ込んでいる間に、俺は素早くヴィルに目配せをした。


「ヴィル、耳を貸せ」


「どうした、突然?」


 訝しげな表情を浮かべるヴィルに、俺は手招きした。彼はしぶしぶ俺の近くに来て、耳を貸す。


「ここから、出たいか?」


 俺の問いに、ヴィルは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに小声で答えた。


「そりゃ、出たいさ。誰だってこんな場所にずっといたくない」


「もし、俺が出してやると言ったら?」


 ヴィルの目が一瞬大きく見開かれたが、すぐに疑念が浮かぶ。


「よせよ、そんなことをしたらタダじゃ済まないぞ。この世界の掟は厳しい。逆らったら、俺たちは――」


「心配するな。俺には考えがある」


 ヴィルは不安げに周りを見回すが、俺の決意を感じ取ったのか、しばらく沈黙した後に小さく頷いた。俺たちはもう、この牢獄の中で腐っていくわけにはいかない。今こそ、反撃の時だ。


「行くぞ、ヴィル。これからが本当の復讐劇の始まりだ」

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